大金はたいて購入したバイクです、誰しもはじめのうちは「大事に乗ろう」と、言う気持ちをもっているはずでが、月日が経つにつれ状況は変わってきます。奈落の底へ落ちていくケースを簡単にあげてみましょう。
バイクの汚れは心の汚れ 汗の臭いがするシャツは着たくないが、きれいに磨かれたバイクに乗るのは気持ちもいい物で、磨くと言う行為に愛着心という気持ちがついてきます。この愛着心こそがバイクを大切にし、結果的に事故らない事につながっていきます。 雨降りの後、そのままにしておくと汚れはこびり付いたように落ちにいもので、特にマフラーやエンジンなど熱を持ったところは簡単には落ちにくくなる。そこで、雨降りの中を走った後は簡単にでも良いからサッと汚れを洗い流しておきましょう。残りは時間とれたときに根気よく細かいところまで念入りに洗車することだ。 こうして日頃からバイクを磨いていると・・・・ 1.バイクの構造を知るようになる 2.変化に気づいて、いち早く調整・修理対応が出来る 3.常にベストコンディションを維持できる 3.バイクを大事にする気持ちから、安全運転しようとする気持ちが生まれ、事故らなくなる たとえば、洗車の後ふき取ったりする時間や、まだ雨が降っているならば、KURE5−56等の防錆潤滑剤を、ディスクプレートとタイヤ以外のところに吹きかけておこう。そうすると水分がサーッと流れ落ち、乾いた後は防錆成分が残り錆び付きを抑えるのだ。乾いた後に拭き取ればワックス掛け同様にきれいになる。 通常の洗車の際でも、5−56を掛けた後すぐに拭き取るのではなく、1時間以上の間を空けることで皮膜が定着し光沢感が生まれ、バイクのように凸凹が多く固形ワックス等が使いづらい場合には、5−56の方が良いようだ。 他には、ヤマハが扱っている”ユニコン”も水性ワックスなので、乾いた後に粉が残らず、簡単な錆落とし・ピッチ(アスファルトの)落としから艶だしまでこなせる。 日常のほこり取りの際は、直接部品に掛けず、一度ウェス(ぼろ布)に5−56を掛けてから磨くようにしよう。無駄に消費しなくて済む工夫だ。 洗車と磨きを繰り返していく中でバイクの構造や仕組みも覚えていくだろうし、あらためてブレーキやクラッチの遊びはどうだろうか、タイヤの摩耗はどうだろうか、空気圧は大丈夫だろうか、オイルはちゃんと入っているだろうか等、少しずつ理解していくことだろう。興味を持てばね。 ねじの緩みは気のゆるみ ねじの緩みは新車から乗っていると特に起こりやすい物。しかし、そのまま放っておくとんでもない事故につながったり、部品の脱落や破損になったりもする。日頃の手入れや洗車の際に見ていればねじの緩みを発見できるときもある。 ねじが落っこちてトラブルが起きるまで気がつかないというのは明らかに”気の緩み”といえるのだ。 バイクの貸し借りは原則禁止 日頃から洗車し、磨きを掛けてきれいさを保っていると、バイクが彼氏・彼女のような愛着心が生まれる、そう思えるように日頃から磨きましょう。そして、友人から”バイク貸して”と言われても絶対に断ろう。だって、彼氏・彼女を友人に貸さないでしょう。〜例え方が悪いかなー バイクでも車でもなにがしかのクセを持っている。車の場合、初体験の物でも車両感覚さえあればハンドルを切りながら修正は可能だし、コーナリング感覚がずれても転ぶことはない。しかしバイクは、そのクセの違いから転倒につながるケースは多い。 バイクには3つの慣らしが必要だ。 1.バイクそのものの機械的慣らし 2.バイクのクセになれる慣らし 3.交通の流れに乗る慣らし(特に初心者) 当の持ち主は『大事に乗ろう』と言う気持ちから慎重に乗るでしょう。慣らし中の比較的ゆっくりしたペースで走りはじめ、クセを掴んでいくから安全だ。しかし、借りたい人の気持ちは違う、”試して見よう”なのである。その気持ちは、バイクの違い=クセの違いを考えていないので転倒事故につながるケースが非常に多い。 原則としては貸さないことだろうし、もし転倒し傷が付いたところはすべて交換してもら了解を取ってからにした方がいい。「これくらいの傷は良いだろう」と言ってくる友達は、友人とは言えないし、交換しなかった部品の傷をずっと見ることになる持ち主の心にも、ずっと残念な”傷”として残ることになる。それが言えないなら最初から貸さないこと。一度、一人に断れば後は楽だ、みんな断ることが出来るから。 転んだときはすぐ修理 中には”勲章”として残したい傷もあるでしょう、ご愛敬に映る”えくぼ”があるように・・・。 しかし、スッテーンと転んだ部品の破損や大きなへこみはそんなわけには行かない事もある。ブレーキレバー・クラッチレバーなど、安全上問題のある部品の破損・変形は当然として、商品性を大きく左右するような破損部品は交換しておくべきでしょう。それを教訓=授業料として安全運転に心がけるだろう。 「交換したいけど今はお金がないので」と思ったならば、気持ちが変わらないうちに早めに交換しておこう。