フランス語には、フランス語特有の「半母音」という音があります。これは読んで字のごとく「母音」と「子音」の間を取る音で、完全な母音ではないけれど、母音に近い音を出す子音という意味なのです。フランス語をフランス語らしく響かせている理由の半分くらいは、この半母音にあると言ってもよいでしょう。こうした半母音は2つあります。「oi」、「y」がこれに当たります。
oiseau(ォワゾー:鳥)
moi(モワ:私)
toi(トワ:君)
例:
lyz(リス:百合)
rythme(リトゥム:リズム)
ただし、やっかいなのは、「y」は単なる「i(イ)」ではなく、理屈的には、「i」が2つくっついた形、すなわち「i」+「i」と理解される点です。「イ」が2つなので、アルファベットにすれば「ii」というわけです。この場合は、母音と言うより子音に近い用いられ方をし、後ろに母音が続く場合は理屈的に「iia」「iio」「iiu」「iie」「iii」となるため、たいていの場合は「ィユ」という音に近い音となります。ちょっと例を見てみましょう。
例:
yeau→i+ieau(ィユー:目)
Yougoslavie→i+iougoslavie(ィユーゴスラヴィ:ユーゴスラヴィア)
さらに、さらに厄介なのは、先ほどの「oi」と、この「y」がくっついた「oy」という綴りの場合です。これを分解すると「oii」ですから、まずはじめの「oi」で「オワ」となり、続く「i」で「」「オワ(ィ)」と発音することになります。ここまで来ると、めちゃくちゃ理屈っぽいのですが、覚えてしまえばどうということはありません。「oi」は「オイ」ではなく「オワ」なのです。
とは言っても例を見ないとわかりづらいかもしれませんね。では取りあえず例を見てみましょう。
例:
royal→roi+ial(ロワイヤル:王の)
voyage→voi+iage(ヴォワイヤージュ:旅)