『雑 らいと』 (91年1月 3周年記念号)

Poem2

かけなれた番号を押す
3回の呼び出し音のあとにきこえるメッセージ
電話のむこうに彼はいるのだろうか
それともほんとうに「外出中」なんだろうか
こたえをあいまいにしておきたいから、
なにも言わずにきる
彼のメッセージにもすっかり慣れた
彼の録音された声をきくために
電話し続けているのかもしれない
そんなあいまいな日々
そして今日も電話をかけている

突然切れたメッセージ
「もしもし」という女の人の声
何も言えないわたし
受話器を握りしめていた
早く切らなければと思うのに身体が
かたくなって、なにもできなかった
受話器のむこうに、無言電話に戸惑う2人の声

しばらく音沙汰のない日々
避けられているのかもしれない
だから忘れようと思っていた
おいかけなかった
それなのに突然、電話がかかってきた
もう1度逢いたいとすがっている自分がいた
そしてまた電話をかけはじめた
留守電の声をきくだけで十分だった
あと1度、逢えればよかった
そんな思いで番号を押していた
そして突然、女の人の声がきこえた

T

U

V

終わりの日

花子のノート
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