今回このテーマを設定したときは、どうやってまとめようか?そう思いました。
言い訳になってもいけないし、核心に触れなければ意味がないし、説教になってもいけない、かといって中途半端にも書けないと言うことで、私なりに苦心した特集です。

1.国産車は高いのか?
2.価格を安くする
3.どれを買えばいいの?
4.昔はいくら? おやビックリ!

 皆さんが自転車を購入されるとき何を参考にされますか?
購入は? 専門店で買う スーパー、ディスカウント店で買う
価格は? 国産メーカー車を買う 低価格車を買う
相談する? 店員に相談する 相談せず自分で見て決める
予算ある? 店員と相談して決める 安い物を選ぶ
何で決める? 機能や耐久性で決める デザインや色、価格で決める

購入する際のポイントはお客様によって様々だが、そうした中「国産車は高い」と言う評価が妙な「定説」になっているけど、本当にホント?

国産車の価格は高いのか
今や自転車は「乗ってて当たり前」のように駅前駐輪場に溢れる光景になった。所得が上がり購入しやすくなったのもあるが、東南アジアからの輸入自転車も半数を超え、これらがスーパー、ディスカウントショップで1万円前後から販売されていることがより拍車を掛けている。そのような自転車から見ると、国産のメーカー車は高いと言われるが、これは大きな間違いである。なぜなら国産メーカー車の価格はお客様が作った価格なのだから。

元来、日本人というのは「お目が高い」。それは勤勉・研究熱心で競争心が旺盛だから、お客様からクレームを付けられると「負けるものか」と、より良いものを作る、そういう国民だ。
自転車の場合、錆びたり塗装が剥げたりというのはある程度は仕方のないことであるが、他社との比較で劣っていると品質を上げる、品質が横並びになると価格を下げるメーカーが出てくる、それは時として品質が落ち、途端に売れなくなる。
品質の評価は購入されたお客様からの意見として、その商品を販売した店にも情報が入ってくる。

専門店として他社との比較の中で苦情を頂くような商品はお客様に勧めることはできないし、展示して在庫ともしない。商品を販売する小売店(自転車販売専門店)は、できれば品質に関してクレームを受けたくない。

耐久消費財として品質や耐久性へのお客様の要求と期待と、それに見合う内容を持った商品価格との釣り合いが取れているのか。そのようなラリーを何十年とやってきた結果「この価格でこの品質
ならばお客様に納得していただける商品」が、今の多くの国産メーカー車の価格であって、メーカー車を購入される方はその価格と品質を要求しているのだと言うことです。

価格を安くする
お客様の自転車という概念の中で「このくらいの品質が無いとねー」と言う要望で作ると3〜4万円、通学用の高級車になると5〜6万するものさえある。
国内で生産すると製造工場の稼働コスト、人件費、品質管理費、流通経費などからどうしても3〜4万円と言う価格になるようだ。そこで同じ品質の物でも東南アジアの台湾、マレーシア、中国などで生産するとこれらすべてのコストが下げられ、輸入のコストを考えても5千円くらいは安くできる。

 次に安くできる手段は性能に影響のない部品の材質を変えて価格を抑えること
ブレーキレバー アルミなどの金属 樹脂製
リム 国産メーカー品 アルミリム
タイヤ 高級グレード 許容範囲でグレードダウン
塗装 二回塗り(クリア塗装あり) 一回塗り(クリア塗装なし)

このほかにも少しばかりグレードを下げると、おおよそ2万円前半まで下がるが、いわゆる国産メーカー車としての品質はこのクラスが限度のようだ。
そこで専門店向けに流通すると広告宣伝費や流通(梱包)にコストが掛かるため、主にスーパーやディスカウント店を含めた流通を行なうとともに、これらの余計なコストを切り捨てると国産でありながらも2万円を切る価格でお客様に提供できる。(ただし、盗難保険や一部の保証もカットされている)

