ガイアックスの使用について
ガイアックスとは一部のガソリンスタンドで販売されているガソリンとアルコールの混合燃料でリッターあたり10円位安い(揮発油税を逃れているため)燃料のことです。最近、原油価格が上がり気味で自ずとガソリンもやや高めに推移していますから10円も安い燃料があるというのは消費者の気持ちを向けるには充分だし、環境にも優しい燃料との見出しが付けば、大変喜ばしいのですが本当のところどうなのでしょうか?

ガソリンエンジン用に作られている車やバイクにこのガイアックス燃料を使うとどうなるでしょう。
性能的にはそれほど落ちないらしい(エンジンに寄る)が、長期の使用に於いては疑問が残ります。と言うのは、アルコールはゴム類を痛めやすく、最悪劣化による亀裂からホースが破損し燃料が漏れ出す危険が可能性としてあるようです。

元々ガイアックスは中南米で使われているガソリンの代替燃料で、石油ショックの時にガソリン価格が高騰したために作られた物で、ガソリンとアルコールの混合物と言うことで「ガソホール」=合成語=と呼ばれています。ヤマハでも中南米でガソホールが使われるに当たり(当時の政策判断のようです)、不具合が出ないように耐アルコール性のゴムを使い実用性を検証したあと対中南米向けバイクを輸出したようです。石油ショック時日本でもガソホールの使用は検討されたことがあります。(自動車製造メーカーや石油メーカーで)

石油ショック後ガソリン価格が150〜180円になり、200円に届くようならガソホールもコスト的に合うと言うことでした。つまり、アルコールを大量に作るにはそれなりにコストが掛かり、現在ガソリンよりも10円位安く販売しているのは「揮発油税の対象にはならない」と製造業者が主張し揮発油税を支払っていないからで、通産省は「ガソリンと同じ炭化水素が主原料であることに変わりはない」として税金を掛ける方向にあるようです。

原始的には、芋類を発酵させるとアルコールが出来るので、畑でアルコール生産用の芋をたくさん作れば良いのでしょうが、先に書いたように収穫時期があるのと、生産効率が悪くコスト的に合わないようです。とにかく、うまい話には裏があると言うことでしょうか。

タンクの水抜き剤はアルコール!
タンク内で水蒸気が結露しそれが溜まることで錆を発生させタンクに穴をあけたり、燃料系統に入り込んでエンジンを不調にしたり、水というのは時折悪さをします。特に燃料を余り入れないで走る人にはこの手のトラブルが出やすい。(タンク内に沢山の空気が入るめ温度差で発生する結露も多くなる) ガソリンスタンドで「水抜き剤切れてますよ」とか言われたことありませんか?水抜き剤の主成分はアルコールです。

水はガソリンに溶けませんが、アルコールは溶けます。そしてアルコールと水は溶けるのです。つまり、タンク内に入れたアルコールがタンク内に溜まった水を吸収し除去してくれるのです。ですから、程々にアルコールを利用する分には良いのですが、沢山入れてしまうと思わぬトラブルが待っているかもしれません。

2000年7月作成


【追記:この件に対するメーカーの対応について】
ヤマハが販売店向け資料の中で発表している事を書いておきましょう。
−−−−以下、本文です−−−−

【高濃度アルコール含有燃料の使用について】
標記の件、国土交通省および日本自動車工業界から、高濃度アルコール含有燃料等指定以外の燃料を使用した場合、燃料漏れ・火災等が発生するおそれがあるとの発表がなされております。ヤマハ車では、「無鉛ガソリン」に使用を前提として車両の開発・設計を行っております。
指定された燃料(無鉛ガソリン)とは異なる高濃度アルコール含有燃料等を使用した場合、本来の性能を十分発揮できないばかりか、予期しない故障が発生するおそれがあります。
ヤマハ車をお買いあげのお客様に対しましては、取扱説明書・、メンテナンスノートに記載された指定の燃料をお使いいただきますよう、ご伝達願います。
 なお、お客様が指定以外の燃料を使用されたことに起因する故障につきましては、ヤマハの保証修理の対象外となりますので、併せてご伝達いただきますようご案内いたします。

−−−−以上−−−−

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