傷が付いたままだと目立つので磨かなくなるし、その考えは愛着心を無くし、新たな傷を付ける事につながる。それは、多大な修理代として蓄積されてしまい、いつしか「大事に長く乗ろう」と言う気持ちは完全に途切れてしまう。 そうならない為にも「転んだときはすぐ修理」です。 点検を忘れるな 自然とすり減った靴底、切れなくなった包丁、穴の空いた靴下。あらためて見ると驚くほどの変化をしているのに、それに気づかないというのは良くあること。それは、使っている本人だから余計に掴みにくいとも言える。ブレーキやクラッチの遊び、タイヤの空気圧にチェーンの伸びなどは自然と変化していく物の代表だ。 点検の役割は、本人が認識していない問題点を探す作業なのである。それは、日頃から”標準”に調整することを生業にしているバイク屋の仕事だ。 ”調子良い”と思っては居ても、少しずつ変化している物なので、半年や1年と言った区切りで行くのも良いだろうが、バイクの場合はオイル交換を点検時期として捉えてはどうだろうか。 3000〜5000km毎に交換するエンジンオイル、このくらいの距離を走れば調整を必要とするところは出てくる。もちろん、それを走るのに1年以上掛かるならば何ヶ月毎といった期間を設けた方がいいが・・・。 きちっと点検のタイミングさえ決めておけば、次の部品交換時期、点検時期も分かるようになる。特に250cc以下のバイクには車検制度が無いので自分で把握しておくしかない。 さて、ここからは消耗品の交換の目安について説明していきましょう。下の表はその一覧ですが、これはあくまで当店が推奨している物なので、機種毎に指定があればそれに従ってもかまいません。
エンジンオイルの詳細については「エンジンオイルの知識」を参考にしていただくとして、オイルフィルターはちょっと説明しておきましょう。 オイルフィルターはオイル中の金属粉やカーボンを除去する役目を持つ部品なので、汚れが溜まれば交換になる。多くの機種で毎回交換を推奨されているが、その必要は無いように思う。特に新車での初回オイル交換は1000kmとしていることが多いが、この時期にフィルターで除去される汚れ、ゴミは金属部品がなじむ際に擦れ合って削れた比較的大きな物なので、初回オイル交換時にフィルターを交換する必要は無いと思います。むしろ、2回目のオイル交換を早めに行い、そのときに交換すると良いでしょう。以後は1回おきの交換で十分と思います。〜気になる人は指定時期でも構わないです。 ファイナルギア、これはシャフトドライブを採用した機種特有の装置で、専用オイルを使います。中に入っているギヤは、特殊なハイポイドギアと言うのを使っていて、ギアのうなり音やバックラッシュ音を出さないように、また駆動トルクで破損しないようにギヤの歯面が弓形をしていて、回転とともにギア同士の接触面が徐々に変化するように作られています。 エンジンオイルに比べれば摩擦で削れた金属粉が出てくるだけなので、汚れは少ないのですが、ギアの特性を考えると定期的に忘れず交換したいところです。 しかし、スクーター(100cc以下の)のファイナルギアはごく一般的な歯車(平歯車)を使っていて、オイルさえ入っていれば良く、機種ごとに交換時期の指定もありますが、当店では特に交換を薦めてはいない。 そのようにしているのは、過去に1件のギヤ破損と、2件のベアリング破損を修理したことはありますが、それはオイル交換をしていないことに起因する物ではなく、ほとんどのスクーターがトラブルを起こした3例以上の距離を問題なく走っています。 また、ヤマハでは過去にキュートと言うスクーターを販売していましたが、この車種にはオイル交換を行うドレンボルトすら無かったので、以来こちらから薦める事をやめたわけです。 次にプラグですが、これもエンジンのタイプによって違いがありますが、表にあるように4サイクルで8000km、2サイクルで5000kmが交換の目安。もちろん、これ以上の距離でも問題なく使えるのですが、それはいつプラグが原因でトラブルを起こしてもおかしくないと言うことで、無用なトラブルを起こす前に交換しておきたいところです。 フォークオイルを交換している方は少ないのが現状ではないだろうか。通常の作業で交換できるのはフロントフォークのオイルで、リアサスペンションのオイルは専門業者の作業になります。フロントフォークは作動ストロークも長く、操縦性に大きく影響するので定期的な交換をしておきたい。 初回は1000km、次からは1万km毎でOKでしょう。オイルを交換するとダンパーの効きが良くなり、スムーズな作動を体感できるはずだ。抜き取ったオイルを見ると結構汚れている。 いかがでしたか?ちょっと多方面に話がいってしまった感はありますが、要はいつもバイクを磨いてきれいにし、点検も怠らない人は事故を起こすことが少ないと言うことだ。そうすることで、とっさの時でもバイクがあなたを守ってくれるマーフィーの法則がある。 |