POINT 6
フランス語特有の半母音


 フランス語には、フランス語特有の「半母音」という音があります。これは読んで字のごとく「母音」と「子音」の間を取る音で、完全な母音ではないけれど、母音に近い音を出す子音という意味なのです。フランス語をフランス語らしく響かせている理由の半分くらいは、この半母音にあると言ってもよいでしょう。こうした半母音は2つあります。「oi」、「y」がこれに当たります。


oi
 まずは、フランス語でもっとも特殊な読みである「oi」です。英語では当然「オイ」と読み下しますが、フランス語ではこれを「ォワ(wa)」と発音します。口をすぼめて「オ」の形を作り、そのまま「ア」の口まで音を出しながら開くと、「オワ」となりますね。この音が「oi」なのです。母音が2つ並んでいますが、これは二重母音ではなく、単母音として扱われることに注意してください。例を見てみましょう。

oiseau(ォワゾー:鳥)
moi(モワ:私)
toi(トワ:君)


y
 次は「y」です。英語では「ワイ」と発音するこのアルファベットはフランス語では「イグレック」と呼びます。「イ・グレック」とは「ギリシア風のイ」という意味ですから、すなわち「y」が、母音的に使われる場合は、基本的に「イ」と発音してかまいません。

例:
lyz(リス:百合)
rythme(リトゥム:リズム)

 ただし、やっかいなのは、「y」は単なる「i(イ)」ではなく、理屈的には、「i」が2つくっついた形、すなわち「i」+「i」と理解される点です。「イ」が2つなので、アルファベットにすれば「ii」というわけです。この場合は、母音と言うより子音に近い用いられ方をし、後ろに母音が続く場合は理屈的に「iia」「iio」「iiu」「iie」「iii」となるため、たいていの場合は「ィユ」という音に近い音となります。ちょっと例を見てみましょう。

例:
yeau→i+ieau(ィユー:目)
Yougoslavie→i+iougoslavie(ィユーゴスラヴィ:ユーゴスラヴィア)

 さらに、さらに厄介なのは、先ほどの「oi」と、この「y」がくっついた「oy」という綴りの場合です。これを分解すると「oii」ですから、まずはじめの「oi」で「オワ」となり、続く「i」で「」「オワ(ィ)」と発音することになります。ここまで来ると、めちゃくちゃ理屈っぽいのですが、覚えてしまえばどうということはありません。「oi」は「オイ」ではなく「オワ」なのです。

 とは言っても例を見ないとわかりづらいかもしれませんね。では取りあえず例を見てみましょう。

例:
royal→roi+ial(ロワイヤル:王の)
voyage→voi+iage(ヴォワイヤージュ:旅)


 さあ、ここまで来れば、もう「poison」は「ポワゾン」と読めますね。「poi」で「ポワ」、「son」の「s」は母音にはさまれているため、音は「z」とにごり、「on」は鼻母音で「オーン」と鼻から抜いて響かせます。「ポワゾン」あるいは「プワゾン」と響かせられれば、それでOK。ここまで来れば、取りあえず第一ステップは終了です。次回は、もう少し細かい音の読み方を勉強しましょう。




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