一般的に高い自転車ほど良質といえます。”良質である”と言うのは部品のグレードが高く、組立管理もきちんとなされていると言うことです。 一方では、1万円以下の安い自転車だからいけないとか、高ければ良いと言うことでもなく、肝心なのは購入する自転車が、使用する目的に合っているかどうかです。 「一週間に一度ちょっとしか乗らない」、「近所のパチンコやたばこ買いに少し乗るだけ」の使用では、それほど高価な自転車は必要ないかもしれません。しかし、毎日の通勤・通学や、距離が短くても荷物を沢山積むとか、子どもを乗せるとかの使用では、より高い自転車の方がその役割を十分に発揮できる。ましてや、坂が多かったり、きつい坂があるならば変速付きは必要だし、その変速についても十分に考慮する必要があります。 そのことを踏まえて、使用する目的・用途に合った、最適な自転車を選んで欲しいと言うことだ。購入する自転車の価格を先に決めるべきではないのです。いくら高いメーカーの通学車でも6万円が上限で、定期代に換算すれば僅か数ヶ月で元を取る計算で、都市部では十分と思われる3〜4万円の自転車ならば2ヶ月で元を取れるのだから、必要な物にはお金を掛ける買い物の仕方をして欲しいですね。 自転車の価格は何で決まる? 多くの自転車は無駄な装備がありません。ですから、自転車の価格はどのグレードの部品を使い、どのレベルの組立品質を行うかで決まると言うことです。 部品の品質レベルが5段階、組立品質は4段階あると思って良いでしょう。その組み合わせが自転車の販売価格を左右します。一番質の悪い部品を使い、レベルの低い組立を行うと”部品がくっついている”だけで、運が悪ければ何時壊れてもおかしくない物もある。 当店の周辺ではここ数年”ママチャリ”を高校通学に使うことが流行していて、7〜8000円の低価格の自転車の場合、僅か半年以内にスポークの折れ、チェーンの折損、ペダルクランクの外れ、ハンドルの締め付けが出来なくなる、フレームの折れなど、数多くの修理が持ち込まれました。中には、国内では使われなくなった規格の部品を使用していることで、修理する際に多大な費用が掛かる事になったりします。 これは使用する用途に合わないことの例として取り上げましたが、間違った選択をすると、結局は高く付くことになると言うことです。
大まかには上記のように分けられます。使用目的から”おすすめ用途”に該当するレベルの自転車からお選びになると間違いはないと思います。通勤・通学のように”必需品”である場合には最低でもレベル2以上の商品を特におすすめします。 因みに、販売価格が同じなら変速付きよりも変速なしの方が自転車本体の品質は上になることが一般的です。 そうなんです 例えば、17800円で全自動ハブライトと内装3段変速が付いていると、凄くお買い得の感がありますが、実際にはそうではありません。 全自動ハブライトと変速装置を除いた価格=自転車の基準価格は11000〜12000円と言うことになり、品質的には最低ランクと同等になります。変速が付いているとは言え、平坦路で乗ることが多ければ変速を使う機会はずっと少なく、あるいは全く使わないかもしれません。それならば、むしろ何も付いていない同価格の自転車ならば品質的にランクは上で、乗りやすい自転車を購入することが出来るでしょう。もちろん耐久性もあり、ブレーキ鳴きが出にくい物が付いているでしょう。 必要な装備なのか、そうでないのかも合わせて見極める事も必要だと言えます。 そこで、自転車の品質を部品から見分ける方法を下の表にまとめました。
ボヤキと本音 「中国製自転車の中に品質が劣る物がある」、そのように受け取られた方もおられるでしょう。それは当たっているようで実は誤解です。 国産メーカー自転車はお客様であるユーザーとメーカーが長年、品質と価格のキャッチボールしてきた中で「満足」を得られる商品に出来上がっています。それをそのまま人件費が安い中国で生産したものは、価格の割に良い商品を購入できます。 と言うのも、きちんと組立の仕方・チェックの仕方を教育した上で仕事をしてもらうと、教えられたことをきちんと守って作ります。だから、安心して販売できれば乗ってもいただける。 ところが逆に、「この値段で作ってよ」と、日本国内だったら当然安全基準に満たない商品は断られて作ることは出来ませんが、中国ではそれを作っちゃう。言われたことはきちんと聞く、言葉悪く言えば”馬鹿正直”なんです。 スーパーなどが価格だけを追求し、品質をないがしろにするところに問題があるのです。それでも、良いのに当たれば長く使えることもありますが、自転車というのはそんな”博打(ばくち)”で買う商品ではありません。 そんな実体を調べたところ、1万円以下の自転車の57%が欠陥車であったとの報告も有ります。 欠陥といっても程度に違いはあります。安全上問題ない物から、国内メーカーでも保証の対象から外れている部品で、壊れると高い修理費用が掛かる物まである。 一つの例を取ればスポークの折れ。意外だが、スポークの折れはメーカーでも保証していなくて、自己負担になる修理。ですが、メーカー製では余程のことがない限り滅多に折れることはないが、低価格の自転車では当たり前のように折れることがある。 自宅周辺の買い物程度で5年保つ自転車も、片道数十分の通学に使えば僅か半年しか保たないことも実際あるのです。購入する自転車を何に使うのか、それには価格的にどれ位の物を買えば”ちゃんと”使えるのか、その辺りのことをきちんと考えて購入されると良いと思います。 |