バイクのコンディションを保つ

乗らなくても痛む

オイル交換時に点検を

バイクの調子はこうして診る

バイクのコンディションを保つ
バイクの故障の主原因はガソリンとバッテリーいつも動かしている方が調子良いというのは多い物で、バイクもその中の一つです。いつも走ることで新鮮なガソリンを使い、バッテリーへの充電も充分となりコンディションを保てる訳ですが、「時々」や「たまに」、あるいは「滅多に」と言う程度になるほど故障しやすくなります。それは、ガソリンは「生もの」であり、バッテリーは「自己放電」するからです。

ガソリンは季節により数回成分が変わっています。日本には四季があり一年間の温度差が約30度くらいありますから、ガソリンの蒸発具合に差が生まれます。これによるエンジン始動性の不具合を解消するために夏場は揮発性の低い成分を多く、冬場は揮発性の高い成分を多く配合する、そういうようになっています。ですから、あまり乗らない人が冬場にガソリンを補給したとします、乗らずにひと夏そのままににして置くと揮発性が高く、始動性の良い成分が蒸発し、秋口以降のエンジンの掛かりは相当悪くなり、最悪の時はウンともスンともいわなくなります。それが故障です。

バッテリーは1日に1%放電すると言われています。エンジンを調子よく掛けるには50%以上の電力を必要としますから、満充電からでもせいぜい2ヶ月が限度でしょう。バッテリーが古くなる程その限度も短くなります。放電し電力が低下するとエンジンを勢い良く回すことが出来なくなり、掛かりの悪さも手伝ってセルを回している時間も長くなり、結局掛からないばかりか、バッテリーの寿命を短くすることになります。                       
ポイント
一度入れたガソリンは三カ月以内に使い切る。(どんなに少ししか走らなくても)
一ヶ月300キロ走る努力をする。
電力の落ちたバッテリーでセルを回さない。

乗らなくても痛む
空気は減るし、電気も減れば、錆も出る。
タイヤに入った空気は長期間にではあるが、徐々に減少します。二輪車の場合タイヤ内の空気容量が少ないため4ヶ月から6ヶ月位を目安に空気圧の調整をすることが必要です。これを怠ると突然の空気抜けによりタイヤが外れ危険な状態になることもあります。       
ビジネス車とオフロードバイクを除くほとんどのバイクがチューブレスタイヤを装着しています。チューブレスタイヤは、タイヤの中に自転車のようなチューブが入って無く、タイヤ内面のシール剤がチューブの役目をし、内部に入った高圧の空気がタイヤを強くホイールに押しつける格好で止まっていますが、空気圧が減少するとその押しつける力が弱くなり、カーブを曲がっている時の力でタイヤとホイールに隙間が出来て一気に空気が抜けてしまうのです。 

走らずに放置していても、空気が極端に抜けた時はタイヤが潰れた状態になり、そのままの形が、空気を入れた後でも残ってしまうことがあります。そうなると、交換するしか無いのです。 

バッテリーの寿命は使い方で多少変わりますが、おおむね2年から4年と言ったところでしょう。
これより短くする要因としては・・・                                    
@ 過放電 : セルの回しすぎ、過度の自然放電。
A 過充電 : 充電器を使っての長時間充電。   
B 長期放置: 使わないことでの老化。       

家庭用の充電器の多くは自動車用で、充電容量が二輪車には大きすぎるし、最近の二輪車に使われるバッテリーには使えません。

最近の二輪車には「メインテナンスフリーバッテリー」を使っています。これは、通常の使い方ならば補充電も補水も必要がないタイプのバッテリーで、完全密閉してあります。         
補水すら不要としているのは、充電時の電流を少なくしているからで、ガスの発生が少ないので密閉できているのです。そのため、充電電流の大きな自動車用を使うと、最悪の場合バッテリーが爆発するかも知れません。くれぐれもご注意を。 
上記以外にも、次のようなトラブルがあなたのバイクを狙っています。
・ エンジンオイルが下がり、潤滑不良から金属同しが当たりエンジンが痛む。
・ ワイヤー類が動かされないことで錆び付きが進行し固着する。
・ スイッチの接点が錆、不純物が付き、電気の通りが悪くなる。
・ チェーン、ブレーキドラム内に錆が進行し、次回乗ったときに錆がヤスリになって
摩耗の進行が早くなる。
ポイント
乗るだけで何も手入れしないのもバイクを傷めますが、乗らないで放って置くのも良くないことです。
オイル交換時に点検を

