今年は、Macintosh誕生から20年

2004.10.23
初代マッキントッシュ

Macintosh(マッキントッシュ)は、20年前の1984年1月24日にデビューした。 IBM-PCにPC-DOSを乗せたマシン、日本ではNECのマシンにMS-DOSを乗せていたころは、 ユーザは、DOSコマンドをキーボードから打ち込む日々が続いていたのだが、 それが、マックではマウスをクリックする方法で、パソコンを動かせた。 なんだか、違うパソコンみたい。マックの兄か姉かにあたるLisaの登場はもっとすごかった。当時、あれを見て「欲しい」と思わなかった人はいないだろう。

マウスも、尻尾がある方から握るのかあーと思いこんだりして、遠い国からの情報を眺めていた。マックが生まれて20年にもなる。!!!!

そんなになるのか。一時は、アップルも終わり!倒産するのだろうと予想したものだったが、よくぞ生きていてくれたと言いたい。私は、1989年頃大学の校費を使ってMacSE30を購入した。ハイパーカードがあった。Common Lispも動いた。新しい時代が来たようだった。その後、Mac IIを調達した。漢字Talkを使って、日本語も少しは上手になった。バブルジェットプリンタでプリントすると、仕上がりがとてもきれいだった。マルチサイズの文字、マルチフォントの文字。まるで印刷所で作ったようなプリントができた。1992年頃のことだった。これがデスクトップパブリッシュというものかと、悦に入った。しかし、プリンタの速度は極めて遅かった。1ページの印刷に、コーヒーが飲めるほどだった。それに、Mac IIの画面のカラーの色がとてもきれいだったことが印象的だった。

なぜ、今頃こんなことを言うのか? このところ、私は、ITの起源を遡って調べているのだが、 そうすると、現在のITの出発点はゼロックスのパルアルト研究所のアラン・ケイたちのALTOというコンピュータにたどり着く。 これは1973年に完成している。ビットマップディスプレー、マウス、GUI、オブジェクト指向プログラミング、ネットワーク。 これだけのものが実用になっていた。こんなすごいコンピュータをゼロックスは、商品化しなかった。 それで、このALTOが忘れ去られようとしている時に、これを発掘したのが、アップルのスティーブ・ジョブスだった。 ひらめきで、ALTOを理解したようだった。ALTOをまるごとコピーしようとしたのが、Lisa。 これは値段が高すぎて売れず、失敗。それでもあきらめないジョブスは、自社内の他のプロジェクトを乗っ取って、マックを完成させたのだった。 ALTOではないが、ALTOのGUI精神を継承するコンピュータだ。マックがあるから、Windowsもある。この2つは、ALTOを継承する兄弟なのだ。それにしても性格がまったく違うけれどね。

斉藤由多加著「マッキントッシュ誕生の真実」毎日コミュニケーションズ、2003年

という本がある。これは10年前に出版された同名の本の復刻版だ。価値が減っていない。多くのコンピュータの本は、時代の推移とともに、無価値のものなるけど、これはなお価値がある。上記の本のリンクに飛べば、本の内容がWebに公開されている。読むだけの価値がありますよ。