朝、目が覚めたら、とっても寒くて……お布団から出るのが億劫だったの。
TVのニュースでも、『……今年一番の寒気団が、日本上空に入り込み……』って、朝御飯食べてる時言ってたし。
学校に着けば、クラスの友達と顔を合わせる度、「今日は寒いねー。」とまるで合い言葉みたいに挨拶を交わしてた。
教室の窓から見える空は、朝からずっとどんより曇っていて……
……私、何となく予感してたの。
(この調子だったら……今日は、ひょっとして……)
その予感が的中したのは、午後の授業が始まって間もなくのこと。
ふと見上げた灰色の空から、小さな白いものがちらちらと舞い降りてきて……
やがて窓越しの景色全体が、その白いものの大群で埋め尽くされたの。
……雪。
それも……しばらく見たことのない程の、大雪。
(わぁ……)
私、つい嬉しくなってた。
授業中だというのに、危うくはしゃぎだしそうになっちゃった程に。
すんでのところで、それは何とか押さえたけどね。
それでもしばらくの間、私はじっと外の雪景色を眺めてたの。
小さい頃から、こんな雪景色がとっても好きだったから……
『雪の日に、あなたと。』
by.きゃのん
帰りのHRが始まる頃には、もうその雪は降り止んでた。
でも、窓から見えるグラウンドは一面真っ白。結構、積もったみたい。ふふっ。
「……この大雪により交通機関の混乱が予想されるため、今日はクラブ活動を中止とするそうだ。みんなは早々に下校するようにな。」
……担任の先生が、そんな風に言ってたような気がする。
だけど、私は半分上の空だったの。
一面の雪野原を、浮き浮きしながら眺めてたから。
(……早くあそこに下りていきたいなぁ……HR、まだ終わらないのかなぁ……)
「……じさき。おい、藤崎! 聞いてるのか?!」
(あ……れ、誰か、私を呼んでるような……あっ!)
「はっ、はい! 何でしょうか?!」
反射的に立ち上がった私。
すると先生が、教壇の上から私を呆れ顔で見ながら……
「何ぼーっと外なんか見てるんだ、藤崎。……誰かいい男でも立ってるのか?」
その瞬間、教室の中が笑い声に包まれたの。
「あっ、あの……その……す、すみませんでした!」
先生のからかいに、何と応えたらよいか判らなくなっちゃって……頭をぴょこんと下げてから慌てて席に着く。
きまりが悪くなって周りを見回した。
そしたら、同じクラスにいる幼なじみのコウ……主人 公君も、私を見てクスクスと笑ってたの。
(あーん、コウにも変なとこ見られちゃったぁ……もう、恥ずかしいなぁ……)
……思わず頭を抱えたくなっちゃった。
HRが終わって、帰り支度をしていたら……急に、後ろから肩を叩かれたの。
振り向くと、コウと、彼の友達の好雄君が、にやにやと笑って立ってた。
「……さっきはどうしたんだよ、詩織。珍しいことがあるもんだなぁ。詩織が窓の外をぼーっと見てたなんてさ。」
「そうそう。俺なんか授業中しょっちゅうだけどさ、まさか藤崎さんがねぇ……何か、困り事でもあるのかい? それなら、不肖この早乙女好雄が、いつでも相談に乗ってあげるぜ。」
二人の言葉に、照れ隠しにクスッと笑って私は応えたの。
「ううん、そんなんじゃないのよ。ただ……窓の外の雪景色を眺めてたら、いつの間にかそれに見入っちゃって……それだけなの。」
するとコウは、ちょっとつまらなそうな顔になって……
「ふーん、雪景色をねぇ……俺は、こんなに雪が積もったら歩きにくくて大変だなぁ、とは思ってたけど。」
私、思わず……
(……んもう、コウったら……全くムードの無いひとなんだからぁ。それは確かにその通りかも知れないけど……もうちょっと言い方ってものがあるんじゃないかしら?)
