「ただいま!あれ・・・手紙だ!」
主人公(ぬしびと こう)は玄関においてあった手紙をとって中をみた。
その手紙にはこう書かれていた。
『あなたに会いたい・・・』
誰からだろうと公はしばらく考えた。
(もしかしたら・・・)
小学校のころ公と仲良かった女の子がいた。彼女の名前は安達妙子といい、
公が引っ越したために離れ離れになっていた・・・。
(今度の連休にでも行ってみよう・・・)
そして翌日・・・。親友の藤堂ひろしが声をかけた。
「よう!」
「何だ、ひろしか・・・。どうしたんだ?」
「あのな・・・今度の連休、遊びに行かないか?」
「パス!旅行いくんだ・・・」
「そうか・・・」
そこへ朝日奈夕子がやってきた。
「主人君!今度の連休どっか連れてってよ!」
「何で俺だよ・・・」
「ねえいいじゃんか!連れていってくれないと大声で泣きだすわよ」
「わかった・・・。旅行いくけどいいか?」
「いいよ!」
「○○にいくつもりだから、9時に駅前に集合ね。いつもみたいに遅刻し
たらおいてくからね。あと交通費は僕が出すけど、その他の費用は朝日奈
さんもちだから・・・」
「OK!」
「あと、ホテルの予約も・・・」
「はいはい」
そして、連休の日・・・。2人は楽しく電車の中で話しながら○○に向か
っていた。一方隣の車両には心配になったひろしがつけてきた。
そうこうするうちに○○に着いてしまった。
「ねえ・・・。主人君はここくわしいよね?」
「まあね。小学校のときここに住んだことあるからね」
「案内してよ!」
「いいよ」
そして二人は市内観光をした。
「楽しかったね」
「まあね。ところで朝日奈さん・・・」
「何?」
「ちょっと用事思い出したんで30分ほどどっかで時間つぶして欲しいんだ」
「何で・・・。こんなかわいい女の子を知らない土地で一人きりにさせるっ
ていうの?」
「そうゆうつもりじゃないんだ。昔の友人に会うから・・・」
「紹介すればいいじゃない?彼女とかいって・・・」
「いいの?」
「もちろん!」
そして、二人は妙子の家の酒屋にやってきた。
「あっ・・・」
うれしさのあまり抱きつこうとした妙子であったが、夕子が側にいたためあ
きらめた。
「安達さん・・・。久しぶりだね。」
「主人君・・・。ところでそちらの人は?」
「ああ、朝日奈夕子さんといって、高校の同級生なんだ。朝日奈さん?こち
らが安達妙子さん。小学校のころよく一緒に遊んだんだ・・・」
「そう?よろしくね!」
妙子が右手を出した。
「こちらこそ」
夕子も右手をだして握手した。
「ところで・・・。朝日奈さんとはどうゆう関係なの?」
「僕の彼女」
「そう・・・。まあいいか!手紙出したから主人君がきてくれたわけだし」
「やっぱり?安達さんだったんだ・・・。違っていたらどうしようかと思っ
た」
「・・・うん。夕食の準備があったんだ!それじゃあ!」
妙子は去っていき、2人はマクドナルドに入っていった。
「主人君って超サイテー!あれじゃ安達さんかわいそうじゃない!」
「ちょっと待て!彼女って紹介してくれ言ったの朝日奈さんだろ?」
「言ったわよ!でも女の子に会いに行くとは主人君言ってなかった!」
「・・・でもしょうがないよ。○○じゃ離れ離れだし嫌われた方が楽だ」
「本気でそう思ってんの?」
「ああ」
「バカ!!」
夕子の平手がとんだ。
「自分のきもちに素直になんなよ!・・・・・話してみてわかった。安達
さんが主人君のこと好きなのも・・・。そして主人君も安達さんのことあ
きらめようと無理してるってことも・・・」
「そうか・・・。ありがとう!彼女に会ってみる!」
「うん!がんばれ!」
公は妙子に会いにいき、ひとり残された夕子はさびしそうに座っていた。
それを近くで見てたひろしは・・・。
公は妙子の家に行き・・・。
「安達さん。ごめん!俺ウソついてた・・・。朝日奈さんはただの友達な
んだ・・・。本当に好きなのは安達さんなんだ!」
「あっ・・・。うれしい!私もずっと好きだったの!」
二人は抱き合った。
「主人君・・・。どうして朝日奈さんを連れてきたの?」
「ちょっと耳かして・・・」
「そうなんだ・・・。じゃ朝日奈さんも一緒に夕食食べてもらったら?」
「いいね!」
そして、3人は一緒に夕食を食べた。そして妙子と別れてホテルに行った。
「ちょっと先にいってて・・・」
「いいよ」
夕子を先に行かせた公は静かに言った。
「ひろし・・・。遊びに行ったんじゃないのか?」
ひろしが現われた。
「公!おまえ夕子のこと考えたことあるのか?」
「どうしたんだ?」
「おまえはいいよ!でも夕子は・・・」
「おまえ、何にもわかっていないんだな」
「どうゆう意味だ!」
「朝日奈さんが本当に好きなのはおまえだってこと・・・。電車の中で、彼
女なんていったと思う?」
公は夕子が電車のなかで話したことをひろしに話した。
(『旅行主人君でもいいけど本当はひろしと一緒に行きたかった』)
(『私はひろしが好きなのに・・・。主人君と一緒に旅行してて平気なの
か!だからこそ、わざと旅行断らなかった』)
「そうだったのか・・・」
「やることあるんじゃないのか?」
「わかったよ・・・。悪かったな。つらい役割させちゃって・・・」
ひろしは去っていき、公はつぶやいた。
「これでよかったんだよな・・・。」
(おしまい)