ZARDの新曲「グロリアスマインド」〜2007年12月12日発売  
2006年4月にこの曲のサビをレコーディングしたことが公式本「きっと忘れない」で記されている。たった一回きりでしかもフルバージョンを歌っていないことに、ネット上ではこの曲の発売の是非が問われている向きもありますが、私個人としては発売することにこそ意義がある一枚だと思います。

コナン盤と違いいきなりサビから入る「グロリアスマインド」。冒頭のサビはスローな歌い出し、CD発売までコナン盤を聴いていたのでその違いにまずちょっとした驚き。コナン盤はイントロでコナンのメッセージが読まれるので違いは出てくる。
曲が進んで3回目のサビがリピートされると ♪グロリアスマインドもスロー。都合3回、サビが使われたことになる。

その本「きっと忘れない」の中で、レコーディングエンジニアとして立ち会った島田さんによれば、「グロリアスマインド」のサビを歌ったのは体力がなかったので2回くらい、その歌声には「・・・鳥肌が立ちましたね・・・」と言わしめ、帰りの母親との会話で「私もやる時はやるのよ、やれば出来るのよ」そう話したことが記されています。

つまり、推測だが2回のレコーディングとは冒頭に使われたスローバージョンと力強く歌うバージョンのそれぞれ1回ずつ計2回。「やれば出来るのよ」というのはこの一度限りに掛け、気力を振り絞り渾身の力で“一曲入魂”で歌い上げた、その気持ちの言葉ではないだろうか。それで十分納得いくレコーディングが出来た会話ではなかったか、そう思います。
だから、健康を取り戻してレコーディングをやり直しても、この時以上に気持ちが伝わる声が出たかというと、その方が疑問である。

そんなファンへの熱い思いを込めてレコーディングした曲を出さない方が、坂井さんの意に反する事ではないでしょうか。
その思いを受けてZARD制作スタッフはレコーディング済みの曲の中から、サビに隠された当時の坂井さんの心境を不安な恋心になぞらえて綴った英語詞を間に入れて完成させたのが「グロリアスマインド」で、手術で失うものは大きいが、偉大なる月、海、空、それと同じくらい気持ちを込めた16年間沢山の栄えある楽曲を作ってきた、その心をこれからも伝えていく、その決心が込められた曲として完成させた物と思います。

もちろん、この曲は坂井さんプロデュースの曲ではない。しかしZARD制作スタッフは万感の思いを込めて完成させた曲、すなわちZARD作品として自信を持って送り出した曲であると思います。

2曲目の「探しに行こうよ」は坂井さんの身近でどなたか亡くなった時に作られた曲なのでしょうか? 真相は分かりませんが。
残されたZARD制作スタッフの心境と坂井さんに伝えたいメッセージとして選んだ曲ではないでしょうか。わたしはこの曲を聴いて5月27日に起きたニュースを聞いた時と同じく目頭が熱くなりました。
まさかこの曲を自分が聞く立場に変わろうとは・・・。それにしてもシングル盤からリメイクされたボーカルは坂井さんのプチハスキーな声が耳元で囁いているようにクリアに聞こえます。しかし今回までこの曲はカップリングのみでアルバム未収録とはもったいない気がするんですが、中身の詞に重みがあるので簡単には使えないとっておきの一曲にしておきたかったのかもしれないですね。

3曲目「愛を信じていたい」の本来のメッセージは平和。
愛や音楽に国境はなく、人はそこから繋がって欲しいと言うメッセージと思いますが、坂井さんが「詞で音楽でそれが伝われば良いと願っています」というように、これからもZARDの音楽は不変で、人生時ある毎に音楽の力を借りて勇気や励まし、癒しを受けて下さい。ZARD制作スタッフはこれからも可能な限り伝えていく、その気持ちを坂井さんの詞を使ってファンへのメッセージのように聞こえました。ZARD作品の中でも大変力のこもった歌声です。

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