まちぶせ 石川ひとみ 詞・曲 荒井由実

 荒井由実(松任谷由実の若い頃)の曲やったんかと。この曲で石川ひとみは、やっとヒット曲にめぐまれたのだったかなぁ。石川ひとみがかわいく歌っているから、あまり感じないけど、歌詞をみたらかなりキツイというか、今でいうところの「ストーカー」違うの?と思いました。この曲が出た頃は、ストーカーという言葉はありませんでしたけど。
 「まちぶせ」という言葉、あらためて使ってみると、そんなキレイなことばではないですよね。どちらかというと、マイナスイメージかな。彼が「あの娘」と逢っている喫茶店へいってみたり、「偶然をよそおい 帰り道で待つわ」と言ってみたり、やっぱり恐い。
 サビで「好きだったのよ あなた 胸の奥でずっと」といいつつ「もうすぐわたしきっと あなたをふりむかせる」というのがホンネですからね。すごいよね。そんな自信、わたしももってみたい。
 TBCのCMで「絶対キレイになってやる」(ふられた女の子が、キレイになって相手を見返してやるというものと、わたしは理解しています)というのがありましたが、わたしは結構、共感できます。キレイになれるかどうかは別として、ふられた相手に対して、「わたしをふったこと、絶対、後悔させてやる」(おぉ、恐い)と思ったことはあるし、採用試験で落ちたとき「わたしを採らなくて損したと、思わせてやる」(やっぱり恐い)と、思ったこともあります。
 「後悔させてやる」というのは、自分をふった彼のことなんかもう知らない、ということなので、「あなたをふりむかせる」ではないんですよね。好きになったら、ふりむいてもらいたいけど、人のキモチなんて、そんなに自分でどうのできるものではないんですよね。自分のキモチだって、全然、コントロールできないのだから。
 それからこの詞で「あの娘」というのは、自分の友達か、それに近い子のように思うのですが、わたしは、自分の友達と付き合った子は、好きになっても絶対に彼にしません。(彼女になれるかどうかということは、このさいおいておいて。)
 そんなしょうもないことはさておき、この曲は「あなたをふりむかせる」というのが、すごい強いキモチというより、「なんとかしたい」という切ないキモチなんでしょうね。石川ひとみのかわいい声を聴いていると、そんなふうに思いました。
 そてにしても、ユーミンは若いときからすごいなぁ。