


| 『山登りは、健康への効果が期待できます。』と語るのは、鹿屋体育大学の山本助教授です。長時間続けて運動できる登山は、脂肪を燃やす有酸素運動になるからだそうです。 有酸素運動になるコツは、平地を歩く速さの半分から三分の一にとどめること。それに脂肪を燃やし続けるには炭水化物が必要なので、意識してお菓子やおにぎりなどで補給することです。強度がある限界を超えると無酸素運動になります。脂肪は燃えなくなり、血液中に乳酸が増えて疲労が増します。こうなると健康には悪い影響しかありません。 限界を知るには、一分間の心拍数が目安になるといいます。40才なら135、50才なら128。立ち止まって手首に指を当て、15秒数えて4倍すればいい。超えているなら、休んで落ち着くのを待ちます。慣れれば計らなくてもペースを維持できるようになります。 心拍数に注意するのは、心臓への過剰な負担による突然死を避ける意味もあります。日本登山医学研究会幹事を務める大野杏林大学教授は、40才以上で山登りを始める人に、運動負荷心電図やホルダー心電図は一度受けるように助言しています。「若い頃と同じ調子で登れると甘く見ないほうが良い。突然死には、何らかの予兆があることが多い。」 給水はこまめにしましょう。ゆっくり登っても、大量に汗をかくので脱水症状を起こしやすい。すると血液が固まりやすくなり心筋梗塞や脳梗塞につながります。水は、早め早めに、喉が渇き始める前に飲みましょう。尿の色の濃さも一つの目安になります。休憩も定期的に取るようにしましょう。 標高が高くなるほど酸素濃度は低くなることも頭に入れておきましょう。1,000メートルで10%ほど減ります。登山で脂肪が減るのは、運動に加えて低酸素により代謝が盛んになることも要因と考えられています。老化などに関係する活性酸素も発生しやすくなるが、ペースを守れば抑えられます。たばこを吸わず、ビタミンEなどの抗酸化物質を取ることが大事です。 下りは登りに比べて息苦しくは無いが、足の関節や筋肉を痛めやすく思わぬ事故に繋がることもあります。40才以上の登山者のアンケートによると、7割が何らかのトラブルを訴えていたということです。ひざが痛む24%、脚がガクガクする23%、筋肉痛16%。下りで起こる症状が目立った。 下りる動作で足の筋肉を伸ばすため、筋力不足の人は細胞が壊れやすい。これが筋肉痛の原因です。太ももを普段から鍛えておけば対策になるでしょう。坂道でのウオーキングと筋力トレーニングが良いでしょう。 |
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| 歩き始める前にしておきたい軽い準備体操 登り始める前に、ある程度体を温め、動く準備をしてから歩き始めるべきでしょう。体を伸ばし、首を回す、ヒザを屈伸させる、上体を前に曲げ、後ろにそらす、腰・足首を回すといった軽い運動をするだけでいいでしょう。そして、最後に深呼吸。5分位で十分です。それだけで体が温まり、血行が良くなり、気分もしゃきっとしてきます。また、心にゆとりも出てきます。 快適な山歩きのためのザックのパッキングのノウハウ 決して無理せず、かといって消極的でなく、自分のペースで山を楽しみましょう。トラブルが生じたら適切に対応し、ときには道草もいいでしょう。厳しい自然は人を鍛えます。美しい自然は人の心に豊かさを与えます。 |

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2000メートルを超える地域への旅行には高山病の危険 |
| 最近は世界各国の様々な場所へ旅行することが出来るようになりました。かつては一部の登山家や特別の目的を持った人しか行かなかった高地にも、飛行機やヘリコプターなどを使って簡単に行けるようになってきました。ところがその結果、旅行者本人が意識せずに標高の高い地域に滞在することにもなっているのです。高山病というと特別な登山家だけのものと思われがちですが、1800mから2500mを越える地域への旅行には高山病の危険があります。日本では富士山の五合目で2300m、頂上で3776mですから、富士登山をされる方でも高山病の危険はあります。 | |
| ● | 高山病のかかりやすさは生まれつき |
