『鈴音のトゥルーラブソング』


「休みが終わったらあたらしい街が、きみはポツリと笑う」
(片桐彩子が絵を描いてる。)
「コンビニの前で二人話すのも今日で最後になるの」
(清川望(今回登場せず)が水泳のスタート練習をしている。)
「みんなと一緒に見送りに行くよ。引越しが決まったら連絡して!」
(藤崎詩織がお勉強してる。)
「元気でね。がんばってね。手紙書くね。たまに会えるよね」
(秋穂みのりと美咲鈴音が雪のなかをくるくる回る。)
「なんでかな?さみしいのにさみしいよと言えなかった」
(館林見晴が歌を歌ってる。)

わーい!「TLS」だ(笑)!
(作者注:OP変更希望してます。どこの番組でもヒロインないがしろにしてるO
Pなんてないし・・・。せめてこのくらいのつくってほしいという思いをこめて・
・・)

 それでは、SSの始まりでーす。

          第一章「とまどい」

 きらめき高校2年生の男子生徒が、1年A組にやってきた。彼の名は青山亀吉と
いい、ギターの名手として有名であったが、バンドの解散に伴い、再結成しようと
スカウトに走っていた。なんとかベースとドラムは確保できたがキーボードがいな
くて困っていたところ、親友の早乙女好雄から1年にかわいくてピアノ弾ける女の
子いるという情報を聞いてスカウトにやってきたわけである。

 亀吉はポニーテールしてる女の子に話しかけた。
 「優美ちゃん」
 「青山先輩!何ですか?」
 「美咲鈴音ちゃんよんでくれないかな」
 優美はかわいい女の子に声をかけた。
 「鈴音ちゃん!お客さんだよ」
 「誰なのかな?」
 鈴音が入口にやってきた。
 「美咲鈴音ちゃんって君?僕は2年の青山亀吉というものだけど」
 「その青山先輩がどうしたんですか?」
 亀吉は言った。
 「うちのバンドのキーボードやってくれないかな?ピアノ弾けるんでしょう?」
 「なぜ、そのことを・・・」
 「優美ちゃんから聞いたんだ」
 「先輩!優美がやりますってば!」
 「好雄からピアノ弾けないのきいてるからダメだって・・・」
 「じゃしょうがないね・・・鈴音ちゃんやってあげて」
 「そこまでされて断れないでしょう。いいですよ」
 そして、鈴音も加入し、バンド名も「ミスターホリデー」となった。

 そんなある日、一生懸命練習してたため遅くなってしまった。
「鈴音ちゃん。遅くなったから送ってくよ」
 「いいんですか?」
 「女の子を1人で帰すわけにはいかないからね」
 「・・・はい」


   第二章「夢を追いかけて」

 そして、二人は一緒に帰っていった。
 「鈴音ちゃんのおかげで何とか形になったよ。ありがとう」
 「そんな・・・私なんて・・・。ところで先輩?」
 鈴音は顔を赤らめながら言った。
 「何?」
 「去年のライブよりギターがよりうまくなったと思ったんですけど何かあったん
ですか?」
 「そうだなあ。きっかけから話さないとね。藤崎詩織って知ってるかな?」
 「もちろんです。私たち1年女子の憧れの人ですから」
 「彼女に振り向いてもらおうとしたのが始まりだった。僕って勉強もスポーツも
ダメだけどギターなら・・・というのあったからね」
 「・・・・・・」
 「自分でもどんどんうまくなってるのが楽しくて詩織のことはすっかりどうでも
 よくなってね」
 「そうなんですか?」
 「確かに有名にはなったけど、だんだん自分の中では違和感でてきてね。そんな
 ときにある人に言われたんだ。「あなたのギターは楽しくない」って・・・。そ
う言われてやっと違和感の原因がつかめたんだ。だから再度バンド組む決心した
わけ」
 「バンドといえば、午前中は「栗林みえ」と「ザ・フォーチュン」ですよね?」
 「栗林みえはともかく、あそこはキーボードとボーカルがメインだから・・・。
 うちとは違うけど、キーボードの工藤の技術は参考になるよ」
 「ボーカルいないのはなぜですか?」
 「僕なんかボーカルの館林さん聞いてるから、それぐらいの実力ないと・・・。
 でも曲は作ってるから誰かに歌って欲しいってのあるね」
 「・・・わたし、いい人知ってます!」
 「誰?」
 「秋穂みのりちゃんっていうんです。先輩!頼んでみてください」
 「わかった。何部?」
 「サッカー部のマネージャーやってるんです」
 「というと、虹野さんとこか・・・。わかった!」
そして、公園の前に行き・・・。
「あ、私こっちの方ですから・・・。さようなら」
「じゃあね」

