@ 今日のクリシェ・物質的には豊かだが精神的には
『草日記』の1日分を読みつつ、数年前の朝日新聞に掲載された瀬戸内寂聴の言葉などを思い出しつつ、結局の所、これは昔は良かった式の紋切り型思考停止ワードであるよなあという、いつもの感想を持ってしまうのであった。ちなみに、瀬戸内寂聴いわく、日本人はどんどん悪くなって今が一番悪いんだそうである。わたしゃ戦争中よりゃマシだろうと思うが、精神の有り様の話だから、だいたいが測定不能な話なのである。そんなんでよけりゃ、きっとどんな論だって立てられるだろう。
なんてことはこの際どうでもよくて、わたし、前提として誰も疑っていないような「物質的に豊か」という点に大きな疑義がある。外国に行ったことのない方でも、映画などで欧米先進国の大学や高校、図書館、美術館、飛行場、ホテルといった公共施設を見たことはあるでしょ。「物質的に豊か」とはああいうことではないのか。人工芝の野球場なんてビンボ臭くてイカサマな建築の代表だ。権力が、その権力を誇示する場である裁判所ですら日本はビンボくさいから面白いっちゃー面白いんだけど。
そこで、わたしは一つの仮説を立ててみる。もし、日本人が精神的に豊かではないとするならば、それは物質的に豊かではないからかもしれない、と。
|