フランスは,基本的にカトリック国ですから,教会にもヒエラルキーが存在します。もちろん,カトリックのヒエラルキーの頂点にあるのはローマのバチカン大聖堂ですが,その下に各国の中心となる教会が位置することになります。イタリアだったらミラノのドゥオーモや,フィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレ,ロンドンならセント・ポール,日本は目白のカトリック教会とヒエラルキーの上の方に存在する教会があるものですが,パリのこのノートルダム寺院もこのクラスに当たる由緒ある教会と言えます。 というわけで,この界隈は,当然ながら常に観光客でごった返しています。常に,マイクを持った現地ガイドがいろいろな国の観光客を相手に声を張り上げて何事か説明しています。周りを見ればおみやげ屋さんばかりが軒を連ねており,まさに「パリの浅草」的スポットとも言えますが,それだけで終わってしまうのはあまりにももったいないというもの。時間に余裕があるなら,パリをぶらっと散歩して,歩き疲れたところで,このノートルダムに来てみるといいです。お腹が空いたら,近くのサンドウィッチ屋さんで,ジャンボン=フロマージュでも買って,ノートルダムの前の公園のベンチに座り,ぼんやりとこの寺院を眺めてみてください。この崇高なゴシック調の教会が,あなたの心をきっといやしてくれるはずです。 | ||
そうして見ると,教会の前で物乞いをしている人の前でも少しは優しくなれるかもしれません。そういうあなたを「ノートル・ダム(我らが聖母)」が暖かく見守っていてくれるでしょう。おっといけない。少し感傷的になってしまいましたね。 | ||