Hokkaido 2000

 

8/21
自宅〜大洗FT(茨城県)

   
  2等寝台はこんな感じ、せ、狭い。 

 さあ、待ちに待った北海道、ぴーちが仕事から戻ると大慌てで出発です。自宅から大洗FTまで高速で約2時間の行程。埠頭に停泊している「さんふらわあ・みと」号を前にハルは若干緊張気味、暗いせいでしょうか。ほぼ定刻に出航となりましたが、2等寝台は5割の入りで、4ベッドのコンパートメントは我々のみ。

 話は逸れますが、長距離フェリーで子供を連れていくときは、1等(個室)がよいと痛感しました。2等はただの「人間倉庫」なので、子供に夜泣きされると廊下じゅうに響き渡ります。ハルは未明のシャウト(一晩に3,4回)を日課としており、隣との壁なんか気休めにもなりゃしません。ベッドも狭く添い寝だと親は寝返り打てず。料金は倍ほどになりますが、次からは1等にするっす。

 

8/22
大洗FT〜苫小牧FT〜道の駅樹海ロード日高

 日中は機嫌も良く、とにかく歩きたがるハル。波は穏やかながらやはり船は揺れるもの、ヨタヨタしつつ壁にぶつかったりするので目が離せません。出航後約20時間で苫小牧西港に入港。港近くのコンビニで食料&ガソリンを補給し、いよいよ北海道へ走り出します。

 時刻は21時を回っていたため、慣れない夜道を長距離走るのをやめ、初日の目的地を日高町の「道の駅」に決定しました。走り出すとハルはすぐに寝てしまい、目的地まで一気走り。

 道の駅に到着後、さっそく車中泊の準備に取りかかります。登山用の小さなテントを隣に張り、貴重品以外の荷物は全てそこへ。さらにこのときのために買った「フルフラットマット」で車内をベッドルーム化します。チャイルドシートからおろすときに目を覚まして少しグズったものの、なんとか準備完了、明日に備えて就寝。

 深夜、激しい雨の音に目を覚ましました。なんと外は豪雨! これは予想していなかったので、大慌てでテントに雨対策。やれやれ・・・と思ったのもつかの間、今度はハルの夜泣き攻撃。結局ぴーちが外で抱っこしている間に東の空がうっすらと明るくなってしまいました。やはり1歳児と車中泊はしんどいですね。おまけに道の駅は長距離トラックやバスが一晩中エンジンかけっぱなしで泊まっているので、風向きを考えないと排気ガスでえらい目に遭います。

 

8/23
道の駅〜日勝峠〜池田〜足寄〜阿寒〜弟子屈〜クアハウス屈斜路〜山賊

 パンとヨーグルトの簡単な朝食を済ませ道の駅を出発。日勝峠を越え、帯広市街を道道でバイパス、池田の町で小休止です。コンビニの駐車場でハルが転んで後頭部を打ったためちょっと心配しましたが、小さなタンコブを作っただけですみました。

 松山千春の町・足寄(笑)でちょうど昼になったので、ライダー仲間オススメの駅前「大阪屋食堂」へ。勧められるままに「みそ焼き肉定食」をオーダー。北海道で焼き肉といえばもちろんジンギスカンです。帰り際におばちゃんが温かいコロッケをくれました。旅人のココロにはこういう小さな親切がずーっと残るものです。おいしいコロッケをありがとうございました。ハルもたくさん食べました。

 阿寒横断道路を一気に駆け抜けて弟子屈、屈斜路湖畔の公営温泉「クアハウス屈斜路」へ。蒸し湯→寝湯→打たせ湯で長距離移動の疲れを一掃、ぴーちはマッサージイスと合体。この日は毎年お世話になっている川湯駅前の民宿「山賊の根城」泊です。帰省する田舎のない僕らにとって、ここは故郷みたいなもんです。いつもながらの温かいおもてなしに感謝です。

 

8/24
山賊〜碁石浜〜砂湯〜中標津〜裏摩周〜神の小池〜緑〜山賊

 
   これぞ道東!って雰囲気です。

 この日はあまり移動せずに、ハルを遊ばせてやることにしました。知る人ぞ知る屈斜路湖の秘密スポット、碁石浜を目指します。途中、景色のいい場所で記念撮影。

 なんでも屈斜路湖には大戦中の毒ガス兵器が捨てられているという噂があるらしく、湖畔林道の入口は塞がれていました。野上峠林道経由でなんとか林道にタッチ、ダートを走ること数キロで碁石浜に到着。しかし水位が高く浜が水没していたため湖水浴は断念しました。ハルはダートの揺れにもかかわらず寝てしまっています。うち寄せる波の音と蝉の声、澄んだ水。ここは観光バスが入ってこれないので本当に静かな屈斜路湖を満喫できます。

 その足で砂湯へ。さすがにこちらは観光地だけあって人も多く、水もやや濁り気味。湖畔の砂をちょっと掘ると温かい砂の層がすぐに出てきます。そのため水温が高く湖水浴には好都合です。水遊びの大好きなハルもうれしそうに遊んでいます。


 さて、遊んだあとは中標津の回転寿司へ。北海道の回転寿司はネタが大きいのが特徴です(例外もあるかもしれんが)。イクラ、ホタテ、サンマ刺身、中トロなどを攻撃し、2人で4000円。帰り際に裏摩周展望台へ。霧もなく湖面がよーく見えましたが、晩婚はもう関係ないのでR。しばらくすると観光バス軍団が来たので退散。

