■大統領選挙
2000年11月7日、私がサンノゼ暮らしをはじめて1年もたたないうちに大統領選挙があった。4年に1度しかないイベントを目の当たりにできて、ちょっとラッキーなんて思っている私である。
日本にいたときにも大統領選挙の年になると、ニュースでたしか選挙について説明していた。ふ〜ん、なんて思いながら見ていた記憶があるけれど、まったく覚えようと思わなかったし、ほとんど興味もなかった。でも、実際にアメリカで新聞をみたりニュースを見たりしていると、なんだか妙なシステムであることだけはわかった。次にこのページが参照されるのは4年後かもしれないけど(そして、その時には私はすでに日本に帰っちゃってるかもしれないけど)、なんとなくシステムがつかめたので書いておいてみよう。
●Political Party(政党)
アメリカには2つの大きな政党がある。1つは共和党、もう1つは民主党。概要は次のような感じ。
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それ以外にもGreen Party(今回はNaderが候補者)、Reform Party(今回はBuchanan)などもあるけど、体制に影響なし(笑)。いや、今回はGreen Partyがゴアの票を取っちゃったとか、そんな話題にはなてたかな。
●Voters(投票者)
日本には戸籍制度という便利なものがあるけれど、そういう制度がないアメリカ。投票のお知らせは誰に届くのか…? アメリカ市民権を得ていても「投票人登録」をしないとダメらしい。アメリカ市民になっていても、アジア人、ヒスパニック系、黒人系の人たちは選挙人登録をしてないことも多らしい。登録していなければ選挙に参加することもできず、自分たちの意志を伝えるすべもない。選挙の前には「選挙人登録をしましょうキャンペーン」も活発になるらしい。
●Electoral Collage System(選挙人制度)
大統領選挙は日本の首相を決めるのとちがって「国民が直接選ぶことができる制度だ」と聞いていた…けどちょっと違う。その「ちょっと」が、このElectoral College制度。
投票日に投票者は大統領候補者を選び、票は州ごとに集計される。その後、各州が持っている議席と同数の選挙人が12月に投票を行い、それで大統領が決まる。ほぼ全ての州(2つの州だけ例外)で、選挙人は全員その州で勝った候補者に入れることになる。
…と書かれるとよくわからないよね。私もわからん。だから、今までずーっとわからなかったのだ(笑)。選挙人…なんて言葉を使うからわからなくなるので、ここでは「州の持ってる票の数」と考えてしまうことにしよう。
まず、各州には人口に応じた数の票が与えられている…と考えて欲しい(実際には人口を考慮した下院議員の数と各州から2人ずつの上院議員の数を足したもの)。人口を考慮しているので格差はすごい。たとえば一番多いカリフォルニアは54票、テキサスは34票、モンタナやワイオミングは3票。2000年の選挙で大騒ぎになっているフロリダは25票を持っている。ふむふむ、ここまでは問題ないよね。
さてと、選挙の日に集計された投票者の票はその日のうちに開票がはじまり(というのかパンチカード式なので機械でじゃかじゃかじゃか〜と読み込まれるんだけど)、不在者投票や在外投票者の票の一部を除いて、ほとんどが集計される。そして、各州でどの候補者にいちばん票がたくさん入ったか結果 が出る。たとえば、2000年の選挙でのカリフォルニアではゴアが54%を獲得して勝ち、テキサスではブッシュが59%を獲得して勝った。
さて、実際の大統領を決めるための票がどうやってきまるのかというと、カリフォルニアでは54%でゴアの勝ちだから、カリフォルニアに与えられている票の数(Electoral Vote)54票は全部ゴアのものになる。テキサスではブッシュが勝ったから、テキサスの票の数32票はブッシュに入る。こうやって各州ごとに「どっちにいれるか」を決めるのだ(実際には、この票を集計するのは来年の1月になる…が、決まってしまえば、あとはセレモニーをこなすだけのことなので開票結果 が出た時点で決まると思って構わない)。
なんかヘンだと思いません? なんでカリフォルニアの54票全部がゴアさんのものになるのか? なんでテキサスの32票全部がブッシュさんのものになるのか? だって、カリフォルニアの42%の人(約400万人分)はブッシュに入れたのに無視されちゃうわけだし、テキサスでゴアに入れた38%の人(約240万人)の票も無視されちゃうわけでしょ?
そう、この数のギミックによって、国民の実際の意志と選挙結果が食い違うこともありうるわけだ。
2000年の選挙の結果は、これを書いている時点では決まっていないのだけど、実際の国民の意思(州を無視して単に票を足した数:popular vote)では、ゴアが勝っている(といっても20万人分ぐらいの僅差だけど)。でもElectoral Voteの数でブッシュが勝てば「ブッシュの勝ち」になるわけだ。
国民の意思(popular vote)とElectral Vote制度の結果が食い違ったことは、過去に3回あるらしい。それは、1824年、1876年、1888年。どれも1800年代。新聞には「時代遅れの制度なでは?」という記事が載っていた。う〜ん、私もそう思うよ。
新聞の記事によると、投票者全員の選挙は混乱を招く恐れがあるため、各州ごとに有識者をたて、その人達が「どの候補者が大統領にふさわしいか」を決めたほうがいいのでは…と考えたのがはじまりらしい。また、その当時は、一カ所に集まって投票ができることも重要なことだったらしい。現在のように、世界で起こった事件の情報が数分後には地球の裏側にも届く社会だけど、当時は全国で同時に物事を進めるのは大変だったんだろう…という予測はつく。現在では、12月に各州の州都に選挙人達が集まり投票をし、この票は1月に上院議会で集計されるらしい。
ここまで人口比率に格差がある現代に、州で分けて票の総取りシステムを使うってのは、1票の価値の意義が問われるんじゃないのか? などと思う私なのであった。
補足:Erectoral Voteを州で全部同じにしない2州というのはメインとネブラスカ。新聞には、選挙区によって分けられている…と書いてあるけどCNNの情報からははっきりわからなかった…。
●不在者投票(Absentee ballot)
当日投票に行けない人のための不在者投票。海外からも、この不在者投票が使えるらしく、どうも「選挙日の当日消印有効」らしいのだ。えっと〜、たしか、今年から始まった日本の在外選挙では「当日必着」じゃなかったっけ? それも「困るよ〜」と思ったけど、来るか来ないかわからない海外からの投票をじっと待ってなくてはならないアメリカのシステムもなんだかね〜。
アメリカ国内での不在者投票も郵便で行われるらしい。ということは、これもまた消印有効。本来なら、開票作業は当日で終わるわけないってことなんだろう。
さらに2000年の選挙で、オレゴンでは投票権を持っている全員に不在者投票の用紙を郵送したらしい。オレゴンの開票がヤケに遅れているのは、これが敗因か? 投票率を上げる方策ではあるんだろうけど、なんか、ちょっと、いい加減だなぁ〜などと思ってみたりして…。いや、考え方によっては、前日までの戦況をチェックしてから投票できるから「当日消印有効」のほうがいいのか?
●おまけ:用語(Vocabulary)
■vote, ballot
名詞ではどちらも投票のこと。どちらも「投票する」という動詞でも使えるらしいがballotは「cast
a ballot」という言い回しが普通のようだ。
■electoral
辞書を見ると「選挙人の」という形容詞。electoral voteで「選挙人の票」、Electoral
Collageで「選挙人選挙制度」。
■margin, gap
別に難しい単語じゃないけど、選挙の記事では「差」のことを、これらの単語で表していた。
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