簡単にできるイタリア料理・パスタ編

 イタリア料理と言って日本人が思い浮かべるのはやはりパスタでしょう。そして,パスタと言えば「=スパゲッティ」のことだと一般の日本人は思っていることでしょう。あながち間違いではありませんが,パスタとは小麦粉で作った食品の総称ですから,スパゲッティはその1部にしかすぎません。まあウンチクは別の機会にして,とにかくパスタと言ってもいろいろあるわけです。

 で,そのパスタは,イタリア人にとっては日本人にとってのコメのようなもの。つまり,毎日食べても食べ飽きない。しばらく食べていないと無性に恋しくなってくる。そういうものなのです。毎日食べていると言うことは,毎日それなりの工夫をしておいしく食べる努力をしているわけで,家によって味が違うなんて言うのはアタリマエの話(同じ味を作る方が難しい)。同じ家の中でも,その食べ方は何百と編み出されているのです。

 日本でも,書店に行けば山のようにパスタのレシピが載った本が出回っていますが,そもそもパスタなんてえモンは,日々の糧となる消耗品。難しいことは考えず自分であれこれ味をつけて楽しめばそれでいいんです。大体,人のマネをしていたって楽しくないし,缶詰のミートソースなんか温めたってちっともおいしくありません。

 それより,自分であれこれ工夫を凝らしながら自分だけのパスタを作ってみましょう。本当においしい自分の味を見つけたときの喜びはそれは格別ですよ。


数の子で作るスパゲッティ・ドーロ
(Spagetti d'oro al cadunocco)

 お正月などに数の子をもらったのはいいけど,結局あまってしまって冷凍庫の奥に眠っている。なんてことはないでしょうか? うちはそうでした(笑)
 元々,数の子というのはそれほど食べる食材でもないし,塩抜きをしなくちゃいけなかったりするので,面倒くさいものです。でも,スパゲティだったら,塩抜きする必要もありません。だって,塩の代わりになるんですから。
 そして,数の子という食材を使うことで,海の香りと金色の色合いが,ただのスパゲティに豪華な彩りを与えてくれます。これがまた意外とおいしいので,ぜひ試してみてください。くれぐれも塩をふらないように気をつけてくださいね。(Decembre/9/2000)

材料(2人前)
スパゲティ200g
タマネギ1コ
ニンニク4カケくらい
数の子1柵
唐辛子1コ
オリーブオイル
塩・あらびき黒コショウ
少々
作り方(所要時間20分)
1・お湯を沸かしスパゲティをゆでます。
2・タマネギとニンニクをスライスし,数の子も細かくカットします。
3・ニンニクをやや多めのオリーブオイルで軽く炒めます。次いで,スライスしたタマネギを軽く炒め,スパゲティのゆで汁を加えながらしんなりするまで炒めます。
4・唐辛子を切って入れます。スパゲティがゆであがる直前に数の子をソースに加え,さらに少量のゆで汁を注ぎ火を止め,軽くコショウをふります。
6・スパゲティとソースをからめ,皿に盛ったら出来上がりです。


じゃこと海苔の和風スパゲッティ
(Spagetti al giapponese con giacco e nori)

 「和風スパゲティ」というものを僕はあまり作らないのですが,妻の実家が海の近くということもあって,家に大量の海苔と使い残しの「じゃこ」があったので,取りあえずさくっと作ってみました。かなりシンプルなスパゲティですが,これがさっぱりと海の香りがして,結構いけます。イタリアのトマトスパゲティばかりで飽きてしまったら,たまにはこういう和風スパゲティもいいかもしれませんね。
 さらに手を抜きたいという人や,そういった素材が家にないという方なら,家にあるふりかけなんかでも応用できてしまうはずです。要は,麺をしっかりとアルデンテでゆでて,ニンニクとオリーブオイルでしっかりと風味をつけてやれば,なんだってスパゲティはおいしいのです(笑)(Decembre/9/2000)