などと心の中で、この鈍感な幼なじみについ呆れてしまう。
(……もっとも、コウが鈍感なのは、今に始まったことじゃないんだけど……ね。)
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、好雄君が……
「……おいおい……お前ねぇ、そんなロマンの無いことでどうするよ。例えば、あの真っ白な雪景色の中を、誰か可愛い女の子と二人きりで歩いてみたら素敵だろうなぁ……ぐらい思わないのかよ。……そんなんじゃモテないぜ、お前。」
コウ、さすがにムッとして……
「……大きなお世話だよ。」
「あ、そりゃそうか。お前にゃもう藤崎さんがいるからな。これ以上他の女の子にモテる必要はないよなぁ。こいつぁ私が悪ぅございました……ってか?」
好雄君のからかい言葉に、コウったら顔を真っ赤にしちゃって。
「……お、おい! な、何を言ってんだよ、好雄! こら!」
「おっと、図星を指しちまったか? そりゃどうもすまなかったな……っと!」
そう言って好雄君は、赤い顔のコウが掴みかかるのを、笑いながら避けていた。
……でもその時、私もたぶん、顔が赤くなってた。
(や、やだ好雄君ったら……何も本人がいる前で、そんなこと言わなくったって……)
だけど、コウの慌てる様子を見ていたら、何だかちょっと嬉しいような気持ちにもなってたの……
ついに好雄君をつかまえたコウが、ふざけ半分に彼の首をしめていると……
「……ぐえ、参った参った。……おおっと、すまねぇ。俺そろそろ行かなくちゃ。だから離してくれよ、コウ。」
腕時計をちらっと見てから、好雄君はそうコウに訴えた。
「ん? 一緒に帰るんじゃなかったのか?」
好雄君の首に回した腕をほどきながら、コウが訊くと……
「あー苦しかった……いや、夕子のヤツに、ソフトショップに行くのつき合ってくれ、って言われてたんだわ。なんかPSの新しいソフト買いに行く、ってんでね。俺もそろそろなんかソフト仕入れなきゃ……って思ってたしな。」
そしたら、コウったら急ににやにやして……
「へぇー、朝日奈さんに誘われてたわけだ……なるほど、そりゃあ断れないよなー。」
「……あ、このヤロ。さっきの仇討ったつもりでいやがるな。おあいにく様。あんなのただの悪友だよ。別に何とも思っちゃいねぇぜ。だいたいあんな跳ねっ返り、だぁれが……」
……と、その時一人の女生徒が、教室の中につかつかと入ってきて……
「……だぁれが跳ねっ返り、ですってぇ?! そこんとこ、もっぺん聞かせてもらいましょーか? ええ、ヨッシー!」
と言いつつ、好雄君の耳を引っ張ったの。
「いて、痛ぇ〜! は、離せ、夕子、このヤロ!」
それはたった今好雄君の話に出てきた、朝日奈夕子さんだった。
「……ったくぅ! 来るのが遅いと思ったら、こんなとこでお二人さんの邪魔なんかしちゃってぇ! お馬さんに蹴られたくなかったらぁ、さっさと来なさいってぇの!」
そう言って朝日奈さんは、私とコウの方を見てにっこり笑った。
「ゴメンねぇ、詩織ちゃんにコウ君。このおジャマ虫はあたしが連れて帰るからぁ、あとはお二人さんで仲良くねぇ。……ほぉらぁ、さっさと歩いた歩いた!」
朝日奈さんはなおも好雄君の耳を引っ張りながら、私たちに向かって手を振ったの。
「……おい、痛ぇって! わ、判ったから、この手を離せ! ……じゃ、じゃあな、コウ。」
抗議の声を上げつつも、好雄君は朝日奈さんと一緒に教室を出ていった。
……いつの間にかクラスのみんなも帰ってしまってて、教室に残されたのは、私とコウの二人っきりになっていたの……
……どちらからともなく、私とコウはお互い顔を見合わせた。
コウの顔が、ちょっと赤くなっていた。そして、たぶん、私も……
「……な、何だかんだ言ってて、結構仲良いよな、あの二人……」
ぎこちない素振りで、コウが話しかけてきたの。
「そ、そうね……」
私の受け答えも、ちょっとぎこちなくて。
