夢見る女、怒る女、イキのいい女、憧れる女
さまざまな朝と、それぞれの女たち
毎朝、この時間から〈生〉は積み重なり
女たちの一人一人つくられてゆく
朝起きる。そこから1日の人生がはじまるという点で
は一致しているように思えるが、決してそうではない。
この女性作者の各作品を読んで大いなる発見をした。
男性たる私は、他者の世界に入り込んでしまうと容易
に抜け出すことはできないが、女性は雌雄同体の如く
入ったり出たりすることができるのだ。
*藤本義一先生に跋文を
書いていただき、そこから
帯に抜粋した文章です。
ラッシュアワーの朝の梅田の交差点の人波に乗って歩いていると不思議な気がする。この人たちは地の底からこつ然と湧き出たわけではない。
この人たちすべては家族や家庭というものをそれぞれに背負っている。男も女も同様に、確かに朝起きて、どこかの家から、寮から、アパートから、マンションから出て来たに違いない。
私たちが集まって1冊の本を出そうと決めたとき、「女たちの朝」というテーマに絞ることにした。
女たちはどのような朝を迎えているのか。
これを書くことにより、一人の女の人生が浮かび上がるに違いない。家のなかで、仕事の場で、老人ホームで、ホテルの1室で、と朝迎える場所はいろいろであるが故に、人生模様もさまざまである。
しかもいろんな女たちの朝が集まって、ひとつの大きな人間賛歌の鎖になれば、作者一同これ以上の喜びはない。
ここに描かれた人は、作者の父、母であり、また、姉妹、兄弟、友人、そして自分自身でもある。
作者である私たちは、物を書く女たちの集団、その名も「颯女の会」。サッジョとはイタリア語で元気のいい女を意味する言葉。「青踏」のブルーストキングの意味もあるとか。
藤本義一氏が総長をされている「心斎橋大学」でものを書くことを学んだ仲間であり、「書いてなんぼの世界やで」という師の教えを今もなお頑なに守り、書き続けている。
元気印の、年令も職業も個性も違う女たちが、お互いの原稿を読みあい、何度も書き直して、ようやく出版が実現した。この本が私たちの「颯女の会」の終点でなく、出発点になることを心から祈りたい。
4年かかりました。出版社の倒産ということを乗り越えて仲間が粘り強く交渉を重ねてくれました。わたし自身は、何も書けないくらい、生きているのが精一杯というときに、原稿を書かなければなりませんでした。何度も辞退を申し出ようと思いました。一緒に書くことを学んだ仲間に助けられ、編集の横井さんには的確なアドバイスをいただいて、ようやく原稿を書くことができました。送られてきた梱包をとくときのドキドキした感じが嬉しかったです。電子媒体もいいけど、紙もいいものです。
あまりに嬉しいので紹介させていただきます。(花子)
AMAZONにて注文できると思います。
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