 続いて神の子池、数年前に人知れず発見されたこの泉も今やすっかり観光地になってしまいました。澄んだ水の美しさは変わっていませんが、大きな駐車場が出来、周囲を踏み固められた姿は痛々しくもあります。

 
 いつか金を投げるバカが現れそうで心配です。

 さて、緑駅でハル&ぴーちは釧網線の列車に乗ることにしました。僕は釣りへ。ハルはあこがれ?の釧網線に乗って、「デンシャぁ〜、デンシャぁ〜!!」と大興奮だったとのこと。

 

8/25
山賊〜斜里〜ウトロ〜知床五湖〜羅臼〜緑〜山賊

 知床へ足を伸ばしてみることにしました。川湯からウトロまで約2時間の行程。峠の登り口にあるビジターセンターでヒグマ情報を入手・・・したかったんですが、完全に土産物屋化しており肝心のクマ情報はあまり得られず。裏手にある「鳥獣保護センター」で目撃情報の確認、五湖はとりあえず大丈夫そうです。

 しかし五湖駐車場は大混雑。もはや知床は半島先端部を除いて秘境でもなんでもありません。サンダルやハイヒールのおねえちゃん達が闊歩する「道東の軽井沢」。もうこれ以上道路が奥へ延びないことを願うばかりです。観光バス軍団に追いまくられるように1、2湖を回り、逃げるように帰途につきました。羅臼の食堂で遅い昼飯を摂取の後、運転をぴーちに代わってもらい、山賊へ戻ります。途中、「緑の湯」に立ち寄りリフレッシュ。その後前日同様に緑駅で分かれて僕は斜里川へ釣りに向かいましたが、釣果はサッパリ。

 

8/26
山賊〜阿寒〜足寄〜池田〜十勝清水〜日勝峠〜鉄道記念公園〜二風谷〜富川〜湯らり〜苫小牧FT

 流星のごとくに過ぎた夏休み。もう帰途につかねばなりません。今年いっぱいで川湯から引っ越してしまう「民宿・山賊の根城」ともお別れです。ご家族のみなさんが、いつものように僕らの車が見えなくなるまで手を振ってくれます。思い出をたくさんありがとう。これからも我が家をよろしくお願いします。

 この日は1日中雨でした。阿寒〜オンネトー間で、観光バスと自衛隊トラックの事故現場に遭遇しました。まだ救急車も到着しておらず、ガラスの飛び散った路面が事故の生々しさを伝えています。バスは道からはじかれて森の中に突っ込んでいます。後になってたくさんの人が怪我をしたことを知りました。しかしそんな事故を見た直後でも、北海道のドライバーは無茶苦茶な運転をします。雨の中での強引な追い越し、そして割り込み。後続車に危険な思いをさせて何とも思わないの?東京で同じ事やったらボコボコに殴られるよホント。

 帯広の市街地は、なんと高速道路でパスしました。北海道で有料道路なんて勿体ない!というなかれ。帯広を通過するのって、以外に時間がかかるんですよ。途中のサービスエリアでフェアをやっていて、アンケートに答えたらゆでたてトウキビやらタオルやらビニールバッグやら、いろいろ貰ってしまいました。さらに抽選で40名ほどに北海道特産品が当たるらしいのですが、ただでさえ殆ど車の通らない道東自動車道、これはもしかして当たる確率「大」ってやつか? 昼食は日勝峠の「清水ドライブイン」で名物の牛トロ丼を摂取。なるほどねーという旨さ。

 車に乗ってばかりで退屈気味のハル殿様のために、振内の鉄道記念公園に立ち寄りました。公園とはいっても、廃線に列車が置いてあるだけなんですが、殿様はライダーハウスになっている客車を見て大興奮。

 二風谷のアイヌ記念館と巨大なダムを見た後、いよいよ苫小牧に入ります。i-modeでライダー仲間に聞いていた温泉健康ランド「湯らり」にピットイン。フェリー埠頭からすぐの場所にあり24時間営業、時間調整にもってこいです。しかし「薬湯」につかりすぎると大事なアソコがヒリヒリアッチッチ化するので気を付けよう!

 この日のフェリーは全等級満席。同じ頃に道内を回っていたライダー仲間のN嬢が見送りに来てくれていました。疲れているのにありがとう。フェリーは車の積み込みに時間が掛かったため、定刻より1時間ほど遅れて出航。さようなら北海道。

 

8/27
苫小牧FT〜大洗FT〜自宅

 フェリーの20時間はかなり暇です。基本的には食うか寝るかしかありません。それでもハルは「散歩だぁ〜」と要求、拒めばもちろん号泣。ぴーちと交代でハル殿様の太刀持ちです。

 大洗FTには19時30分頃の到着となりました。車で走り出すと同時に眠りに落ちるハル&ぴーち。途中で夕食の予定でしたが起きているのはドライバーの僕だけということで、一気に自宅まで走りきりました。帰宅すれば荷物の整理そして洗濯・・・の厳しい現実。


北海道6泊7日(うち道内4泊5日) 総走行距離 1700キロちょっと

費用概算     フェリー  55000(2等寝台・往復・大人2名)
         宿     26000
         食事 20000
     ガソリン・高速道路 20000
     その他(土産代ほか)10000