11月にはいると、地域によっては雪もちらつく気候になりバイクにはつらい季節に入ります。寒さに耐えられずに、来春が来るまで「バイクはお休み」と、決め込んでいる方も居られるでしょう。そこで心配なのがバイクのコンディション。自転車とバイクの違いは「電気とガソリンを使うこと」だけなのですが、これが故障や不調の原因になります。

冬の時期、あまり乗らないバイクを来春調子よく乗るために何をしたら良いかアドバイスした
いと思います。

バイクの点検
乗る、乗らない関係なく日常の点検整備は必要ですが、走行距離が短くなる冬季でもそれ
なりに点検と整備は必要です。
 こんなところを点検しよう
@ バッテリー
夏場活用したバイクのバッテリーは「疲労」しています。MFバッテリー(メインテナンスフリー)でも同じ事、一度フル充電されることをお奨めします。また、従来のバッテリーは電解液が蒸発し減少しているはずですから「蒸留水」をアッパーレベルまで補水し、充電しておきましょう。この時の充電は出来るだけ「二輪車用充電器」をお使い下さい。また、電流メーター付きの方が良いでしょう。メーターの振れ方でバッテリーの良否判定が出来ます
A ガソリン
タンクにはガソリンを満タンにして置いた方が良いでしょう。ガソリンタンク内に空気があると温度差により結露が発生し、水として残ります。これが燃料系に入り込むと様々なトラブルを引き起こします。タンク内の空気量が多いとぞれだけ結露する量が多くなるわけですから、出来るだけ満タンにしておいた方が良いでしょう。
B タイヤ
空気圧は標準+0.1kgで調整しておく。通常の調整も同じだが、標準空気圧はベストな空気圧だから、その後はどんどん悪くなる。+0.1に調整することで操縦性に影響を受けない範囲でベストな状態を長く維持できます。
また、夏場そのままにしておくと、空気圧の自然減少からタイヤ接地面が車重に押しつぶされ変形し、再度空気を入れても変形が取れなかったり、チューブレスの場合はリムとタイヤビード部に隙間が発生しシール不良からパンク状態が続く原因になります。
C ワイヤー、ケーブル類
出来れば、ワイヤーを外しオイルを射しておく。常に使っている内は良いが、暫く使わないでおくと錆が固着しワイヤーの動きを悪くしたり、撚って作ってあるワイヤーは錆が進行すると一本一本は弱いので切れやすくなる。取り外しが難しいなら、潤滑スプレーを掛けるだけでも良い。
D スイッチ類
バイクのスイッチは露出している為、雨や湿度に弱く、暫く使わないで置くと電気関係の接触が悪くなり、ウインカーやブレーキ、セルスイッチ等が原因で動作しないことも多く起きる。こちらもスイッチの隙間から潤滑スプレーを掛けておきましょう。
E チェーン
人間で言う関節で出来たチェーンは、やっぱり動かさないと堅くなる。新車の内はまだしも、数千キロ走ると新車時のチェーンオイルはきれいさっぱり無くなっているから、錆びに対し無防備だ。チェーンの寿命を延ばすためにも専用のチェーンオイルの吹き掛けは必ずやっておきましょう。
それから、スプレーするタイミングは走行直後が良いでしょう。走ってきた後は僅かでもチェーン温度向上や、滑らかさも上がっているのでチェーンオイルもより内部に浸透しやすく、チェーンに馴染むため走行時にオイルが飛び散る事も少なくなる。
F 錆止め・塗装の保護
バイクを磨き、手入れをする人は不思議と”転ばない”。
塗装面ににはワックスを、メッキや金属面には防錆スプレーをぼろ切れに吹きかけた後汚れを拭き取るようにすると良い。

少なくとも上記の点検・整備を やっていると来春もきっと快調なスタートが切れるでしょう。しかし、このような整備を行っても、「あまり乗る機会がない」とおっしゃる方は一週間に一度でも良いから、10分程度の暖機運転をしておきましょう。そうすると、キャブレター内のガソリンを使い切るので、ガソリンの腐りを防止できエンジンの快調を維持できます。但し、エンジンを止める際は軽く空吹かしを行い、エンジン内部の燃え残りのガスを吐き出しておくこと。もたついたエンジンが軽やかに吹き上がればOKです。  
バッテリーの良否判定  
バッテリー充電器に充電中の電流計が付いていると簡単なバッテリーチェックが出来ます。バッテリーの端子に充電器のクリップを取付けスイッチを入れます。この時の電流計の針がどのように振れるかを見てください。

1.スーと上がって次第に下がる
  健康なバッテリーです。まだ充分に使えるでしょう。
2.徐々に上がりそのまま暫く続く
  寿命を迎えつつあるバッテリーです。バッテリーの内部抵
  抗が高く、充電モードに入りづらい(イオンの活性化が衰え
  ている)ため徐々に上がる。
3.なかなか上がらない
  メーターの針が振れない、あるいは振れても僅かと言う場
  合は、寿命を迎えたバッテリーです。充電電流をスイッチ
  で切り替えても上がらなければ、使用をあきらめて交換し
  てください。
【上記はGS製のGZC−450D ¥14000です】

尚、MF(メインテナンスフリー)バッテリーには下記の充電器をお使いください。
【ユアサ製 PS−1512 ¥16000】
寿命を迎えたバッテリーを充電しようとするとランプが点いて
警告する、”良否判定ランプ”が付いています。
当店でもこれを使っています。

様々なトラブル  
燃料系に水が入り込むと、ガソリンよりも水の比重が重いために、重力差を利用して燃料を
供給する構造のバイクでは、水の方が先にキャブレターに流れ込む為、エンジンが掛からな
くなる。
また、燃料コックなどに貯まった水はガソリンと乳化し、それがコック内に不純物として残り
コックの動作不良を起こす。

ワイヤーを外しオイルを射しておく  
市販のパーツで「ケーブルインジェクター」と言うのがあり、これを利用すると簡単です。
一部のワイヤーには使うことが出来ませんが、ケーブルを外した後、このインジェクターをセットし、インジェクターにある穴から潤滑スプレーのノズルを差し込み注入します。
錆がひどいとなかなかスプレーできないときありますが、ワイヤーの先からオイルと錆が混ざった物が出てくると”あら不思議”ワイヤーが軽くなります。

【参考価格¥1800】

お手入れグッズ
磨くには何が良いでしょうか?お薦めはヤマハで取り扱っている「ユニコンカークリーム」水垢汚れ、ピッチ、塗装面の軽い傷等の処理がこれ一本で出来てしまう。
車用の固形はワックスのかすが残ったり、半練りはコンパウンドが入っているために、傷は落ちるがバイクのような塗装プラスチックが多い物には不向きだ。
そこで、このユニコンを使うとオールマイティーに使えて良い。
【175ml ¥400、 400ml ¥650】ヤマハ用品価格

防錆潤滑剤
金属部品の錆止めや、可動
各部の潤滑に。

 ¥1450

ワイヤーグリス
ワイヤー内にスプレーする
と、動きが滑らかになりま
す。

 ¥1500

チェーングリス
ドライタイプ(オンロード)

 ¥1300

チェーングリス
ウェットタイプ(高粘度)

 ¥900

チェーングリス

フッ素樹脂配合でオフロード
の過酷な条件でも潤滑力を
発揮する
 ¥1500

プラスチックワックス
プラスチック用簡単艶出し
スプレー。
帯電防止、劣化防止に効
果を発揮。

 ¥1500

2000年11月作成
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