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 NEW SR400
しばしカタログから外れていたヤマハのSR400が復活した。
SR400は昭和53年3月に500と共に発売されて以来、国内のスポーツモデルとしては最長寿モデルになっている。
ビッグシングルエンジンとスマートなスタイルはモダンを感じさせ、時代の流れに左右されない安定した支持を得ている。
それを裏付けるかのように、今回の販売台数計画は4000台/年で、バイク需要が低迷している中にあって”強気”の計画です。

今回のSR400の外観で一番大きな変化はディスクブレーキが復活したことである。ドラムブレーキはクラシック性を強調するには良いのだが、雨上がり時の”かっくんブレーキ”、効きそうで効かない制動力、握力に対して比例しない制動力など、性能・機能面での評価は低かった。今回はフローティングキャリパー式2ポット(旧タイプのディスクは1ポット)を採用し、ディスクには穴まで空けられスポーティーさを強調している。
では、その他の部分も含めて、手元にあるサービスガイドから変更点を解説していこう。

エンジンの改良
排気ガス規制に対応すべく、減速時に多く発生する未燃焼ガスを、排気ポートに取り入れた2次空気(エア
クリーナーから導入)で再燃焼させて低減する構造が、新たに加わった。
エンジン左にあるパイプがそれで、スロットルを閉じて吸気の圧力(負圧)が高くなると制御バルブが開き、エアクリーナーからシリンダヘッドに通じるパイプに空気が流れ、排気バルブ近くに開けられた穴から2次空気が、排気ガスを再燃焼させ有害な排気ガスを低減するようにしている。

スロットルを閉じて減速すると、エンジンに吸入される空気量が減少して混合比が非常に薄くなり、充分に燃焼されない
ままに排気される。そのままでは有害成分が多い排気ガスなので、2次空気を導入して再燃焼を促進させることで排気ガス低減を行っている・・と言うこと。
このシステムでは、キャブレター、エアクリーナー、シリンダヘッドと、後で述べるCDIユニットがセットでの対応なので、従来のエンジンとの互換性は無いと思わないといけない。また、合わせてピストン頭頂部に硬質アルマイト処理(アルマイトメッキ)を施してピストン強度を上げている。
(2次空気導入パイプ取付のため、シリンダも変更されている)

マフラーの外観は変わらない物の、内部の第1膨張室と第2膨張室の間でグラスクロス(下図黄色部分)を追加して、「信頼性向上」、との発表だが、長期の騒音低減とSR独特のマフラーの金属音低減を行っているのではないかと思われる。


CDIも変更されている。従来はエンジンがクランキングする事で発生した電気を点火に利用していたが、今回はバッテリーを電源とするように変更された。バッテリーを取り付けないと点火の確認が出来ないし、バッテリーが上がると点火しない=エンジンが掛からない事になるが、正常使用時は電圧が安定している分より確実な点火が行われるのだろう。因みに、このCDIユニットには昼間点灯制御も一緒に組み込まれたのでエンジンが掛かってからライトが点くようになったので、キック始動に時間が掛かり、その間ライトが点いていてバッテリーが上がって・・点火しなくなった・・と言う悲惨な状況にはならない工夫がされている。

車体回り
フロントがディスクブレーキに変更されたことはすでに書いたが、フロントフォークも内部構造が変更され、従来インナーチューブとアウターチューブが全面摺動だったのをメタル摺動に変更している。
フロントフォークが衝撃を吸収して縮まるときは(クッションする)チューブ内部全面で支え合っていると摺動抵抗が大きく、小さな衝撃ではクッションしない=乗り心地が固い、事になる。メタル摺動は多くのスポーツ車ではすでに採用されている物で、インナーチューブに1カ所、アウターチューブに1カ所の計2カ所で支持し合う物で、接触面積が小さいことから、より細かな凸凹も吸収して乗り心地を良くする物です。

SRのタイヤは長いことメッツラーを採用しているが、今回のモデルではタイヤサイズがメトリック表示の物に変更された。
フロント  3.50−18 →  90/100−18
リヤ    4.10−18 →  110/90−18
これにより、タイヤ交換時に販売モデル数の多いメトリックサイズが使えることになった。
タイヤ・ホイール回りでは他にスポークが亜鉛メッキから防錆塗装仕上げになり、錆びにくくなったので、少々交換工賃に値が張るが、スポークが錆びだらけになっていたら、タイヤ交換時にスポークまで交換されてはいかがだろうか。

その他の変更
排気ガス対策は勿論、ブレーキパッドの材質をセミメタルパッドに、スポークホイールのバランスウェイトを鉛から錫(スズ)製に変更するなど環境対策を行っている。
質感向上としてリヤホイールシャフトの亜鉛メッキをクロームメッキに変更、塗装しているので直接は見ないが、ガソリンタンクの材質をメッキ綱板に変更など、意外と細かな所まで見直しを行っているようだ。

同じく、バイクの”顔”となるガソリンタンクのデザインは3タイプ。この紹介記事先頭のモデルはSRとしては随分見慣れたオーソドックスな物、ブラックにシルバーラインが入った物は限定車で見られたデザイン、もっとシンプルなデザインが好みの方はシルバーカラーのみのものが選べる。

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2001年3月作成
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