とは言え、3〜4万円以上のメーカー車と比べると自転車がやや重く感じることは否めないが、、ここまでの価格ならば充分「耐久消費財」として使用可能です。
更に安い自転車を作るとなれば、品質を度外視して作らなければならないようで、耐久性や強度面から使われなくなった製作方法.材質を使い、、タイヤ/チューブも品質にばらつきがあり毎日乗ると、約1年で交換を必要とするくらいに傷みが早いし、ブレーキもメーカー車では聞くことがほとんど無くなったあの嫌な「ぎーーーっ」と言う音も出る可能性の方が高い。そうしないと1万円を切る価格の自転車は作れないと言うことです。

これらの自転車を走って比べるとどこに差が出てくるのでしょうか?3〜4万円の自転車から1万円自転車を比較してみましょう。
・漕ぎ出しからスピードがのるまで重いし、速度の維持もずっと踏み込んでいる感覚が強い。
・少しばかりの坂道や向かい風でもグッと負荷が増し途端に重くなる。(ペダルが)
・お米や、子供を乗せると自転車全体がより大きくふらつく。
これらをお客様は「国産のメーカー車はやっぱり乗りやすい」と言われる。

どれを買えばいいの?

自転車への依存度が高い人は迷わず国産のメーカー車を購入をおすすめします。
・通勤や通学に使う
・毎日のように買い物等に使う
・子供の送り迎えに使う
・坂がある
このような用途に使う場合国産車は最適です。実際、3万円クラス以上の国産メーカー車はフレーム・フォーク5年保証と言うのが付いている。これは通常使用に於いて保証期間中に折れ、曲がり、破損などがあれば無料修理すると言うことで、男子高校生が通学に多少荒っぽく使っても問題が起きない作りをしている自信の現れ。だから20年以上愛用している方もいるのである。

一方
・毎日使わないがあれば便利だろうが、遠くには行かない
・毎日使うがごく短い距離(1〜2キロ以内)しか使わない
・通勤通学の予備として置いておく
等の使い方で、予算もあまり掛けたくない人向き。(でも、メーカー車に越したこと無いよ)

ここで、国産メーカー車の中でもブランドによる品質の見極め方を伝授しましょう。

メーカー 専門店向け高級車 量販向け低価格車
ナショナル/パナソニック ナショナル、パナソニック ハーモニー、無印良品
ブリジストン ブリジストン ブリジストン
ミヤタ ミヤタ マイクル
丸石 丸石 丸石
つまり、ナショナルとミヤタ以外はメーカーブランドが一つで、価格以外に品質を見極める方法が無い。
スーパーのチラシでメーカー希望小売価格から1割引程度の物は専門店向け高級車、それ以上の値引き割合で書かれているのは、元々その販売価格程度の作りであり。一流メーカーブランドだからと「買い得」とは思わないように、それなりに傷みは早い物である。
このほかにも自転車メーカーはたくさんあるが、ハットリのように自転車専門店にだけ流通するメーカーもあり品質は並の一流メーカー車より高い。

昔はいくら? おやビックリ!
40年前は大卒の初任給位(1万円)とほぼ同じか、自転車の方が少し高かったようです。30年前頃でほぼ同額、第一次オイルショック以後急速に初任給が上がり、月の給料で気軽に買えるようになり、その頃から国産メーカー車価格は横這いとなっている。それに反して初任給は20年前で12〜14万円、10年前のバブル後はあまり変わらないが17〜22万円へと推移している。
つまり、自転車は物価の優等生と言え、所得対購入価格としてみると決して高い物とはいえないが、現在は一通りの電化製品はもちろん、パソコン、携帯電話、車に一人住まいと、お金を使う事が増えているので尺度が変わっているのだろう。しかしながら、国産車の価格を見て「高いなー」とは言わないで欲しいですね。
バイクもね30年前は50ccで5.5〜6万円していました、当時は初任給3万円位でしょうから、ざっと2ヶ月分。250ccともなれば約20万円しました。今ではほとんどの50ccが初任給で購入できます。年収に近い金額だった250も今では2〜3ヶ月分で購入できるようになりました。もちろん当時よりも遙かに高性能です。

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