MANHATTAN m451t
KHS社のミニベロ。ロードバイクで使われることの多いレイノルズのクロモリパイプ使っています。そして一般のミニベロと違うところはもう一つ、前フォークに700cサイズのフォーク使っているところです。
小振りな前三角に700cフォーク、そこにブレーキが取り付けられる。
後三角のバックショット、かなりスリムにカーブしていますね。
オプション取付台座も用意されているが、シンプルさを保つには何も付けない選択が良いのではないか。泥除けだ何だと取り付ければ”普通のミニサイクル”になってしまう。

それにしても、純正で付いてくるプラスチックのペダルは何とも不釣り合いな物ですね、やはりここは金属ペダルでしょう。
メインチューブのシールは上から
サイズ 44cm
チューブ レイノルズ520クロモリパイプ
とある。
シートチューブは前方向にもカーブが付いていて、クッション性を良くしている。
ブレーキは前と同様TEKTRO製。
リヤメカはシマノのRD−2300 12−26Tの8s
フロントメカは社外製のもので53−39T。

車輪の径が小さいだけでレシオは700cロードと同じなのでグイグイ進んでいく。
タイヤは20×1.1(28mm相当)と細身のサイズ。
空気圧も100psiとかなりの高圧が入るので転がり抵抗の少なさも並のミニとは違う。
インプレッション
取り寄せる前から思っていたことだが、前フォークが700cの流用と言うことで実際の走行感覚がどんななのか興味があった。
700cフォークを使うとハンドルの回転軸が高くなり、ミニにありがちなハンドルから遠いところでタイヤの向きが変わる違和感がどう変化するのかだ。

組み付けた後5kmほど走ってみた。第一印象は「思った以上によく走る」と言うこと、そして路面のうねりや凸凹をフレームが良く吸収し小径車にありがちなピョンピョン跳ねる感じは随分緩和され、快適と言って良いほどの乗り心地を感じた。

ハンドリングの結果は巻き込みが緩和される、だった。程度物だが、自転車の移動時にハンドルを大きく切って曲がろうとすると、ある角度から急に切れ込んで前輪の回転がストップし前につんのめってしまう事がある、それは車輪の径が小さいほど顕著に出ることなのだが、このm451tの場合それが起こりにくい。
それはやはり700cフォークを使うことでハンドルの回転軸が高くなり、ハンドルを切ったときのタイヤ接地面の変化が緩やかになるのだろう。その理屈を考えると、ステアリングのヘッド位置が通常のミニより高いので(ハンドルステムに近い)”テコ”の原理、ハンドル操作の入力に対して車輪を動かす力が弱まる結果ふらつきを抑える効果が出た物だと思う。
勿論走行中にそんなに大きくハンドルを切ることはないが、その素性の良さは交差点の右左折時で安定感と安心感として反映されるし、ペダリングに力を入れた際の車体のふらつきも少ないと感じた、目から鱗のチョイス。

タイヤは20×1.1とミニにしてはかなり細め。ここに100psi(約7気圧)という高圧の空気が入るのだから転がりの良さは想像に難しくないが、車輪の径が小さいことはいかんともし難く、ホイール全体の慣性力が小さいので加速した後の一定のズルーとした重さは感じるところ。しかしそれはロードレーサーと較べるとの話であり、多くのミニと較べれば遙かにましな加速感とスピードが手に入る事は間違いない。

スピードを出せば当然路面の衝撃も増すのだが、レイノルズのクロモリチューブは良くたわみ、アスファルトのうねった路面を走るとダンパーが効いたエアサスに乗っているようなというと大袈裟に思われるだろうが、そんな感触があるのあるのだが、個人的にはもう少し固めにシャキッ!とした反応でも良いような感じだが、クロモリチューブの採用に加え、スローピングしたシートパイプの恩恵とも感じた。

まとめ
パッと見何の変哲もないミニサイクルだが、そのシンプルなデザインに中に実はクロモリパイプを上手く使い上質なミニベロに仕立てている。本格ロードのセカンドマシンとして気軽に楽しむには充分な性能を持っている。

2010年5月25日現在 試乗出来ます

メーカー希望小売価格 63000円