オイル交換時に点検を
良くある質問が 「いつ点検したらいいですか?」
バイクの使い方は人様ざま、一様に語ることは出来ません。それは、期間で点検するのか走行距離で点検するのか、両方なのかまちまちだからです。

答えは「オイル交換時」。 4サイクルの場合、オイル交換は3000から5000千キロ位で交換します。その位の距離を走ると、どこか調整を必要とするところが出てきているからです。2サイクルにしても、スクーターから250のレプリカバイクまで、オイル1リットル当たり1000キロから1400キロ前後走行しますが、その位走るとバイク各部で調整を必要としているからです。

オイルの購入や交換をバイク屋さんに任せると、専門の知識を持ったスタッフが点検をしてくれるでしょう。そうすることにより、故障を未然に防ぐことも出来ます。
ポイント
オイルの購入・交換はバイク屋で、点検整備はそのときに行おう。

バイクの調子はこうして診る
少しずつ変わるのは分かり難い
多くの方が、悪くなっているバイクの調子を見つけるのは難しいようです。と言うのは、徐々に悪い方へ変化するので、それに慣れっこになってしまい、「当たり前」のように感じてしまうからです。

オイル交換でバイクを移動する僅か4、5メートルの間にあちこち点検できます。それを元に色々アドバイス出来るし、オイルを抜いている間、簡単に整備もできます。もちろん、お店次第、整備士次第と言うところではありますが・・・。                        

ところで、その移動する僅かな距離でどのくらいチェック出来るでしょうか?
ポイント
スタンドを跳ね上げて
軽く上がりましたか〜スムーズでなければ油切れ
ガタを感じませんでしたか〜ガタがあればボルトの緩みか切れかかっている
両立スタンドなら後輪が地面に付いたとき「ポンッ!」ではなく「ホワン」と着けば空気圧不足(後輪)
ハンドルを切って
軽く切れますか〜シャープに切れればOK,ズズズーと重く切れるなら空気圧不足(前輪)
途中で軽く止まる〜直進状態で引っかかるのはベアリングの痛みがある。路肩でハンドルを取られやすいはず
レバーを握る
クラッチレバー〜重さと遊びをチェック、重いのは油切れ
ブレーキレバー〜(ディスクで)ゴムのように握れるならエアーが入っている、ザーザーと音がでるならパッドの摩耗
前に押して
重く感じる〜ならば、空気圧不足。特にハンドル切って重いのは相当低い
バックして
かたかた音がする〜チェーンの伸びかスプロケットの摩耗が相当ひどい、調整もしくは交換である
スイッチの操作性は
軽く動く?〜セルボタン、ウインカースイッチ、ライト切り替えスイッチ、ホーンボタンなど
動きが固ければスプレータイプの潤滑剤を射しましょう
タイヤを見て
スリップサインは〜スリップサイン※が出ていたら要交換、亀裂・ひび割れもチェック

※スリップサインとは、タイヤの溝の一部が浅く刻まれた部分のことで。摩耗限度になると縦のラインが途切れてしまい交換時期を知らせてくれる。
さて、あなたはどの位チェックできましたか?日頃から注意深く見ておくとこれらの変化に気付くでしょう。チェックできた後の整備はバイク屋さんに任せましょう。
また、個別の故障についてはこんな時は修理しなさい車体エンジン電装別の不具合・症状別にアドバイスします。


1999年2月作成
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