材料(2人前)
スパゲティ200g
タマネギ1コ
ニンニク4カケくらい
じゃこ少量
海苔1〜2枚
ベーコン4枚程度(なくても可)
オリーブオイル
塩・あらびき黒コショウ
少々
作り方(所要時間20分)
1・お湯を沸かしスパゲティをゆでます。
2・タマネギとニンニクをスライスし,ベーコンを細かくカットします。
3・ニンニクをやや多めのオリーブオイルで軽く炒めます。次いで,スライスしたタマネギを軽く炒め,ややきつめに塩をふります。さらに,スパゲティのゆで汁を加えながらしんなりするまで炒め,そのあとベーコンを軽く炒めます。
4・海苔を適当にカットします。
5・スパゲティがゆであがる直前にソースにじゃこを投入。油に香りが移ったら,色が変わる前に火を止め,軽くコショウをふります。
6・スパゲティとソースをからめ,皿に盛ったら,上から海苔をかけて出来上がりです。


キノコのスープスパゲッティ
(Spagetti alla zuppa di funghi)

 秋と言えば,イタリアではポルチーニの季節。香りの強いポルチーニは,どんな料理もおいしくさせてしまう魔法のような食材です。でも,ポルチーニはとにかく値段が高い。特に日本では目が飛び出るくらいの値段がついています。まあ日本で言えば松茸にあたる高級キノコですから輸入物ともなればさらに値段が高くなってしまうのは仕方ありませんが,おいそれと家庭で料理できるものではないのもまた事実です。
 でも,日本にだっておいしいキノコはほかにもたくさんあります。それも安く手に入るしめじや椎茸なんかは結構いろんな料理に合わせられる万能選手です。安くておいしいこれらのキノコをふんだんに使い,あっさり塩味のスープスパゲティに仕上げてみました。秋の味覚をたっぷりと味わってみてください。(Ottobre/13/1999)

材料(2人前)
スパゲティ200g
本シメジ1パック
シイタケ中4コくらい
タマネギ1/2コ
ニンニク3カケくらい
コンソメ1/2〜1コ
白ワイン50〜100cc
オリーブオイル
塩・あらびき黒コショウ
少々
作り方(所要時間20分)
1・お湯を沸かしスパゲティをゆでます。
2・本シメジは適当にちぎってばらし,シイタケは1/8くらいに小さくカットします。シイタケは香りがキツイのであまり入れすぎないように注意しましょう。タマネギは薄くスライスしておきます。
3・ニンニクを細かく刻み,オリーブオイルで軽く炒めます。次いで,スライスしたタマネギを軽く炒め塩・コショウし,白ワインを加えながらしんなりするまで炒めます。後でコンソメを入れるので,塩・コショウは軽くにしておきましょう。
4・シイタケとシメジを投入し,となりで火をかけている(であろう)パスタのゆで汁を加えていきます。そこへコンソメを溶かし込み,味を調整したらスープの出来上がりです。
5・最後にスパゲティを皿に盛り,具とスープを上からかけて出来上がり。パルメザンチーズをかけて食べてもおいしいです。


スパゲティ・カルボナーラ
(Spaghetti alla carbonara)

 上に振りかけた黒コショウが炭焼きの炭を連想させることからその名が付いた「スパゲティ・アッラ・カルボナーラ(炭焼き風スパゲティ)」。通常は,卵とクリーム(パンナ),ベーコン,チーズといったコテコテの食材ばかりを使うため,かなりの高カロリーのため,女性などでは食べたくてもちょっと遠慮してしまうのではないでしょうか。
 そんなアナタのために,ちょっと低カロリーなカルボナーラを作ってみました。クリーム,チーズといった食材を使わず,シンプルに卵と牛乳で仕上げたオリジナルスパゲティです。結構イケるので,ぜひお試しください。 (Settembre/20/1999)

材料(2人前)
スパゲティ200g
3コ
ベーコン100g
タマネギ1/2コ
牛乳少量
バター(マーガリンでも可)少量
オリーブオイル少々
塩・あらびき黒コショウ少々
作り方(所要時間15分)
1・スパゲティをゆで始めます。塩はややキツメに。
2・ゆで上がりまで5分くらいになったらフライパンにオリーブオイルをしき,スライスしたタマネギを軽く炒めます。塩味のきいたスパゲティのゆで汁を加えて柔らかくしましょう。決して焦がしてはいけません。
3・タマネギが柔らかくなったらベーコンを炒めます。油が若干出るくらいまで炒めましょう。
4・その後,バターを加えて風味付けをします。さらに牛乳を少量加えからめたら火を止めます。
5・ゆで上がったパスタの水気を切り,そのままフライパンにあけます。ここで溶いた卵を上からかけてからめます。スパゲティの余熱とフライパンの余熱でとろとろと半熟状態で固まるので,そのまま皿に盛りつけます。ここはスピードが命。火をとめてからめるのがポイントです。
6・最後にあらびきの黒コショウをふりかけて出来上がり。とろっとした半熟の風味を楽しんでください。