……そして、一瞬の沈黙が訪れて……
(……もう、好雄君や朝日奈さんがあんなこと言うから……へ、変に意識しちゃうじゃないの……)
何だかコウの顔を見るのが恥ずかしくて、私は思わずうつむいてしまったの。
……少ししてから……
「……あ、あのさ、詩織……」
コウが口を開いた。
「な、何?」
私はおもむろに顔を上げ、コウの方を見たの。
「……そ、そろそろ……俺たちも……帰らないか?」
照れくさそうに頭をかきながら、コウが言った。
「そ、そうね……帰りましょうか……二人で。」
胸のドキドキを感じながら、私は応えたの……
(あっ……思わず、『二人で』……なんて言っちゃった……ちょっと、大胆だったかなぁ……)
そう……思ってしまったのだけれど。
でも、コウはにっこり笑って、うなずいてくれた。
その笑顔を見たら、私も素直に微笑むことが出来たの……
「わぁ……綺麗ね……」
昇降口を出て、校門までの道を歩いている時……周りの景色を見て、私は思わずそう声を上げてた。
前庭の地面、立ち並ぶ木々、校門の向こうの建物の屋根……
そのどれもが白い雪の帽子をかぶり、さらにそれらが、差してきた薄日に照らされてキラキラと光っていたから……
普段見慣れていたはずの景色が、白銀の雪に包まれるだけで、こんなにも美しく見えるだなんて……
私はそのことに、感動すら覚えていたの。
「ねぇ見て見て、コウ。ほら、すっごく綺麗な景色じゃない?」
そう言ってコウの方を見たら、彼、なぜだかクスクスと笑ってて。
「……? どうしたの? 何が、可笑しいの?」
私がそう訊くと……
「……いや、思い出したんだ。そう言えば、詩織って昔っからこんな風に大雪が降った時には、いつもはしゃいでいたよなぁ……ってね。」
(あ……コウも、小さい頃のこと、覚えててくれたんだ……)
そう思って、私、ちょっと嬉しかった。
……でも、反面、何だかちょっと恥ずかしい気もして。
「……何よ。それじゃ私が、小さい頃から全然変わってない、って言いたいの?」
わざとそう、憎まれ口を叩いてしまったの。
「い、いや、そういうわけじゃないよ……ただ、さ。」
「ただ……?」
「……うん。あの頃から比べれば、詩織ってすっかり大人びてしまったなぁ……と思ってたんだ。高校に入ってからは特に、ね。」
そしてコウは、私をじっと見て……
「でも、こんな風に、あの頃と変わらない詩織の一面を見たら……ああ、詩織は今でも、俺が昔から知ってる詩織のままなんだなぁ……と思ってね。……それが何だか嬉しくて、さ……」
そう言ってからコウは、恥ずかしそうに視線を逸らしたの。
……また、胸がドキドキするのを感じてた。そして……
(そうよ……ほんとは私、小さい頃と……あなたと一緒に仲良く遊んでいた頃と、ちっとも変わってなんかいないの……そしてそれを知っててくれるのは……コウ、あなただけなのよ……)
胸の中で、そっとつぶやくの……
「……い、行こうか。あっ、足元に気をつけて……」
「う、うん……ありがとう……」
お互い、ぎこちなく、そう言い交わして。
私たちはまた、帰り道を歩きだしたの……
……そうしてしばらく、コウと当たり障りのない話をしながら歩いていたのだけれど……
近所の公園に差し掛かった時に、誰もいない公園をのぞいてみたら……
私……どうにもウズウズしちゃって……
「ねぇ……ちょっと、そこの公園に寄っていかない?」
そう、コウに言ってみたの。
するとなぜか、コウったら急に顔を赤くして、ちょっとうろたえていたんだけれど……
「う、うん……そうだね。」
その返事を聞くが早いか、私は公園の中に向かって駆け出してた。
そして、誰も足を踏み入れていなかった奥の方の広場に入り、積もった雪を両手ですくい上げて、宙に振りまいてみたの。
「きゃっほー!」
……とか声を上げちゃったりして。
さらに別の所の雪をすくって、何度も同じことを繰り返した。
