★ある薬局の辞令★





かつて、自社の経営難から社員の給与改定をするために、ある経営者が社員に提示した辞令である。


○○度支給分給与から、貴殿の給与額を下記のとおりに改定いたします。
別紙雇用契約書に合意の上、今後とも職務に精励され、実力を大いに発揮され、社業の発展に寄与されるよう期待しています。


貴殿の過去1年間の就業実績について、実直な勤務姿勢は評価することができる。
一方、評価に及ばない点があるので、改善を願いたい。
・投薬患者数が少ない。自ら進んで患者指導を行うこと。
・患者様のクレームを薬局の一員として、対応出来ていない。
・業務上の連携(店舗内、社内、処方元医療機関)が取れていない。このため、薬局の信頼を失墜し、医院からこのままでは処方箋発行拒否せざるを得ないとの、申し入れがあった。
・研修内容が業務に生かされていない。
・より自発的な、報告・連絡・相談を望む。
・自ら業務に創造と提案を望む。

○月○日より、上記の事項に特に注意して勤務してもらいたい。


この辞令に疑問を感じた社員は、労働基準局に相談して、数ヶ月後にこの薬局のサポートを終了している。



PS:ちなみにこの社員は転職の会社の紹介により、大手ドラッグストアに高条件で採用されている。
この薬局の場合、薬局は弟が経営し、医院は兄が経営する身内どうしである。要するに身内の ”一人芝居 ”である。