 翌日、2年E組に亀吉は虹野沙希に頼みに来た。
 「虹野さん」
 「え、青山君どうしたの?」
 「サッカー部に秋穂みのりちゃんっているよね。うちのバンドに入ってほしいん
 だ。文化祭だけでいいから」
 「そうね。説得の必要あるけど、練習にさしつかえなければいいわよ」
 「ありがとう」
 そして、二人で1年A組にやってきた。
 「虹野先輩!どうしたんですか?・・・誰なんですか!その男は!」
 「僕は2年の青山亀吉っていうんだけど、文化祭まででいいからボーカルやって
 ほしいんだ。虹野さんには許可もらってるよ」
 「えー!やですよ。虹野先輩と回るんですから・・・」
 沙希は言った。
 「みのりちゃん!やるまえからあきらめちゃう根性ない人私嫌いだな・・・」
 「・・・わかりました!やりますよ。虹野先輩に嫌われたくないもの」
 二人が去っていき、鈴音がみのりに話しかけた。
 「良かった・・・」
 「何で、鈴音が喜ぶの?」
 「だって、キーボードやってるもの」
 「なるほどね。放課後、ハンバーガーおごってくれるよね」
 「はいはい」
 
 みのりも加入し、文化祭の1週間前、好雄が声をかけた。
 「どうだ、バンドの調子は?」
 「まあまあかな。女の子2人が本番に弱くなければね」
 「そうか・・・。実は工藤から頼まれたんだ」
 「何を?」
 「おまえと鈴音ちゃんゲストによんで演奏してほしいって・・・」
 「別にいいよ、お祭りだしね。その代わりこっちのライブに工藤と館林さん参加
 してもらうからな。これだめならこの話はなしだ」
 「わかった」

 そして、合同練習をおこなった。さすがに同じ学校だけあって息はぴったりであ
る。文化祭の当日の朝がやってきた。


   第三章「ささやかだけど大切なこと」

 「ザ・フォーチュン」のライブも進み、最後の曲を残すのみとなった。
 キーボードの工藤がいった。
 「この曲は好きだった人のためにつくったんだ。だから最高の演奏で聞かせたい。
 だからゲストを呼んだ!ギター青山亀吉!キーボード美咲鈴音!」
 二人が入って「無口な風」で感動的なライブが終わった。
 
 午後になって、「ミスターホリデー」のライブも進み、最後の曲を残すのみとな
った。1回控室に引っ込んだ。
 「みのりちゃんご苦労様。虹野さん待ってるでしょう?もういいよ」
 「わたし、今ではボーカルやってよかったです。ありがとうございました。それ
 では失礼します!」
 みのりが去っていき、亀吉だけステージにやってきた。
 「午前中のライブで僕はゲストに呼ばれました。お返ししましょう。きてくれ!
 キーボード工藤敦!ボーカル館林見晴!」
 みのり以外のメンバーと工藤と見晴がやってきた。亀吉は言った。
 「協力してくれた2人に拍手してください!」
 客は盛大に拍手した。
 「バンドのみんなにも感謝したいです。最後に1曲やりますが、この曲は僕があ
 る人からアドバイスされて作ったんです。その人にささげます。聞いて下さい。
「彩のラブソング」・・・」
 見晴の天使のような歌声にのせて、亀吉がつくった歌が流れた。そして感動的な
ライブも終わり・・・。
 
 「館林さん。ありがとう」
 「1回でいいから青山君の演奏で歌いたかったから・・・。こちらこそありがと
 う」
 「あれ、工藤は?」
 「洋子さんとデートだって・・・。あーあ好きだったのになあ。でもいいの。わ
 たしが好きな人が幸せになれば・・・」
 「館林さんは強いね」
 「そうかな?」
 鈴音にも亀吉はお礼をいった。
 「鈴音ちゃん、君がいなかったらできなかったと思う。本当にありがとう」
 「こちらこそありがとうございました。あれ、外に誰か・・・。片桐先輩と藤崎
 先輩!」
 鈴音は片桐彩子と詩織をみつけた。
 「詩織と片桐さん?」
 「亀吉君。ライブ良かったよ!」
 「ありがとう」
 「ところで、誰にアドバイスされたの?」
 「片桐さん」
 「えっ・・・」
 「ほら、覚えてないかな・・・。屋上でギターの練習したときに「あなたのギタ
 ーは楽しくない」って片桐さん言ったの・・・。」
 「覚えてるわ。そう感じたし・・・」
 「そういわれてバンド組む決心したんだ。片桐さんありがとう」


 第四章「ガラスの小びん」

 11月・・・。亀吉は理事長室に呼ばれた。そして・・・。
 「失礼します!」
 偶然見かけた詩織が声かけた。

 「亀吉君!どうしたの?」
 「詩織か・・・。1月からアメリカに留学することになった」
 「寂しくなっちゃうね。でも良かったのかな?あなたのギターが評価されてるっ
 てことだから・・・」
 「なあ、詩織・・・。他の人には黙っててくれないかな?」
 「どうして?名誉なことじゃない?」
 「気をつかって欲しくないから・・・。特別扱いされるの嫌なんだ」
 「わかったわ・・・」