「おいおい……本当に全然変わってないんだなぁ……それじゃまるっきり子供だぜ。」
コウが呆れた顔で、近づいてきた。
「だってぇ……これ、やりたかったんだもん。学校のグラウンドじゃ、さすがに誰が見ているか判らなかったし……」
そしたら、コウ、にやにやと笑って。
「やれやれ……みんな驚くだろうな……あの藤崎詩織さんが、実はこんな子供っぽいことやって楽しんでる、なんて知ったらさ……」
その言葉に、私、ちょっと頬をふくらませて。
「ふんだ。そんな憎らしいこと言う人には……」
足元の雪をすくって、両手で丸めて玉にして……
「えいっ! こうしちゃうんだから!」
コウ目がけて、投げつけたの。
「わっ! こらこら、何すんだよ!」
でも、惜しいところで、コウに避けられちゃった。
「あーっ! なんで避けるのよぉ!」
「無茶言うなよ!」
それでもあきらめずに、また雪玉を作って。
「ふーんだ! えいっ! えいっ!」
何度も投げてみたけど、ことごとく明後日の方に飛んでったり、避けられちゃったり。
「ふふん、俺様の運動神経をなめるなよ。」
コウったら、余裕の表情。ほんとにもう、憎らしいったら。
(よーし、それなら……)
雪玉を持ちながら、私はコウの後ろを指さした。
「あっ、あんなところにUFO!」
そしたらコウ、
「えっ?! どこどこ?」
と、呆れるくらい見事に引っかかってくれちゃって。
「……隙あり! えいっ!」
すかさず雪玉を投げつけたら、後ろを向いたコウの後頭部に当たったの。
「うひゃあっ! つ、冷てぇっ!」
「あはははっ、やったぁ!」
私、手を叩いて喜んじゃった。
……そしたらコウも、雪をすくって、丸め始めて……
「くっそー、お転婆娘にお返ししてやるぞぉ!」
私に向かって、雪玉を投げようとしたの。
「うふふっ、ゴメンなさぁい! 許してぇ……」
はしゃぎながら両手を上げて、それを防ごうと思ったら……突然、足元が雪で滑っちゃって……
「きゃあっ!!」
すってーん!
ものの見事に、その場に尻餅をついちゃったの。
「いったぁーい……」
それを見たコウが、笑いながら近づいてきて。
「はははっ、天罰が下ったなぁ。……ほら、立てるかい?」
そう、手を差し伸べてくれたの。
「うん、ありがとう……」
私も、片手を差し出す。
コウが私の手を掴み、引っ張り上げようとしてくれた。そしたら……
「よいしょっと。……う、うわわっ!」
今度は、コウの踏ん張った足が滑ったの。
バランスを崩したコウが……座り込んでいた私の方に倒れてきて……!
「きゃあぁっ!!」
私、思わずまた悲鳴をあげちゃって……そして、次の瞬間。
どっすーん!!
私とコウは、まるで折り重なるように、雪の中に倒れ込んでしまったの。
「お、重いよぉ……」
コウを受け止めるような形で、仰向けに倒れてしまった私は、身体の上にいるコウにそう訴えた。
「……ご、ごめん! だ、大丈夫か、詩織? どこか、痛くない?」
真っ赤な顔をしたコウが、慌てて上体を起こそうとする。
「う、ううん……それは大丈夫……だけ……ど……」
……顔を上げたコウと目が合った瞬間、私の身体は固まってしまったの……
(こんな……こんな間近で、コウが……彼が私を見つめてる……)
そう思った途端、急に胸が、痛いくらいドキドキして……
コウの方も、何も言わずに、真っ赤な顔で私をじっと見つめていて……
……お互いの顔同士は、30cmも離れていない。
コウの息づかいさえ、私の耳に届いてた。
「……あ……」
そう、小さく声を上げるだけで、やっとだった。
胸のときめきが、ますます高まってきて……
……やがて、コウが真剣な表情になる。
それが、何を意味するのか……私には、判った。
(……や、やっぱり、ちょっと怖い……でも……でも、コウだったら……)
そう決心して、小さくうなずいて。
そして、目を静かに閉じて……
……コウの顔が、私の顔に、そっと近づいてくる気配を感じてた……
ドサッ!
