よもやまその4…「マルチはCG羊の夢を見るか?(笑)」 (97/10/06)

先日来、「雑記帳」上やその他の場所で、一人勝手に盛り上がっておりました(^^;「To Heart」。
私的には久々のハマりゲーとなりまして、先日めでたくオールクリアを迎えることが出来ました。
そこで、今回はこの「つーはぁと」について、色々思うところをよもやま話してみたいと思います。

一応、どういったソフトなのかご存じないという方のために、簡単に説明をば。
これはリーフ社製作の「ビジュアルノヴェルシリーズ」の第3作目となります、ウインドウズ95専用のいわゆる「18禁」ソフトです。
内容としては、とある高校を舞台とし、主人公の男子生徒と、彼の幼なじみの女の子を初めとする8人の女生徒との心の交流を、「春」を迎えたほぼ2カ月間のストーリーとして描いていく……というもの。
形としては、「ときめきメモリアル」……というよりは「同級生」シリーズに似た舞台設定になっていますが、「ビジュアルノヴェル」と銘打っている通り、そのストーリーが主人公の一人称形式で綴られる小説形式になっているところが個性的です。

私は「同級生2」以来、この手の18禁ソフトからは遠ざかっておりまして、すでにハマっておられた方々から薦められたときも、正直なところ半信半疑な気持ちで購入してみたのでしたが……(^^;
……ですが、いざプレイし始めてからのハマり具合は、すでに皆さんご承知の通りです(笑)
その要因は何と言いましても、メモラー・トゥルラーを歴任してきました(笑)私のツボに、見事はまったストーリー展開にあると思われます。

 例えば、主人公の幼なじみ・神岸あかりちゃん。
 それまでは妹のごとく思っていた幼なじみを、ふとしたことから一人の女の子として意識するようになり、お互いへの想いが段々と深まっていき……
 一度は想いが高じ過ぎて空回りをしてしまうけれど、そのことで主人公は、却って自分の本当の気持ちを見出すことが出来る……
 (あかりちゃんの『見ーつけた。』には思わず「やられた!そー来たか!」と手を打ってしまいましたな(^^))

 例えば、「委員長」こと保科智子ちゃん。
 他人を寄せ付けぬ冷たい印象を持つ彼女に、最初はほとんど意地でアプローチを重ねていく主人公。
 だがちょっとしたきっかけで彼女の心の透き間を見つけだし、やがてクールな仮面の陰に隠されていた彼女の真実の姿、そして秘めていた思いに触れる……

 例えば、少女格闘家の松原 葵ちゃん。
 初めはほんの好奇心で、彼女のたった一人でのクラブ活動に付き合う主人公。
 でも、彼女の武道に対する真剣でひたむきな姿勢を見ているうちに、いつしか本気で彼女を応援し、そして彼女自身にも魅かれていき……
 (彼女のシナリオは、私のような格闘ゲーマーにとっては二重のツボですな(^^;)

 例えば、試作型アンドロイド・マルチ。
 「メイドロボ」として人間に造られた存在の彼女。
 でも、彼女は人間と同様……いや人間よりも純粋で暖かい「心」を持っており、それに気が付いた主人公は、やがて彼女をロボットではなく一人の女の子として意識するようになる……

……以上は私の特にお気に入りのシナリオですが、他の女の子についても同様、彼女らと主人公との心の触れ合い、そしてそれが恋愛感情に発展していく過程を、とても爽やかなストーリーとして描き出しています。(……一部納得のいかない娘もいるにはいますけどね(^^;)
そして、何と言っても登場する女の子たちが、どの娘もそれぞれ個性的な魅力を持っている、これに尽きると思います(*^^*)
さほどストレスのかからないシステムとあいまって、総体的にかなり上質の恋愛ものソフトとして出来上がっていると、私は思っています(^^)

……ですが、ただ手放しでほめるわけにはいかないところもあるのも事実でして(^^;
と言うか、これはあくまで私の個人的な感情に過ぎないのですが……
私としては、このソフトの一番の欠点が……Hシーンにあると思っています。
……考えてみれば、このソフトもやはり「18禁」ソフトですから、当然その手のシーンを抜きには出来ないわけで……
各々のシナリオの流れとしても、そこに至るのが自然だと考えられるものがほとんどとなっています。(……それでも中には、必要ないんじゃないかと思えるシナリオもありますけどね(^^;)
そのこと自体については、特に依存は無いのですが……
問題は、その描写の仕方、なんです(--;
……そこに至るまでは、とても好感の持てる展開で流れてきたストーリーが、Hシーンになった途端、非常に下世話な表現・セリフ回しが目に付くようになってしまって……
一応、主人公と女の子は「初めて」同士であるはずなのに、とてもそうとは思えないような主人公の言動は、それまでのストーリーを楽しんできた身としては、はっきり言って興醒めに思えます(--;
また、女の子の側についても、いくら主人公を想う気持ちが高じたからと言って、「なんでそこまでやるのかな〜(;_;)」と嘆いてしまうような行動をとる娘が結構いますし……
(あかりちゃんや芹香さんのときなどは、見てて思わず天を仰いでしまいました(__;)
……繰り返しますけど、決してHシーンそのものが悪い、と言っているわけではないのです。
ただ、その表現については、もっとそれらしい……と言うかストーリーの流れを崩さない程度の表現を用いることが出来なかったものか、と考えてしまうのです。
そこに至るまでのテキストの質を考えれば、それは十分出来たはずなのに……
結局のところ、このソフトにおいてもHシーンに関しては、旧来の18禁ソフトの枠を出ることが無かったのか……と、とても残念に思う次第です。

……まあ、そういった点を抜きにさえすれば、従来の恋愛ものソフトに手を染めた方々にも胸を張ってお薦め出来るソフトではあります(^^)(……まあ、今のところは、Win機をお持ちでしかも18歳以上の方に限られますが(^^;(笑))
聞くところによりますと、「同級生」や「下級生」等のソフト同様、この「To Heart」もコンシューマー機への移植が噂されているそうです。
実現しますと、当然Hシーンの描写は抑えられることになるわけですが……このソフトにとってはむしろその方が都合良いんじゃないかと思えます。
そうなれば、コンシューマー版をプレイする方々は、私のように余計なことを考えなくとも、純粋に恋愛ものとしてこのソフトを楽しむことが出来るでしょうから……(^^)


……なんかこれも、当初の予定とは違った企画になってしまいました(^^;(格ゲーについて書くつもりだったのに……)
次回こそ、ちょっと趣向を変えてみたいと思っています。


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