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LiveDIO vs NEWJOG どっちを選ぶ?
JOGは1983年に¥99000で、DIOは1988年に¥126000でそれぞれ発売され、以来何度かのモデルチェンジを行い、発売当初メットインではなかったJOGも89年のモデルチェンジでヘルメットが入るようになった(価格は¥126000)。この両車、バリューゾーンスクーターとしてバリエーションモデルも多く、競合し合っているので「どっちを選べばいいのか分からない」方も居るのではないか。
そこで今回は両車を比較検討してみようと言う特集です。

用途別バリエーション ・基本モデル比較機
ホンダ ヤマハ
標準車 LiveDIO   ¥157000 NEWJOG     ¥157000
婦人用 DIOチェスカ ¥ JOG POCHE  ¥159000
スポーツモデル LiveDIO ZX ¥179000 SuperJOG ZR ¥179000
低価格車 LiveDIO j  ¥144000 JOG APRIO   ¥139000

標準車の機能・性能比較
LiveDIONEWJOG
LiveDIO NEWJOG(YV50Z)
車体寸法(全長・全幅・高さ) 1675・625・995 1880・640・1040
軸間距離 1145mm 1180mm
シート高 700mm 715mm
乾燥重量 69kg 69Kg
燃費 49km/L 63km/L
エンジン出力 5.6ps/6500rpm 6.8ps/7000rpm
最大トルク 0.64kg/6000rpm 0.71kg/6500rpm
燃料タンク容量 6.0L 7.0L
オイルタンク容量 1.4L
ヘッドランプ 40wハロゲン 35w/36.5wハロゲン
ブレーキ形式 前
         後ろ
ディスクブレーキ
ドラムブレーキ
ディスクブレーキ
ドラムブレーキ
タイヤサイズ 3.00−10 90/90−10
ロック機構 ハンドルロック
スタンド跳ね上げ防止
ハンドルロック
後輪ロック
シャッター付きメインキー
カタログ上の数値は「目安」であって、絶対的な善し悪しの判断にはならない事を念頭に置いて考慮すべきで、単純に「数値が高いから性能が良い」と、考えるのは短絡すぎる。

この両車、車体寸法やエンジン性能を比較するとほぼ同じか僅かの違いでありこれを指して”競合車”と言う。つまり価格まで含めて同じ土俵で販売を競う商品というわけだ。見かけ上同じであれば使い勝手や、デザイン・色の好み等から判断し購入することになるだろう。

使い勝手比較
これはNEWJOGの圧勝である。というのはNEWJOGの場合使い勝手の部分は大変良く作り込まれている。
@ メインキーからシートロック解除が出来る
A ヘルメットが逆さに入る
B 上記2つのメリットから片手操作でロック解除からヘルメットの取り出し、手荷物の収納まで出来る。これがDIOだとメインキーとシートキーは別々でヘルメットも上向きに入っているから両手でないと取り出すことが出来ない。つまり、手荷物があると一旦どこかへ置かなければヘルメットとの入れ替えは出来ない。

NEWJOGになってから、エンジンオイルタンクの容量が1.4Lに大きくなり、従来不評だったオイル補給時に注意しないとオイルをこぼしてしまう事があったので、容量アップは有り難いことで、ガソリンタンクはDIOよりも1.0L多い7.0Lあり、実質6Lのガソリン(ガス欠防止のため1L残り時に補給)6Lで約150キロも走れることになる。

乗り比べ
昔からホンダとヤマハの操縦性に関してメーカーカラーがあって、大雑把に言えばホンダは直進の安定性重視、ヤマハはコーナリング性能重視という違いがある。これはどちらが良いという事ではなく、その人が初めて乗ったのがたまたまホンダだったとしてヤマハに乗り換えると違和感を感じる。これはヤマハに乗っていた人がホンダに乗っても同じ事が言え、つまりは慣れの部分である。さらには「私には違いが分からない」と言われる方も少なくない。だからここでは違いがあるということを念頭に置き、それぞれのバイクに上手に付き合う方法として操縦性の違いを述べていきたいので誤解しないように。

直進性を重視しているDIOはカーブを曲がる際バイクを傾けて曲がるというよりはハンドルを切って曲がるイメージが強く(いわゆるアンダーステア)、JOGはカーブに合わせて先を見ると体が自然と曲がる方向を向き、バイクもその方へ曲がろうとするスポーツバイク的な操縦性を持つが、これが乗り慣れるとニュートラルステアと感じる。
ハンドリングの違いの他にもスタートダッシュも両車に違いがある。

総じてホンダのスクーターはスタート時クラッチが繋がるエンジン回転数を高めに設定してあり、ヤマハは回転数が低いところに設定してある違いを見せる。これを起因としたデメリットが両車に存在する。ホンダ車に長く乗ると回転が高くなって繋がることからスタート時に「ガツンッ」とショックを感じるようになるし、ヤマハ車は発進停止を繰り返すと(元気良く走る若者風に)エンジンの熱ダレからゼロスタートでの発進力が鈍くなる。元々の原因は設計思想からくる遠心クラッチの直径の違いにある。

乗り心地はどうだろうか?スクーターはエンジンがリヤのクッション構造を兼ねていて、DIOの方が設計上長い為か乗り心地が良い。しかし、車体振動、路面振動を感じやすい。JOGは振動に関しては極めて少なく、非の打ち所が無い。それだけにDIOに一歩譲るクッション性は惜しいところで、新車時は特にサスペンションが堅いこともあり、暫くは我慢して乗ることになる。

盗難防止比較
DIOにしろJOGにしろ盗難対策はハンドルロックだけではない。
ホンダDIOの場合、トランク内部の後ろに黄色のレバーがあり、これを倒すとスタンドがロックされ押し歩くことが出来ないようになる。また、メインキーの材質を破壊されにくい金属に変更されている。

JOGはどうだろうか。Gロックと称してキー溝へのはさみの折れ込みやいたずらを防ぐ目的でレバー操作式のシャッターが付いていて鍵穴を塞いでしまう。同時に後輪を回らなくするので簡単には移動すら出来ない。盗難に遭わなくとも鍵穴のいたずらは多く、実際に被害にあった方も多いと思うので、この装置の良さは分かっていただけるのではないだろうか。

おすすめはどっち
スクーターの基本は「使い勝手の良さ」である。
通勤・通学含め50ccバイクの殆どがスクーター置き換わったのはスクーターの利便性がカブ号を代表とするビジネスタイプの経済性を上回った結果だと言える。

このことから選ぶと機能的には同じだが、その機能が使いやすく出来ていること、盗難に遭う以外の「いたずら」にも対策を施したNEWJOGをお勧めしたい

最終的にどちらを購入するかはお客様の判断になるが、品質の安定性に優れたバイクを開発・生産する能力がある現在、ホンダ・ヤマハどちらを購入されても初期トラブルや耐久性はおおむね同程度であり(故障し易いというわけではない)、あまり気にすることはないし、万が一故障・初期トラブルに遭っても一通りの点検を行い、原因箇所の修理をすれば解決できるはずである。
もっとも、納車前に充分な点検を行えば、ほぼ完全なトラブルフリーのバイクをお届けできるのではあるが・・・。

2000年4月作成
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