Qu'est-ce que Renault twingo m'impresse?
(トゥインゴファーストインプレッション)

1・室内空間の広さ

 トゥインゴに乗ってまず驚かされるのが室内空間の広さです。
 どうしてあの小さな車体にこれだけの室内空間があるのか不思議なくらい広いです。

 室内空間の広さだけで言えば,国産の高級車クラスだと思います。それくらい前席・後席ともに余裕があります。パンダもかなり広いと思うけど,トゥインゴはその比ではないです。パンダの場合は,ある程度エクステリアを先に固めてから,インテリアの広さを確保したという感じがありますが,トゥインゴの場合は,まずインテリアから考えてエクステリアを作ったという感じがします。つまり,ルックスよりも何よりも居住性,快適性を最初に考えて作られたクルマという感じがするわけです。このあたりは,いかにもフランス的な合理主義を感じさせます。


前後に長ーいホイールベース。まるでダックスフント

 では,どうやってこの車内空間を確保している(というより作り出している)のかといえば,それはまず前後ぎりぎりいっぱいに配置されたタイヤの位置を見れば分かります。日本車で言えば,ホンダのシビックや軽自動車などによく見られるような,極端にホイールベースが長い構造なのです。これによって,タイヤホールを前後いっぱいに散らすことができ,居住空間を圧迫しない自由さが生み出せたのです。

 エンジンルームも極端に小さく作られており,ボディの最前部にちょこんと位置しています。また,いわゆるAピラー(フロントガラスのライン)がノーズと一直線になるような,横から見るとかなり扁平なデザインなので,操縦席のシート自体は意外と真ん中に位置することになります。これがトゥインゴの特徴の1つで,ほぼ中央に位置するシートは当然ながら安定した位置にあり,前にも後ろにも余裕のあるレイアウトが組めることになるのです。パンダなどはどちらかと言えば,操縦席がかなり前に位置しているため,タイヤホールが足に当たるような足下の窮屈さがありましたが,トゥインゴの場合は意外と足下が広いのには驚かされました。もっとも足の短い日本人が乗ると,この足下のスペースを持て余してしまうのが悔しい限りなんですが。

 スペースもそうなんですが,それと同時にトゥインゴの室内を広々とさせているものに,かなりオーバーサイズの窓があります。フロントもそうですが,サイドウィンドウの広さは並みじゃありません。もともとトゥインゴは,サイドのドアがかなり前後に長く,とて小型車と思えないくらいの大きさ(そして重さも)持っています。それにあわせて当然ながら窓も広くなってるんですが,これが普通の着座位置だと後ろの端が視界に入らないくらい大きいんです。ですから,前方向,横方向ともにトゥインゴの視界はばっちりで,それが内部の空間によりいっそうの広さをもたらしているわけです。パワーウィンドウでウィーンと大きな窓を全開にすると,サンルーフがついていなくてもかなりオープンな感じを味わうことができます。


後ろから見るとけっこうおデブ。でも荷物はすごく積めます。

 これだけではありません。トゥインゴは後部座席もかなり広いです。もともとトゥインゴは,単なる安いルノーの大衆車という位置づけではなく,セニックなど大型のワンボックスカーが採用している「モノ・スペース」というセグメントの末端に当たるクルマとして開発されています。簡単に言えば小型の「ワゴン」なわけで,大人4人がゆったりと座れる室内空間が初めから求められていたのです。このため,後部座席も本当に広いです。しかも,トゥインゴの場合は,前席後席ともシートが前後にスライドできるため,自由に車内空間を調整することができるのです。とくに,手足の短い日本人が運転する場合には,前席をかなり前にスライドすることになるので,その後ろに乗る人は高級車並みのレッグスペースを確保できることでしょう(笑)。

 最後にトランクルームですが,これも相当広いです。後部座席を前後にスライドさせることでトランクルームの空間も自由に調整できるので,後ろに人が乗っていないときには,かなりの量の荷物が積めるはずです。しかも,日本の軽自動車のように,こういうところにお金をケチっていないのがうれしい。トランク内は開けるときちんとランプがつくし,荷室の上にかぶせられるトレイも,リアドアーといっしょにきれいに持ち上がります。こういう点はとてもフランスらしいところです。イタ車でもこうはいかないでしょう。思わずうれしくなって,買い物袋をいっぱい積み込んでしまいたい欲求にかられてしまいます(爆)。

 とにかく,窓と室内の広さからくる開放感はトゥインゴの最大の特徴でしょう。ふわっとしたサスペンションとシート,それにイージーシステムによるなめらかなギアチェンジと加速とあいまって,運転も自然とゆったりしたものになってきます。運転に余裕ができれば,おしゃべりも弾む。弾む心が歌を呼ぶ…。ああ,トゥインゴってなんてステキなクルマなんでしょう。


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