最も身近な乗り物と言えば自転車ですね。子供から大人、ご年輩の方まで幅広く利用されていますが、この自転車にも、道路交通法と言う法規に則って乗車する義務があります。

「え〜〜っ、そんなの知らない」。それもそのはず、積極的に活動している地域や学校でなければ詳しく知る機会もないですし、例え違反したとしても多くの警察官が「気を付けなさいよ」、「そこの二人乗り、降りなさい」と注意されるに留まっていますから、自転車に罰金まであるとは思いも寄らないですよね。

「え〜〜っ、罰金があるのっ!」、またここで驚きの声ですか。そうなんです、自転車も”車両”と言うことで道路交通法を守らないといけないですし、違反すれば自動車同様、罰金もあるのです、本来はね。

最後に利用する乗り物が車で、車に乗るには免許を取る必要があり、その取得段階になって「何で今までいい加減な自転車の乗り方していたんだろう」と、反省される人も多いようです。その気持ちが長く続くことを祈りたいところですが、次第に身勝手な”歩行者”になってはいないでしょうか?

で、罰金ってどのくらいするの?
下に違反に応じた罰金を一部紹介しましょう
 違反における罰金
 二万円以下の罰金  ・ 二人乗り
 ・ 子供を二人乗せた場合
   ※6歳未満の子供は一人だけ乗せて良い
 ・ 二台以上で並んで走る
 3ヶ月以下の懲役または
   5万円以下の罰金
 ・ 信号無視
 ・ 右側走行
 ・ 一時停止違反
 5万円以下の罰金  ・ 歩道を走る
   ※「自転車通行可」の標識のある歩道は走って良い
 ・ 携帯電話を使いながらの運転
 ・ 傘をさしての運転
 ・ 無灯火
 3年以下の懲役または
   50万円以下の罰金
 ・ 酒酔い運転

人は右、車は左、自転車はどっち?
罰金の項目にあるように、右側を走ると3ヶ月以下の懲役か5万円以下の罰金という比較的重い処分が掛かります。
人が右側を歩くことで、通り過ぎる車との接触を避ける意味でも確認しやすい、すれ違い交通ですが、自転車も同様とは行かないですね。平行な道路を走っていればさほどの問題は起きないと思いますが、交差点ではそうはいかないですね。自転車はスピードもあるし、急には止まれません、そんな自転車が右側通行で交差点に入ってくると車からは大変見づらく、衝突する危険性は非常に高くなります。ましてや狭い路地では民家の壁などで視界が遮られ、ぶつかってから分かるという事も十分考えられます。

その為にも違反項目に「右側走行」があり、違反に対する罰金は「3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金」になっています。
こうした事故の場合、昔であれば自動車の責任が重く問われていましたが、最近では自転車側にも過失を問うケースが増えてきているそうです。自転車側に一時停止の義務が有る交差点で、一時停止なし進入し車とぶつかったら車の方に多くの責任を問うことは出来なさそうです。

また、最近では携帯オーディオ(MDやCDウォークマンなど)で音楽を聴きながら自転車に乗っている姿を見かけますが、これも特に危険です。耳に何も掛けていなければ、周囲の音はよく聞こえますが、ヘッドホンで音楽を聴きながら走ると周囲の音が遮断され、車の気配も感じないので、ぶつかるまで気づかないことでしょう。
車の直前を横切った自転車を見て急ブレーキ掛けたことが二度ほどありますが、そのときのチャリダー(自転車に乗っている人)もウォークマンで音楽聞きながら走っていました。そうしている人がこれを読んだら止めるようにしてくださいね、あなたが不利になるだけですから。

居酒屋に自転車で・・・
「今日はちょっと酒飲みに行くから自転車で・・・」、そういうあなた、自転車でも「酒酔い運転」は違反ですよ。それも、この違反は重いですね、3年以下の懲役または50万円以下の罰金ですよ。
私も、初めて買った車で出かけたとき、とある交差点で一旦停止すると、右から自転車が走ってきていたので、そのまま左の方を確認しながら自転車が通過するのを待っていたら、”ぐぁっしゃーん”右のドアにぶつかってきたのは酒酔い運転の自転車でした、それもまっ昼間なのに! 新車なのに! 相手は公務員なのに!!
しっかり、修理代は払っていただきましたが、警察官からもこっぴどくしかられておりました。

次に安易な違反が無灯火
冬場は特にそうですが、学生さんの制服は黒っぽいのが多く、無灯火で走って来られると確認しづらく、おまけに右側を走って来られたら怒鳴ってやりたくなります。
ライトをつけるとペダルが重くなるのは分かりますが、それが元で事故に遭い、せっかく頑張った受験勉強が不意に終わっては泣くに泣けないでしょ。

自転車の中には暗くなったら自動的にライトが点く商品もあります。全自動ライトと言いますが、このライトはライトが点いてもペダルはほとんど重くならず、スイッチ操作も全く必要ありません。
後から付ける物としては全自動ライトを乾電池で実現した商品もありますので、「ペダルが重くて・・・」と言われる方は、こうしたライトへの変更を考えてみてはいかがでしょうか。

自転車が絡んでの事故というのは少なくありませんが、自転車側に過失がある事故の割合も多いのです。便利な自転車を有効に使うには、最低限の交通の決まりを守って利用したいものです。