スパゲティ・ボンゴレロッソ
(Spaghetti alle vogole rosso)

 「スパゲティ・ボンゴレ」といえば,日本でもおなじみ。そう,アサリをベースにした塩味のさっぱりスパゲティです。普通は,オリーブオイルとニンニク,それと白ワインでそのまま蒸して食べるので「スパゲティ・アッレ・ボンゴレ(アサリのスパゲティ)」としか呼ばれませんが,そこにトマトが入ると「スパゲティ・アッレ・ボンゴレ・ロッソ(アサリの赤スパゲティ)」となるわけです。色でビアンコ(白)かロッソ(赤)か分かれる辺りはワインと同じですね。
 今回はナポリ風にトマトもプチトマトを使用して,本格派のボンゴレロッソを作ってみました。実はこれ,妻の実家に行ったときに海の近くでその日取れたアサリを使用して作ったボンゴレロッソなのです。しかも,プチトマトは家庭菜園で作った自家製。素材の味がほぼすべてを決めるイタリア料理です。はっきり言って,うまかったです(涙)。 (Settembre/20/1999)

材料(4人前)
スパゲティ500g
アサリ300g程度
タマネギ1コ
プチトマト20コくらい
コンソメ1個
オリーブオイル少々
ニンニク4かけ
鷹の爪2コ
白ワイン1/3本
塩・コショウ少々
作り方(所要時間20分)
1・スパゲティをゆで始めます。塩はややキツメがいいです。
2・ニンニクを刻み,鍋にオリーブオイルをたっぷりしいて熱します。まずは,スライスしたタマネギを軽く炒めます。軽く塩・コショウで下味を付けます。
3・そのあとでアサリを入れ,白ワインを注ぎ2〜3分蒸します。アサリが開いてきたらOKです。
4・汁気がたっぷり出ていると思うので,そこにコンソメを入れます。隣でゆでているパスタのゆで汁を多少加えつつ,プチトマトをつぶしながら入れ,鷹の爪も入れます。
5・ゆで上がったパスタと,ボンゴレの具&スープをからめて出来上がり。スパゲティは,きっちりアルデンテでゆでないと,しまりがなくなるので要注意です。シンプルだけに,素材の味と歯ごたえが命です。


ほうれん草とベーコンのペペロンチーニ
(Peperoncini con spinacci e bacone)

 実は,ペペロンチーニというスパゲッティはもっとも単純でもっとも簡単に作れるスパゲッティです。基本的には,ニンニクと唐辛子(ペペロンチーニ)をオリーブオイルでさっと炒めて,塩とコショウで味を付け,パスタとからめればそれだけでもうスパゲッティ・ペペロンチーニなのですから,ものすごく簡単なのです。時間があまりないという人でもこれなら15分もあれば十分にできてしまうでしょう。あまりにもシンプルなので「絶望のパスタ」と呼ばれていると,日清製粉のラジオCMで聞きましたが,本当かどうかは知りません。
 でも,ペペロンチーニはシンプルなだけに,いろいろバリエーションが考えられます。たとえば,このほうれん草とベーコンという組み合わせはいかがでしょう。シンプルですが,そのシンプルさがまたたまらない,定番の一品です。ほうれん草の緑と,ベーコンの赤,そしてスパゲッティの白で,見事にトリコローレになっている点もモルト・ベーネですね。簡単なので,ぜひ覚えてみてください。
(Marzo/10/1999)

