新車があたった!!

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みにか・らいら  今まで乗っていたミニカ・ライラちゃん(外部4戦士標準装備)が冬位からかなり機嫌を損ねていたらしく、エンジンはごごごごっとか唸り出し、タイヤ交換の度サスペンションのなってなさに泣き、カーブがくるとF1仕様とかとのたまわっている(単に溝がないだけ)タイヤが悲鳴を上げ、ヒーターは一部しか効かず、ラジオはAMしか聞けず、付属のラジカセはカセットを認識せず、シートは擦り切れ、アイドリングは走行中でも勝手に落ち、バッテリーも死活だろうなと諦めていて、要するに最悪な状態でこき使われていました。
 車検が来るのが早いか、任意保険が切れるのが早いか、車が動かなくなるのが早いか、タイヤがバーストするのが早いか、買うのが早いか、等と持ち主の気持ちも考えずに賭けまで始まってしまったため、春から新車・中古車のチラシなんかをぽちぽちと見てはおりました。
「これがいいんじゃないかな〜」と車種をほぼ決めたある火曜の夕方、昔からの付き合いのある某ディーラーに「いい話になるかもしれない電話だよ」と電話。「全然急がないからね」と言ったにもかかわらず、翌日には早々と見積書を持参。新古車と新車両方のを持ってきて、「いや〜この日が来るのをず〜〜〜っと待っていましたよ」などとのたまう。値段的には新古車の方がお買い得なのだが、あたしの提示した条件(5速マニュアル、FMラジオが聞ける、リアワイパー、フォグランプ)を満たす事が出来ず、脱落。「ゆっくり探しましょう」と言う事になりその場はお開き。カタログを見て思わず頬が緩むあたし。
 その翌日の会社の帰り、ねらっている車を専門に扱う別の業者に行き、同じ車で同じ条件で見積りを出させる。流石に値引率は専門業者の方がお買い得。凶悪な事に、帰宅後すぐに最初のディーラーに電話を入れ、価格競争をする。鬼と言われてもやすい方がいいのだ。
 それから土曜日。専門業者の展示会に行き、最初の見積もりからさらに値引きした金額を提示され、思わずその場で肯きそうになるが、左手を思い切りつねってその場をやり過ごす。
 ドキドキしながら帰宅し、最初のディーラーに「一緒にドキドキしませんか?」と電話を入れ、悪魔の囁きをする。「えぇぇ〜っ、ちょっと待って下さいよ」と苦渋の決断を迫られたディーラー、「じゃあ、バイザーつけるから(見積金額より)1万円引き」の一声をもらい、心ではどこから買うか決定しているにもかかわらず、翌日に最終的な返事と言う事で終了。
 翌日。専門業者に断りの電話をするのがおっくうになりつつ、ブランチを食していると電話のベル。そのまま留守電になりとらずにいると専門業者の課長さんの声。「おのの〜〜〜〜」と居留守を使う。しかし、いつまでも電話をしないでいると家にまで乗り込んできそうなので、昼になってようやくかける。受話器を置いた後すぐにディーラーの店までドライブをし、契約書にハンコを押す。決めたら後は素早いのだ(威張る事ではない)。

 納品日は2週間後と言う事で、5月31日を指定。契約書を手にその日は家路に。
 その後、「CDチェンジャーの在庫がないので6月中頃になります」と家まで陳謝しに来たが、「えぇぇぇぇ〜〜〜」と息子と一緒に両手を左右に振りながらごねる(大人気ない(^^;。
 翌日、あたしより先に契約した人のを譲ってもらったと報告(これで鬼畜と呼ばれる(;_;)。

 5月31日。雨の予報を裏切りまあまあの天気の中、最後のお勤めをするミニカ・ライラちゃん。途中2件の事故処理を目撃するも、横目で流しながら店へ。念願の新車は光輝き、早速CDをセットし、シートのビニールカバーを外し、一路ならしドライブへと旅たったのでした。
 買った車はキャロル・ミレディ。あたしのハンドルにも近い名前でよし(CAroL)。
 写真は縁起が悪いという事で勘弁して下さいね。

 ちなみに、ミニカ・ライラちゃん
 すぐには廃車にせず、車検切れまでは代車として余生を過ごす事になったとさ。




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