……急に、私たちのそばで、大きな物音がした。
「きゃっ! ……な、何?」
私は慌てて目を開けて、その音のした方に首を傾けたの。
コウも、驚いた顔で、そちらを向いていた。
……どうやら、木の枝に積もっていた雪が、重みに耐えかねて地面に落ちた時の音だったみたい。
「なぁんだ……雪だったの……」
そうと判って、顔をゆっくり元に戻す。再び、コウと目が合った。
……そしたら、今度は何だかとっても恥ずかしくなっちゃって……
「……きゃっ!」
「……わわっ!」
コウも同じように思ったらしく、お互いに飛び退き、離れた。
そして視線を合わせないよう、うつむいてしまったの。
(……も、もし……あのままだったら……私……私、コウと……)
そう思ったら、顔から火が出るくらい、とっても恥ずかしくて……
……心の片隅には、ちょっと残念に思う気持ちもあったのだけれど……
「……あ、あの……し、詩織……その……ご、ごめん!」
ちょっとうわずった声で、コウが言った。
私も、コウの方に振り向いて……
「う、ううん! わ、私こそ……!」
そう謝ったら、同じく振り向いていたコウと向き合ってしまって。
またお互い見つめ合ってしまったの。そしたら……
「……! ふふっ……」
「は、ははは……」
何だか、意味もなく可笑しくなってきて……
そうして二人ともしばらくの間、座り込んだままで笑い続けてたの。
……笑いがおさまると、コウが立ち上がって。
「……それじゃ、そろそろ帰ろうか。」
そう言って、さっきのように手を差し出してくれた。
「……うん。」
私はその手をしっかりと握り、今度は滑らないよう、慎重に立ち上がったの。
気が付くと、辺りはもう薄暗くなっていて。
「詩織……寒くない?」
優しく、コウが問いかけてきた。
「ううん、平気……」
私、微笑んで。そして、少しうつむいて……
「……いつか……さっきの続きが……出来たら……いいね……」
小さな声で、そうつぶやいたの……
「……えっ? な、何か言った?」
コウが慌てて聞き返したけど、私、ごまかすように首を振って。
「う、ううん、何でもないの。さぁ、帰りましょう……」
(いつか……そう、いつか。でも、きっと、そんなに先のことじゃないよ、コウ……)
心の中で、そっと呼びかけて。
そして私とコウは、白い道を歩きだしたの。寄り添うように、二人、並んで……
……やがて、また降り出した白い雪が……二人の上に、静かに舞い降りてきて……
−Fin−
【Postscript】
えー、新作、ではありません(^^;ゞこれも既発表の作品です。ごめんなさい。(推敲はしたけど)
……しっかし、同じような作りの作品ばっかりですねー(^^;芸の無いやっちゃ(爆)<私
詩織ちゃんをヒロインに持ってくるってのは、実は結構難しいです。
彼女は他の子にも増して、プレイヤーによってそのイメージが千差万別でしょうから。(何しろ自分の「理想」ですからね)
だもんで、「こんなのは俺の詩織ちゃんじゃねぇー!」とお怒りの方がおられましたら、素直にごめんなさいと謝っておきます(^^;ゞ(笑)
でも、「幼なじみだけに見せる彼女の素顔」ってのもあると思うんですよね。そんなところを表してみたつもりです。
彼氏が「主人 公」(ぬしと こう)というちと変わった名前になってますのは……「ときめき文庫」では伝統的に(?)ヒロインのお相手の名前をこの名前にした作品が多いもんでして、私もそれに則ってみたわけです。
……でも、実は私、女の子によってそれぞれ別々の彼氏を用意してたりするんです(^^)本編のごとくにかち合わないようにね(笑)(清川さんには知場君、沙希ちゃんには早嶋君……てな風にね)
ゲーム本編からは外れた作りだとは承知してるんですが……要は、振られる女の子を作りたくないのよ(^^;
(作品初出) 97/01/24 NIFTY-Serve内ときメモSSパティオ「ときめき文庫」(『雪の帰り道』改題)
◇この作品への感想は、きゃのん(cannon@seagreen.ocn.ne.jp)までお送り下さい。