材料(2人前)
スパゲッティ200g
ほうれん草2〜3束程度
ベーコンスライス2枚
タマネギ(なくても可)1/2コ
オリーブオイル少々
ニンニク4かけ
鷹の爪2コ
バジル2枚
ワイン(白)少々
塩・コショウ少々
作り方(所要時間20分)
1・お湯を沸かします。その間に,材料を適当な大きさに切っておきます。お湯が沸いたら,スパゲッティをゆで始めます。ゆで始めると同時くらいにフライパンを熱し始めましょう。
2・ニンニクを刻み,鍋にやや多めのオリーブオイルをたっぷりしいて熱します。ややニンニクに色が付いてきたら,鷹の爪をちぎって入れ,軽く塩・コショウで油に下味を付けます。
3・タマネギがある場合は,ここでタマネギを炒めます。しんなりするまで炒めますが,隣でボイルされているパスタのゆで汁を少々かけるとすぐにしんなりしてきます。
4・その後で刻んだベーコンを炒めます。やや油が出てくる程度まで炒めましょう。その後で刻んだほうれん草を炒めます。
5・ささっと短時間で炒めたら,白ワインを少々かけてアルコールを飛ばします。香り付けにもう一度オリーブオイルをかけたら,ソースは出来上がり。
6・パスタがゆで上がったらお湯を切り,素早くソースとからめて出来上がり。決して炒めないようにしましょう。最後に刻んだバジルをのっけて出来上がりです。


豚肉のラグーソースがけペンネ
(Penne al ragu` maiale)

 「RAGU`(ラグー)」とは,豚肉や牛肉をことこと長い時間煮込んで作るトマト仕立ての肉入り煮込みシチューです。肉を細かく刻まずに,大きく塊のまま煮込むのが特徴です。要するに「トマト味の煮込み」ですね。
 主に,北イタリア〜中部イタリアで食べられることが多いみたいですが,やはり寒いときにこういう煮込み料理を食べるとなんだか幸せな気分になってきます。本来はパスタとからめずに,ラグーだけでパンと食べたりするものですが,ここではゆでたペンネの上にかけてあります。これはこれでおいしかったりします。具だくさんで,おなかもいっぱいになりますよ。
 材料となる豚肉は,脂身の付いたブロック肉が最適です。スーパーなどで安く売られていたら,買いだめして冷凍しておくと便利です。豚のブロック肉は比較的安いので,ラグーは経済的な料理でもあります。牛肉でもできますが,豚肉のほうがとろっとしておいしい気がします。
 この料理はとにかくじっくり煮込むのがポイントです。豚肉は煮込めば煮込むほどおいしくなります。数時間煮込んだ後の豚肉は,本当にこれが豚肉なの?と驚くほどとろっとしておいしくなるものなのです。
 写真はたしか昨年のクリスマスに作ったラグーです。デジカメが壊れてたので,普通の写真で撮影しました。本当は作る過程も撮影したのですが,ピントが合わずにボケボケになってしまったので,また後日載せることにします。(Marzo/6/1999)

材料(4人前)
ペンネ200g
豚肉ブロック400g程度
タマネギ2コ
ニンジン2本
セロリ1/2本
トマト缶1缶
コンソメ2個
オリーブオイル少々
ニンニク4かけ
鷹の爪2コ
バジル2枚
ワイン(赤)1/2本
塩・コショウ少々
パルメザンチーズ少々
作り方(所要時間3時間)
1・豚肉のブロックを,各辺5cm程度の大きめな立方体に切っていきます。塊というくらいの大きさで大胆に切るのがポイントです。
2・ニンニクを刻み,鍋にオリーブオイルをたっぷりしいて熱します。ニンニクと切ったブロック肉を軽く炒めます。軽く塩・コショウで下味を付けておきましょう。
3・軽く炒めたら,赤ワインをボトル半分くらい大胆に入れてしまいます。安いワインでいいので,もったいないと言わずに大胆にいきましょう。
4・適当にワインが煮立ってきたら,次にトマト缶のトマトを1缶ドバーッと入れてしまいます。ホールトマトの場合は,トマトをつぶしながら煮込んでいきます。
5・煮込んでいる間に,タマネギとニンジン,セロリを刻みます。タマネギとセロリは溶けてしまうのでいいのですが,ニンジンは形があまり崩れないように大きめにカットしましょう。
6・鍋にニンジンとセロリ,タマネギを入れ,すべての具材が浸るように,適当に水を加えます。その後コンソメを入れて,少々塩を加えて味付けします。
7・後はしばらく弱火で煮込みます。ときどき様子を見ながら,コツコツ3時間ほど煮込みましょう。スープが少なくなってきたら,水を加えながら煮込んでいきます。お好みで鷹の爪を入れてください。
8・豚肉が柔らかくなったら,塩・コショウで味の調整をし,香り付けにオリーブオイルやバジルを加えます。マイルドな味が好みの方は牛乳などを入れるのもいいかもしれません。
9・ペンネをゆでて皿にもり,できあがったラグーをかけて出来上がりです。好みでパルメザン・チーズをかけてお召しあがりください。


