突然訪れる災害。初心者のうちはただでさえ不安なあるのに、「突然止まった」、「転んだ後おかしくなった」、「水に浸かってしまった」など、『どうしよう』、『どうしたらいいの?』と、とまどってしまうでしょう。 対処法はケースバイケースですが、ここではケース別の基本的な対処法を説明していきましょう。 【災害のケース】
転倒した後エンジンが掛からない 駐輪中や走行中にバイクが横倒しになると一時的にエンジンの掛かりが悪くなることがあります。原因は、キャブレター内のガソリンがエンジン内部に流入しガソリン濃度が高くなり過ぎることから起こる「かぶり」と言う現象です。
水害で水に浸かった 洪水や増水でバイクや車が水に浸かると大変なことになります。エンジンはもちろん、電装系統にも影響を与え、最悪廃車しなくてはいけない事態にもなります。 車で車両保険に入っている場合は保険で修理or買い換えする事もできますが、バイクの場合車両保険を掛けている人は極端に少なく、泣き寝入りするケースがほとんどでしょう。 テレビのニュース映像で、増水した道路を走っていく車やバイクを見ることはありますが、無謀とか、暴挙としか言えません。※但し、車両保険に入っていても、増水したところに自ら走行していった場合、保険は利きません。
運悪く浸かってしまったら 水没した場合は絶対にエンジンの始動操作をしないことです。エンジン内部の金属表面には油膜があり、短時間の水没であれば錆の発生も抑えられ保護されますが、始動操作するとエンジン内部のオイル通路に水が流れ、同時に油膜も切れて表面張力が強い水はそのままエンジン内部のオイル通路に残ってしまうのです。そうなると、そのエンジンは使えなくなります。 おおよそ3日以上水に浸かっていると、次第に油膜が切れて金属と水が触れあい錆が発生する確率が高くなります。修理する場合は3日以内での対処が明暗を分けることになります。 水に浸かった部分が比較的低い場所であたら、また水没して時間が経っていなければエンジンオイルを抜きます。すると、比重の違いによって先に水が出てきて、次にオイルが排出されます。その後新しいオイルを注入しエンジンが掛かれば”使える”かもしれませんが、その判断は安易には出来ない場合もあるので、自信がなければ専門家(例えばバイクやさん)に相談してみる必要があるでしょう。 どの位の範囲を分解するか どこまでオーバーホールが必要かはケースバイケースなので、状況を各個人で判断しなくてはなりません。 エンジン全体が水に浸かった、キャブレターまでは浸かっていない、クランクケースがちょっとなど、浸かったという部位によっても分解する範囲が異なってきます。
いたずらで鍵を壊された キー単体交換か、セット交換かの選択 バイクの鍵はメインスイッチ、タンクキャップ、シートロックなどが一本にまとめられたコンビネーションキーを使いますが、一カ所でも壊されると、その一本を交換した場合二本の鍵を持つことになります。中には3本持っている人もいます。 「そんなにたくさん持ちたくない」と言われるときはキーセットで交換をすると新車と同様一本の鍵で済ますことが出来ます。 事前の防止策 最近のスクーターではメインスイッチの鍵穴を隠すカバーが標準で付いている事が多くなりましたが、大型バイクではその装備無く、ボディーには特殊な合金を使って”破壊”に強くしている物もありますが、キーシリンダ内部のプレートは比較的柔らかい金属を使っているし、はさみなどの金属を押し込まれた場合、その部分をいたずらされると効力がありません。 そんなメインスイッチのいたずらを防ぐにはデイトナ製で「キーカバーロック」と言う物があります。特殊合金で作られた金属カバーをメインスイッチに被せてキー溝を塞いで防止する物です。5000円位の商品で各機種用が作られています。少々高いかも知れませんがメインスイッチ交換よりは安いと思います。 ある日突然エンジンが掛からない 乗ったり乗らなかったりしていて、日頃から一発で掛からない状況であれば、特におかしく思わないかもしれませんが、「毎日調子よく乗っていたのに」、エンジンが掛からないと、さあ大変です。 操作上のミスもないし、キルスイッチも”RUN”(orON)になっているし問題なければ困りますよね。
走行中エンジンが止まった よくあるのが「ガス欠」。しかし、このほかにもいろいろなケースで止まっています。初心者のうちはただでさえ、周囲に気遣って走っているのに、突然の事に「あらー、どうしよう」と、パニックに近い状況になるかもしれませんね。 それでも、冷静に状況把握をしておきましょう。それが再始動の解決に有効な場合もあります。
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