加藤登紀子さんの作詞、作曲だったんだということで、納得。かなり暗い曲。それを明菜さんが、こわれそうに囁くように歌うから、なお一層のことです。
加藤登紀子さんの歌といえば、わたしは「この空を飛べたら」がもっとも悲しい気持ちを歌っていると思ったのですが、「難破船」も同じくらいやと思います。「この空を飛べたら」って、「この空を飛べたら、あの人の気持ちが自分のほうへむくかもしれない」という歌だったと思うのですが、「そんなん、飛べるわけないやん、だから彼の気持ちも戻ってくるわけないやん!」と。辛い歌を作らせたら、加藤登紀子さんは最高ですね。「この空を飛べたら」が空なのに対して、「難破船」が海というのも、悲しみの永遠の深さのような気がして、これまた暗いです。
実は、この歌の紹介のために歌詞を入力したのですが、打ちながら「そんなん辛すぎ」という感じで、何度も止まってしまいました。
「みじめな恋つづけるより 別れの苦しさえらぶわ」と潔くいいながら、「あなたを追いかけ 抱きしめたい」「あなたを海に沈めたい」とほんとうのところを言っているし、「たかが恋人を なくしただけで 何もかもが消えたわ」って、まさにそうだと思います。だってふられたら、世の中の色が違ってみえてくるし、なんでこんなに生きるのがしんどいんやろうと思います。こんなに頑張らないと、生きれないものなんだと、気づきます。そういう辛かったことを、思い出してしまいました。
(また、思い出して絶句。辛いことが多すぎるぞ!)
でも、辛いことあっても、もうそんなことすっかり忘れて、ちゃんと生きていけるもんですね。
これから恋をする人は、辛いことがあったら「難破船」を聴きましょう。