鶏肉のトマトパスタ
(Pasta con pomodoro e pollo)

 鶏肉を使ったボリュームたっぷりのパスタです。ミートソースのような「ソースをかけて」食べるという感じではなく,「ソースと共に」食べるというような感じがポイントです。「食べるおみそ汁」というフレーズがありますが,このパスタのソースはまさに「食べるソース」です。鶏肉のさっぱりした風味をトマトソースでパスタと一緒にからめて食べるので結構食べ応えがあります。基本的には単なるトマトソースのパスタなので作るのは大して難しくありません。ちなみに写真は左が貝の形のスフォリーナを使ったパスタ,右側がスパゲッティです。お好きな具材を合わせて自由に作ってみてください。(Ottobre/4/1998)

材料(2人前)
パスタ適量
鶏のもも肉か胸肉
(ささみでも可)
200g程度
タマネギ1コ
ピーマン2コ
トマト缶1/2コ
オリーブオイル少々
ニンニク2かけ
鷹の爪1コ
バジル2枚
ワイン(赤または白)少々
塩・コショウ少々
作り方(所要時間20分)
1・タマネギは細長く,ピーマンは四角くカットし,ニンニクは刻んでおきます。
2・鶏肉は一口大に食べやすいサイズで刻みます。皮は付けたままでもOKです。
3・パスタをゆで始めます。
4・フライパンにオリーブオイルをたっぷりしき,ニンニクと鷹の爪から軽く炒めます。
5・刻んだ鶏肉を入れ,全体的に火が通るまで炒めます。
6・鶏肉に火が通ったらタマネギとピーマンを入れ,軽く炒めて塩・コショウで多少きつめに味付けします。
7・あれば,ここでワインを少量入れアルコールが飛ぶまで炒めます。ある程度ワインが飛んだらトマトを入れ,へらなどでつぶしながら熱します。
8・刻んだバジルを入れ,塩・コショウで味の調整をします。
9・パスタがゆであがったらスパゲッティの場合は皿に取り,炒めたトマトソースと鶏肉を盛ってできあがり。ペンネやマカロニ系なら,お湯をきってソースとからめて出来上がりです。


スパゲッティ・ボロニェーゼ
(Spaghetti bolognese)

 「スパゲッティ・ボロニェーゼ」とは「ボローニャ風スパゲッティ」という意味ですが,日本では「スパゲティ・ミートソース」と言ったほうが分かりやすいでしょう。要するに,豚のひき肉とタマネギのみじん切りをトマトソースにして作ったスパゲティのことです。このスパゲッティの名前になっているボローニャという街は,食の街としてイタリアでも有名な街で,特に豚肉や牛肉のおいしい料理で知られています。日本ではこのミートソースが有名ですが,そのほかにも生ハムとかサラミ,チーズなども有名な街です。
 日本ではかつてスパゲッティと言えば「ミートソース」か「ナポリタン」しかなかったものでしたが,今ではすっかりメジャーな食べ物になって,ミートソースなんて言うと笑われてしまいそうですが,これはこれでやっぱりおいしい定番のパスタです。缶詰のソースを買ってくるよりは遙かにおいしく作れますので,パスタソースを作るのが初めてだという人もぜひこのスパゲッティ・ボロニェーゼに挑戦してみてください。(Settembre/26/1998)

