あなたはバイクで転んだ経験有りますか? 
転ぶ直前どこを見ていましたか? 記憶をたどってみませんか。
転ぶ原因はいろいろです。オーバースピードでカーブを曲がりきれずに転んだり、前輪のブレーキを強く掛けすぎたためにスリップしたとか、雨降りも転びやすいですね。
また、「カーブの途中でフラフラするのよねー」と、コーナリングは苦手と言われる方は多いと思います。でも、基本を守ればそんなに難しいことでは有りません、ただ一つ「勇気」が有れば・・・

転ぶ前の視線が命取り
”危ないっ!”と、思ったとき、そこがカーブなら外側を見ていませんか。本当はカーブの内側に走っていきたいのですが、視線というのは怖い方に向いてしまう皮肉なことが起きてしまうもの。怖いと思いながらもつい観てしまう映画みたいにね。視線が危険な方に向いてしまうとどうなるのでしょうか?

体というのは、視線(頭も)が向いた方向に胸や肩が動きます、するとハンドルまで自然とその方向へ向きます。カーブをうまく曲がっているときは走りたい方向に「目」が向いているはずです。ところが、一つのミスから「危ない!」と、感じるとどこへ転んだりぶつかったりするのかと言う不安からカーブの外側を見つめてしまい、目がそこから離れず、結局はぶつかってしまうまで見続けてしまう。

その様な状況になったら「チラッ!」と見るだけにして安全な逃げ場を探して下さい、そうすると不思議と回避できることが多いのです。勇気を持って周囲を見て下さい。

F-1や2輪のトップライダーのレースを見ていると、まあよく先を見て走っているものだと、感心するくらいです。コースアウトやオーバーランしたときの危険回避への状況判断はすばらしい物がある。結局それは周囲をよく見ているからこそ出来るもので、いかに「視線」が大事かがお分かりいただけるでしょう。

カーブをうまく回るには
カーブを曲がるときの進入スピードは個人の技量や道路状況・交通状況等に関わるし、ロードバイク、アメリカン、オフロードバイク等、バイク特性でも変化する。だから、一様には言えないが、もっとも基本的な走り方は以下の二つだ。

スローインファーストアウト カーブにゆっくり進入し、スピードを上げながらカーブを出ていく
アウトインアウト カーブの外側から内側に、カーブ出口では外側に進路を取ること

スローインファーストアウト
それは、「スローイン」でややゆっくり目にカーブに入っていく、勿論アクセルは閉じ気味にエンジンブレーキを掛けているし前後のブレーキも掛けている状態である。充分に曲がれる速度に合ったらフロントブレーキを離してアクセルを少しずつ開きスピードアップを図りつつカーブを抜けていく、これが「ファーストアウト」。この間目線はずっとカーブの先の方を見つめたままだ。そうすることで体は自ずとカーブの内側に向きバイクもその方向へ走ってくれる。

アウトインアウト
は、カーブを大きく使う一つの工夫である。ブレーキング中はアウト側いっぱいに、充分にスピードが落ちたらエンジンブレーキを掛けつつカーブの内側にバイクを傾ける、一番内側にまで入ったらアクセルを開きつつカーブのアウト側へ車体を起こす。このセオリーにのっとってライディングすればカーブの途中でバイクがフラフラとする事はない。カーブの途中でアクセルを開いたり閉じたりするとバイクは不安定になりやすいのです。

カーブでのふらつき
が起きる要因の一つにスロットルの開閉を繰り返すこと。
カーブの途中でスロットルを開け閉めすると、バイクの動きに乱れが生じます。ただでさえ傾けて走っている不安定な状態でスロットルの開閉を行うとさらに大きな乱れが生じ、それが元でまた更にスロットルを閉じたり開いたり、その繰り返しをしていないでしょうか?

このふらつきを無くすには、意識を持ってスローインファーストアウトの基本操作を行うことと、カーブの大きさに合わせたスピードコントロールを身につけようとする努力が必要です。

ハンドルを切って曲がる? 傾けて曲がる?
バイクが曲がって行くにはハンドルを切る? それともバイクを傾ける? どっちでしょう。
答えは”併用”が必要です。どちらのウゥイトが高くなるかはカーブの大きさと速度による。速度が高くなるほど且つカーブがきつくなるほどバイクを傾けるウェイトが高くなる。つまり、遠心力が強く働くほどにバイクの傾きが大きくなると言うことだ。「曲がりきれない」というのはバイクの傾けが足りないかスピードが高すぎるかのどちらかだ。

ハンドルを切って曲がる状況というのは低速度で走っている際に進路を変更する場合が当たります。

カーブをうまく回るには
そのカーブがどの位のスピードで回れるかと言う経験を沢山積むことは当然必要で、より効果的に経験できるのはツーリングに出かけることだ。
これらの複雑な動作を、一連のスムーズで自然な動作にするにはツーリングによる訓練が一番なのだ。

1999年7月作成 2004年1月更新
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