ATマシンその1(P54C-PIP)
私がAT互換機に手を出した第1号機です。ちなみにPC-88SRに続いて新品で買ったパソコン第2号機です(笑)。
私がこのマシンを購入したのは94年の夏でした。時代がDOSからWindowsに移行しようとしていた時期、Windows3.1すらまともに動かない98しか持っていなかった私は、某茄子が入って懐が暖かかったこともあり、Windowsが余裕で動作するマシンの購入を検討し始めました。
時代としてはP5と呼ばれたPentium-60/66MHzからPentium-90/100MHzへ移行しようとする時期で、486-100MHzマシンもまだまだ健在でした。そんな中で、なるべくなら後々まで使えるようにとPentiumの90MHz以上というマシンを物色しました。
選択肢としては、無難にPC-9821シリーズを買う、ショップブランドのAT互換機を購入する、一からAT互換機を組み立てるという3つがあったのですが、まず一から組み立てるというのは何分この世界に足を踏み入れるのは初めてだということもあり、余りにリスクが大きいということで考慮から外しました。
次にPC-98シリーズを買う、ですが、この頃はまだNECの牙城は安泰であり、結構強気な価格設定がされていました。上記スペックで該当するのがPC-9821Anあたりだったと思いますが、売値で60万円以上していたように記憶しています。
んで、結局購入したのがプロサイドという会社のマシンで、秋葉原の直販店で42万円でした。この会社、昔はSORDといってオフィス向けコンピュータやらMSXやらを売っていましたが、最近はAT仕様の汎用部品を組み立てて自社ブランドで販売しています。
さて、このマシン、スペックは以下に書くとおりなのですが、いかにも過渡期の製品らしく色々中途半端なところがありました。これらはDOSで動作させている分には問題がなかったのですが、Windows95が登場して95流のデバイス管理が巷に浸透し始めると、途端にトラブルの種となりました。
このマシンの変なところその1。それはこのマシンに採用されているマザーボードのバス構成にありました。このマザー、Pentium対応のクセしてVL-BUSが付いているんです。
VL-BUSといえば486CPUのバスそのまんま出力という仕様で、バス構成の異なるPentiumでは実現できないだろうと言われてました。このマザーはCPUバス-VL-BUSブリッジを通してVL-BUSを構成し、更にそこからPCIバスブリッジを通してPCIバスに到達するという、とっても奇妙な造りになっていました。
PCIバスの方も、まだ規格が充分練られていない段階での製品であったため、プラグアンドプレイに対応しておらず、従ってバス規格確定以後(PCI2.0だったっけ)に登場した最近のPCIカードはほとんどまともに使えませんでした。それ以前にDOS/Windows3.1では問題の無かった既存のビデオカード(mach32)ですら、95にした途端解像度設定によってハングアップするようになり、結局このマザーはお蔵入りとなりました。
このマザー、結局は大阪の某氏に貰われていきました。そちらでVL-BUSのボードを搭載してみたらしいのですが、結局動かなかったようです(笑)。
変なところその2。それはCD-ROMドライブです。2倍速は仕方がないこととして、インターフェースが専用I/Fなんです。DOS用のドライバは付属していましたが、例によって95へアップグレードしたときに問題になりました。メーカーがマイナーなのかどうか知りませんが、このCD-ROMドライブ用の32bitドライバはリスト内にありませんでした。
まあ、その当時ATAPIはまだ存在していませんでしたから、選択肢としてはSCSIか専用I/Fしかありませんでした。従ってメーカを恨んでも仕方ありません。
結局このCD-ROMも取り替えとなりましたが、取り替えるにしてもE-IDE対応のインターフェースではありませんでしたので、今主流のATAPIは使えず、結局SCSI-I/Fを増設してSCSI仕様のドライブを取り付けました。
さて、このCD-ROMドライブのその後ですが、最近まで使い道がなかったのですが、LINUX
SLACKWARE3.6Jを購入したところ、対応CD-ROMドライブのリストにこのドライブが含まれていまして、こいつで使おうかと思っているところです。問題は長年ほおっておいたので動くかどうか(笑)。
まあ、その後も山あり谷あり紆余曲折ありまして、今は友人宅(のあ氏)で第2の人生を歩んでおります。友人宅に行ってからも進化を続け、現時点で購入当時の面影を残すのはケースとFDD、ビデオカードくらいしかありません。
元々貸し出しという形でのあ宅に嫁いだこのマシンですが、今では中身のほとんどはのあ氏が購入した(というか私が買わせた(^^;))モノなので、もう9割方は私のモノではないんですが、まあ一応我が家のAT第一号マシンなのでここに載っけておきます(笑)。
当初はプログラム開発用として購入したこのマシンでしたが、OSがWindowsに移行してしまい、結局通信用マシンとしての使途がメインになってしまいました。DOS上でのソフト開発も少しは行いましたが、WindowsになってからはVisual
C++のMFCになじめず、今ではほとんどウチでプログラム作らなくなってしまいました。
今考えると、果たして本当に安い買い物だったかどうかははなはだ疑問ですが、少なくともその後のパソコンライフの行く先を方向付けたのは確かです(と自分を納得させる(^^;))。
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このマシンはのあ氏に貸し出し後、中身のほとんどを入れ替えまして、今ではPentiumII-400MHzマシンに化けました(ATファクタってのがネックですが(^^;))。ここまでになるのには紆余曲折いろいろありましたので、そのうちサポート日記とでも題してまとめようかと思っています。覚悟しておれ「のあ」(笑)。
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使用パーツの変遷(1994〜2000)
(Proside P54C-PIP) |
CPU |
Pentium-90MHz→MMX-Pentium-166MHz→AMD-K6-200MHz
→AMD-K6-233MHz→PentiumII-266MHz(O.C.400MHz) |
RAM |
16MB(4MB-SIMM×4)→48MB(16MB-SIMM×2、8MB-SIMM×2)
→64MB(64MB-DIMM×1) |
M/B |
PCI54PV(Socket5)→GA-586ID(Socket5×2)
→Aopen AP58(Socket7)→GIGABYTE GA-6BA(Slot1) |
VIDEO |
ATI-mach32(PCI-VRAM:2MB)
→nDIVIA RIVA-TNT(AGP-VRAM:16MB) |
Sound |
(無し)→SoundBlaster16(ISA)→メーカー不明(PCI) |
SCSI I/F |
(無し)→Adaptec AHA-1510(ISA)→Tekram DC-390U(PCI) →IOI-4203U(PCI) |
HDD |
540MB→540MB×2→1.6GB→4.3GB→4.3GB+8.4GB |
CD-ROM |
AZTEC 2倍速(専用I/F)→東芝4倍速(SCSI)
→Matsusita16倍速(ATAPI) |
CD-R |
(無し)→Panasonic(Read12x:Write4x) |
MO |
(無し)→230MB |
その他 |
スキャナ、プリンタ、モデム、CATVモデム他 |
青はウチで更新したもの、緑は渡したときのスペック、赤はのあ氏宅でのアップグレード
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