はじめに



 巷ではワインがちょっとしたブームみたいみたいです。本屋に行けばワインの本がいっぱい出ているし,女性月刊誌などでもしばしばワインの特集を行っています。何でもソムリエスクールも,女性を中心に大盛況らしいとのこと。
 ワインを好きになるのはいいことです。僕だってワインが好きだし,ワインはとってもおいしいお酒だと思います。でも,日本のこの状態は何かがちょっと違う気がするのも確か。それはワインが生活に溶け込んでいないためなのかもしれません。本やテレビでは,いろいろとおいしいワインの情報を垂れ流していますが,そんな高価なワインはしょっちゅう飲めるもんじゃありません。大体日本ではワインが高すぎます。
 そこが違うんですよ。ワインは,ヨーロッパではもっともポピュラーなお酒なんです。お酒だから,毎晩晩酌をします。子供の頃から死ぬときまで,西洋の人はワインを飲んでいるんです。それがうまかろうがますかろうが,とにかく飲みます。それは生活の一部なんです。水を飲むごとく,ワインを飲みます。だから,ワインのおいしさは肌で感じているんです。本で得た知識じゃありません。
 とにかく,ワインの味を知りたければ,とにかくワインをいっぱい飲むことでしょう。そして,いっぱい飲むからにはそんなに高いワインを初めから飲もうとしちゃいけません。とにかく安いワインを適当に選んで買って飲みましょう。すべてはそこから始まるのです。
 ただし,ワインのことを何も知らない日本人のことです。どのワインから始めたらいいのかは迷うところでしょう。それに,いくら安いとは言っても,1本1000円はくだらない買い物です。普通の生活をしている僕たち日本人にとっては,これは毎日買って飲める額じゃないし,外れを引いたらやっぱり悲しいはず。
 そこで,ここでは「安くておいしいワイン」というのをモットーとして,僕の飲んだワインを紹介したいと思います。もちろん,日本で買えるものばかり。最近では安くてもおいしいワインが日本にもたくさん入ってきているので,そんな中からおいしかったワインを選んで紹介します。
 やっぱりおいしいワインを飲むと幸せになるし,その幸せはみんなで分かち合いたいもんね。Beviamo!

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