2001.6.3

 

今回同行した友人Mは、若い頃(苦笑)一緒に、ちょっとした山登りをした仲間である。当時二人で北アルプスの奥穂岳に登った時、山頂付近で、しょいこに1、2才の子供を背負った女性を見掛けた。「子供が生まれても、あーやって山に来れたらいいね!」なんて、憧れたモンだ。だが、いざ自分がその位の子持ちになってみると、あの女性がいかに凄かったかがわかる。

こんな重いヤツを背負って登山する体力がもうない!山に行くにはそれなりの持ち物が必要(食料、雨具、着替え、火力やら食器、シェラフ等)なのに、子連れというだけで信じられない位荷物が増えるモンである。どうやったって持てない!山に行って子供の危険を回避出来る程、我々は山の経験が豊富ではない!等・・・。

それでも子連れで野歩きしたかった我々が選んだのは箱根。遊歩道もたくさんあるみたいだし、のんびり歩けるところに行こうね!などと言いつつ出発した。もちろんアクセスは車。母子2ペアで電車はしんどいもーん!

出発前の風景。キャリアでBAKA面のはる。

当日の天気は快晴!車に2つのチャイルドシートを設置し、東名→小田原厚木道路→箱根に到着。道はすいていて、あっというまに着いてしまった。車中で、

「げげ、もう着いちゃうよ!最初はどこを歩く??」

などと、計画性のなさがむきだしである。

「ここ、車止められるから行ってみよ!」

と決めたのは、金時神社から金時山に登るコースであった。

車を置き、荷物をキャリアに積め(飲料水{頂上分のビールを含む}、ちょっとした食料、雨カッパ、着替えにオムツ)コース図を見る。

「げー!!ずっと登りだよ!山頂付近の等高線もけっこう急だし・・・。」

「とりあえず行くだけ行って、駄目なら戻ってこよ!」

そういうことにし、互いにキャリアをせおって歩きだす。背中の子供達は、わけわからずに揺られている。登山道は、それなりの道で、木の根を超え、岩を超え、、、であった。重い重い重い!

たまに背中にむかって、「ハル、ちょっと歩いてみよっか??」と訪ねるが、「抱っこがいい。」と埒があかない。

道中、たくさんの人にすれ違ったが、(主に中高年登山愛好家のみなさん)そのほぼ95%の方々に、

「ありゃ、赤ちゃん背負って。んまぁ、元気だねぇ。」

「大変だねぇ。」

「お母さんは強いねぇ。」

などの言葉をかけてもらう。こうなると、意地でもがんばってしまうのである。

とりあえず、稜線の景色のいいところまで、がんばろう!と言い合い、ひたすら登る。(結局山頂までがんばってしまったが。)

稜線に出て一休みしていると、かなり近いところまでヘリコプターが近づいてきて、ホバリングしている。乗り物大好きのハルは大喜びである。

「この雰囲気、遭難??」

「どう見ても、探してるって感じだよねぇ。」

誤解されると困るので、ハルに、「手を振っちゃダメだよ。誰か探してるみたいだから。」といいきかす。

途中、山岳警察???のような人々にすれ違う。どうやら、行方不明者が出ている模様。無事だといいけれど・・・・。やっぱり山を舐めてはいけないのである。

山頂でのひととき。

そして、山頂に到着!!ここで飲む到着ビールの味は格別なのである。このために登ったといっても過言ではない。子供達も景色を堪能しているようにみえる。ハルもご機嫌で、あちこち見ている。山頂には茶屋があった。冷たいビールも売っている。

「なんだぁ。ビール1本分、ザックを軽くしてこれたなぁ。」

そして下り。登りよりも神経をつかう。転んだら、子供共々・・・である。慎重にならざるおえない。ゆっくりゆっくり。いいかげん、足がわらいだす。

「あー早く降りて、温泉入りたいー!!」

コース図よりかなりオーバー目の時間をかけて、ようやく無事に金時神社に到着。無事でなにより・・・である。

その後、宿を目指して走行中、車のリアゲートをガードレールにぶつけ、我が家のセレナちゃん、とほほほ状態になってしまうのであるが、このときはそんなこと知る由もなかったのであった。