 月日は進み留学の前日・・・。彩子が亀吉のクラスにやってきた。
 「青山君・・・。ちょっと美術室まできてくれない?」
 二人は美術室にやってきた。
 「片桐さん、何?」
 「あなたが留学するという噂がながれているわよ」
 「そうか・・・知られちゃったか」
 「どうして、私に教えてくれなかったの?」
 「特別扱いして欲しくなかったから」
 「その気持ちはわからないわけじゃないけど・・・。鈴音ちゃんはこのこと知っ
 てるの?」
 「いや、知らないはずだよ」
 彩子の顔色が変わった。
 「アンビリーバブル!信じられない!青山君のしてることは鈴音ちゃんへの裏切
 りよ!あの子が青山君のこと好きな気持ちもてあそぶつもりじゃないの?」
 「そうとられても、しかたないと思う・・・」
 「ちゃんと鈴音ちゃんに話しなよ」
 「でも・・・」
 「言わないんなら私がいう。だって鈴音ちゃんかわいそうだもの」
 「その必要はないわ」
 詩織が屋上にやってきていった。
 「藤崎さん・・・」
 「詩織・・・」
 「わたし、鈴音ちゃんに留学のこと話したの・・・。このまま離れ離れなんてか
 わいそうすぎるもの」
 「そうか・・・。鈴音ちゃんは?」
 「教室にいると思う。行ってあげて!」
 「わかった。ありがとう」

 亀吉は教室に行った。残された2人がつぶやいた。
「青山君・・・。がんばって!私が好きな人には後悔してほしくないから」
「そうね」
教室に鈴音がいた。
 「先輩!どうして留学のこと言ってくれなかったんですか?」
 「・・・・・・」
 「先輩!何かいってください!」
 「関係ないだろ」
 「関係ない?私が?・・・もういいです!留学でもなんでもしてください!」

 鈴音は泣きながら走っていった。
 亀吉は、追いかけて練習場のまえで鈴音をみつけた。
 「留学のこと、黙っててごめん」
 「いいんです。私なんてただの同じバンドの下級生なんだもん。でも私は先輩が
 ・・・」
 「鈴音ちゃん!!君が好きだ!!」
 「先輩・・・」
 「いままで言えなくてごめん」
 「わたしも先輩が好きです!!大好きです!!・・・わたし、片桐先輩や藤崎先
 輩がうらやましかった。だっていつもそばにいられるんだもん。どんなに苦しく
 ても先輩が振り向いてくれるまで我慢しよう。そう思ってた・・・」
 「鈴音ちゃん・・・」
 「やっと振り向いてくれたのに・・・先輩は留学しちゃうんですね・・・」
 「鈴音ちゃん!留学終わったら戻ってくるよ!」
 「えっ・・・」
 「約束する」
 「わたし、待ってます!ずっと待ってます!」


          エピローグ「拝啓、愛しの友達」

 亀吉は翌日留学していった。1ヶ月がたちこう感じるようになった。
 (こちらの生活にもやっとなれていった。詩織も片桐さんも今思えばとてもいい
 人だったと思う。鈴音ちゃんとは今でも連絡している。今日も手紙が届いた。僕
 の気持ちはあのときから変わっていないが・・・彼女はどうなんだろう?)

 その手紙にはこう書かれていた。
 「先輩!お元気ですか!わたしは元気です。新しいギターの人もみつかって相変
 わらずバンドの方続けてます。でも、先輩がいないとやっぱり寂しいです。会い
 にいきたい・・・。でも我慢します。だって留学おわったらずっとそばにいられ
 るもの・・・。それではまたお便りしますね。   
                                鈴音より」


後書き:はじめてのSSです。
     これは、「彩のラブソング」を鈴音にゃんヒロインという条件で表現したつもりです。
     ヒロインが鈴音にゃんでなくて片桐さんでゲームではストーリー決まると思うけどできれ
     ばこうゆう風なストーリーならうれしいです。
     一部、「TLS」も入ってます。これは、僕のSSでの芸風をこうゆう風にしたいのと、鈴音
     にゃんの性格を南弥生ちゃんそっくりと考えてるからですので・・・。だからこそ、鈴音に
     ゃんの苗字を今回のSSでは「南」にしています。 (だから苗字確定した時点で訂正版
     出します。)
     (管理者注:この後書きは、12/1初アップ時のものです。)

後書き:苗字確定したので・・・。しかし、「みさき」はないだろうという感じですね。
    どう考えても「TLS」の妹の人からとったとしか思えませんし・・・。
    まあ、前回「沢渡」という新キャラをだしたことからある程度は読めてたんですが・・・。
    (「沢渡ほのか」(センチ)ね)
    各章の題名は某元アイドルの曲からとってますが、果たして1曲でもきいたことあるよって
    人がいるのでしょうか?

◇この作品への感想は、ブルータートルさん(kutsukun@heisei.co.jp)までお送り下さい。

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