材料(2人前)
スパゲッティ適量
豚のひき肉200g程度
タマネギ1/2コ
トマト缶1/2コ
オリーブオイル少々
ニンニク2かけ
鷹の爪1コ
バジル2枚
ワイン(赤または白)少々
塩・コショウ少々
作り方(所要時間20分)
1・タマネギをみじん切りにし,ニンニクを刻んでおきます。
2・パスタをゆで始めます。
3・フライパンにオリーブオイルをたっぷりしき,ニンニクと鷹の爪から軽く炒めます。
4・その後刻んだタマネギを入れ,透き通ってくるまで炒めます。
5・ここでひき肉を入れて火が通るまで炒め,塩・コショウで多少きつめに味付けをします。
6・あれば,ここでワインを少量入れアルコールが飛ぶまで炒めます。
7・ある程度ワインが飛んだらトマトを入れ,へらなどでつぶしながら熱します。
8・刻んだバジルを入れ,塩・コショウで味の調整をします。ちょっと塩気が感じるくらいがベストです。
9・この辺りまで来るとパスタがゆであがるので,パスタを皿に取ります。
10・出来たミートソースに,最後オリーブオイルで香り付けをし,パスタに盛って出来上がりです。


サケのクリームソース・スパゲッティ
(Spaghetti alla crema di salmone)

 日本でも手に入りやすいサケの切り身を使ったクリームソーススパゲッティです。クリームソースと言うと何だか難しそうに思う人がいるかもしれませんが,作り方はいたって簡単です。要はミルクをベースにして,小麦粉でとろみをつけていけばいいのです。
 サケは塩サケでもOKです。ただし,あまりしょっぱいと全体の味が悪くなってしまうので,その場合は塩抜きしてください。サケの油とちょっとした生臭さが嫌いでなければ,クリームソースとの相性は抜群です。クリームソースのちょっとこてっとした風味の中に,サケの塩味と海の香りがいいアクセントになってくれます。(Settembre/19/1998)

材料(2人前)
スパゲッティ適量
サケの切り身1切れ
タマネギ1/2コ
牛乳50mlくらい?
パンナ(クリーム)少々
バター少々
小麦粉少々
パセリ(あれば)少々
塩・コショウ少々
作り方(所要時間20分)
1・サケの切り身はあらかじめあぶっておきます。
2・サケが焼き上がったらパスタをゆで始めます。
3・タマネギを細切りにしバターで軽く炒めます。このとき軽く塩とコショウで味付けしてしまいます。さらにパスタのゆで汁を少量加えながら炒めます。白ワインがあれば白ワインを入れてもGoodです。
4・タマネギがしんなりしてきたら,焼いたサケの切り身をほぐし一緒に軽く痛めます。このときあまり痛めすぎないようにするのがコツです。
5・ある程度サケがなじんだらフライパンに牛乳を少量入れます。さらに牛乳となじんできたら,水で溶いた小麦粉を流し込みとろみをつけます。
6・若干とろみがついたところでパンナを入れ,うまくあえたらソースは完成です。
7・この頃になるとパスタがゆであがってくるので,ゆでたてを皿に盛り,ソースをかけ,上からパセリをかけて出来上がりです。


サケのオリーブオイル・スパゲッティ
(Spaghetti all'olio con salmone)

 こちらは,サケを使ったオリーブオイル・スパゲッティです。オリーブオイルベースのスパゲッティは,塩味を強めに付けるのがポイントですが,サケの切り身の塩味がかなりいいアクセントをつけてくれるので,塩をあまり使わなくていいのがこのパスタの特徴です。ついでに,ちりめんじゃこなんかが冷蔵庫にあれば一緒に炒めると,海の香りがぷうーんと香っていい感じです。(Settembre/19/1998)

材料(2人前)
スパゲッティ適量
サケの切り身1切れ
タマネギ1/2コ
(あれば)ちりめんじゃこ少々
オリーブオイル少々
鷹の爪1コ
ニンニク2かけ
バジル2枚
塩・コショウ少々
作り方(所要時間20分)
1・サケの切り身はあらかじめあぶっておきます。
2・サケが焼き上がったらパスタをゆで始めます。
3・刻んだニンニクを,やや多めのオリーブオイルで炒めます。カリカリに炒める前に細切りにしたタマネギを入れてさらに炒めます。
4・軽く塩とコショウで味付けしたら,焼いたサケをほぐして入れ,さらにパスタのゆで汁を少量加えながら炒めます。なじんできたところで,きざんだ鷹の爪を加えます。
5・パスタがゆであがるまでしばらく火を止めて休み,パスタがゆであがる直前にきざんだバジルとちりめんじゃこを入れてソースを温めます。
6・パスタがゆであがったらソースとからめて出来上がり。


前に戻る