| それではどんな人が高山病にかかりやすいのでしょうか。それは実際に行ってみないと判らないのです。 この高山病になりやすいかどうかは、それぞれの個人による差が大きく、なりやすいかどうかを調べる方法もありません。また、今までの経験によれば、高山病のかかりやすさは生まれつきのもので、次第になれることもなく、トレーニングによって改善されることもありません。 もしあなたが、うっ血性心不全や呼吸不全の状態であれば、このような高地への旅行を決める前に主治医の先生に相談することをおすすめします。担当の先生が高山病に対してよく判らないとおっしゃったら、日本旅行医学会や旅行医学に詳しい先生とご相談ください。 狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の方は、高山病が発生する危険度に通常の方と差はありません。ただ、もしその発作が医療施設の不十分な遠隔地で起きた場合には、適切な治療を受けられるのかどうかという心配が残ります。 |
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| ● | 高山病の症状 |
| 高山病は山酔い (AMS), 高地脳浮腫 (HACE), それに 高地肺水腫 (HAPE)という大きく3種類の症候群に分けられます。 山酔い(AMS)は一番よく見られる症状で、1200〜1800mの高度でも発症し、2700m以上の高さに急にのぼったときによくおきます。症状は二日酔に似ていて、頭痛や倦怠感があり食欲がなく、吐き気があり時には嘔吐します。この山酔いの症状が現れるのは遅く、普通高地に到着後6時間〜12時間後に始まります。 高地脳浮腫(HACE)は山酔いが激しくなったものです。山酔いの症状に加えて倦怠感が強くなり、考えがまとまらなくなり、縦列歩行テスト(タンデムテスト)で運動失調が見られます。縦列歩行テストとは、まっすぐな線上をかかととつまさきを交互に接触させながら歩く検査で、高地脳浮腫(HACE)があるかどうかを見分けるのにはもっとも良い検査です。この縦列歩行テストを行って線からはずれるようなら高地脳浮腫(HACE)があると考えて、すぐに高度の低い地点におろすべきです。 高地肺水腫 (HAPE)は単独でおきたり、高地脳浮腫と一緒におきてきます。最初の症状は運動をした時の息切れが激しくなってくることです。そして、次第に安静時にも息切れがひどくなってきます。通常は数分安静にして息切れがなくなるかどうかで診断できます。この時点で、高度の低い地点におろすことが絶対に必要です。 |
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| ● | すぐに高地から下りれば死ぬことはない |
| 高地を旅行する方に高山病について一番理解しておいて欲しいことは、高山病を完全に予防することではなくて、高山病で死なないことです。高山病の症状の発現や病気の進行は非常に遅く、十分予測が可能です。天候に遮られたり地理的に下へおろすことが不可能であるような条件がない限り、きちんとした対応をとれば高山病で死ぬことはないのです。 高山病で死なないために知っておいて欲しいのは次の3点です。 1:高山病の早期症状を知って、その症状の出現が判るようにする。 2:高山病の何らかの症状があったら、それ以上高い地点に上がらない。 3:同じ高度で休んでいても症状が悪くなったら低い地点に下りる。 おかしかったらすぐに低い地点まで降りるというのが鉄則です。周りの人と歩調を合わせようというのが一番危険です。 |
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| ● | 団体旅行の方が危険!? |
| 調査によると、高度の高い地点への旅行では団体旅行のほうが個人旅行よりも高山病で死にやすいといわれています。たぶん団体としての重圧があったり、日程に余裕がないためでしょう。どのような状況にあっても、ひどい高山病とならないためには、高山病の症状がすっかりおさまるまでそれ以上高い地点に登らないことです。命の方が大切ですから。 | |
| ● | 子供と妊婦 |
| 子供は成人よりも高山病にかかりやすく、また小さい子供は高山病でみられる食欲不振や倦怠感などの不定愁訴をうまく話すことができません。また、妊婦については高地に短期間行った場合の胎児への影響についての研究や報告はありません。しかし、ほとんどの専門家は妊婦はできるだけ3600m以下にいることを勧めています。 | |
| ● | 高山病予防の一番良い方法は、ゆっくりとした計画 |
| ほとんどの旅行者にとって高山病予防の一番良い方法は、ゆっくりとした計画を組むことです。 |