気温7度、雨、湿度93%、東南東の風0.1m。大粒の雨のなか、60人のランナーが熊日会館前をスタートしました。(招待選手18人、一般参加42人。実業団44人、学生16人)コースは、前半が上り、後半が下りといういわゆる「高速」コース。フルマラソンへの若手の登竜門。学生記録は、平成11年に西田選手(駒大)が1時間30分09秒、10年に藤田選手(駒大)1時間30分21秒、12年に大西選手(駒大)1時間30分38秒と、その後のマラソンにつながっているということも、この大会への注目度のひとつでしょう。大学生の招待選手は、駒大から松下選手、高橋選手、亜細亜大から木村選手、塩川選手、日大から清水選手、中谷選手、中大から藤原選手の7人です。実業団の招待選手は藤本選手(富士通)、加藤選手(ホンダ)、手塚選手(アラコ)、柳谷選手、小西選手(NEC)、中原選手、森川選手(NKK)、田尻選手(黒崎播磨)、山本選手(旭化成)、大津選手(トヨタ九州)、家谷選手(山陽特殊)の11人。招待選手に加わって一般参加の選手も含めて誰が勝ってもおかしくないサバイバルレースが予感されました。
レース前のインタビューでは、藤原選手は「優勝を狙うために前半はゆとりをもって、20キロ過ぎてが勝負」、高橋選手は「駒大のユニホームを着て走る最後のレースなので、楽しんで走るとともに、実業団での走りに結びつけたい」、松下選手は「去年(1時間35分41秒 31位。25キロあたりでおくれる)のリベンジをしたい」ということでした。
先頭をひっぱるのはいずれも地元出身の松下選手、椎葉選手(西鉄)。松下選手が先頭をひっぱるのを嫌ってか、後ろを若干気にしていました。藤原選手は6番目くらいで、前の様子を冷静にみているという様子でした。1キロは3分10秒とややスローペースでしたが、3キロで9分と、キロ3分ペースになりました。
5キロ手前で手塚選手が前に出ました。そのあとに松下選手、高橋選手、藤原選手、地元出身の田尻選手、山本選手、清水選手、加藤選手と、竜田のこせんきょうを上っていきます。(5キロは15分9秒)
先頭は次々と入れ替わるかたちで、山本選手、椎葉選手が前に出ました。そして7キロで椎葉選手がひとり抜け出す形で前にでました。先頭集団は20人ほどになりました。前に抜け出した椎葉選手のあとに、藤原選手、松下選手、高橋選手、清水選手、川村選手(中央学院大)、大津選手、原田選手(NEC九州)、家谷選手、田尻選手、加藤選手、下森選手(安川電機)、山本選手、中谷選手、福岡選手(三菱重工) (あと半数ほど、お名前わかりません。ごめんなさい。)8キロは24分30秒と、少しペースが落ちました。椎葉選手が後方より20Mほど前に出ています。
10キロは椎葉選手が30分30秒。2位集団が7秒遅れなので、約40mほどの差になりました。2位集団の先頭は次々と変わりました。11キロでは椎葉−下森、原田、藤原、高橋という順でした。松下選手が集団の後ろのほうに下がっていました。藤原選手は、先頭の変化にかかわりなく2位集団の2番手につけているという感じでした。12キロで一時は2位集団の先頭を走っていた山本選手が遅れ始めました。そして一度、遅れて後ろにいっていた選手が前の集団をうかがうなどして、レースが静かに動き始めてきました。
14キロで椎葉選手を手塚選手が追いかけるように前に出ました。そのあとに田尻選手、そして少し後ろに下がっていた松下選手。藤原選手は松下選手のすぐ後ろ。レース前のインタビューの「前半は抑えて」という言葉通りの走りに見えました。(2位集団は12〜3人。田尻、松下、藤原、福岡、小西、原田、川村、清水、中谷、大津、家谷 。下森選手、柳谷選手が少し離れました。)
折り返しの15キロは45分31秒で椎葉選手。2位集団は5秒差で家谷選手を先頭に12〜3人。下森選手、柳谷選手が13秒差。そして19秒差で山本選手。
折り返してからレースが一気に動きました。キロ3分を大きくきって2位集団の松下選手がトップの椎葉選手を捉えます。(松下、藤原、田尻、大津、清水、川村、福岡、家谷、小西、少し離れて椎葉、中谷、加藤。)17キロ付近で手塚選手、高橋選手が遅れ始めました。
18キロあたりで松下選手がまわりを気にして、先頭を走るのを嫌ったように見えました。すると前に押し出されるような形で川村選手がトップになりました。
松下選手と川村選手が離れて並ぶかたちになりその間に藤原選手。すぐ後ろに大津選手。藤原選手が大津選手に「前に出たら?」という感じで合図をして、松下選手もすっと後ろに下がって大津選手が前に押し出されるように前に出ました。先頭集団は9人、そのあとに加藤選手、中谷選手、 (富士重工)。
この間、先頭はめまぐるしく動きます。大津選手が前に出てしばらくそのままいくかと思いましたが、今度は藤原選手が前に出て、そのあと松下選手。川村選手もだいたい同じようなところです。次に川村選手が前に出て、松下選手は集団の後ろのほうにつけます。大津選手もうしろに下がりました。20キロ手前で家谷選手が少し集団から離されはじめました。2位集団は加藤選手、中谷選手、( )。加藤選手が前との距離があかないようについています。20キロはは1時間37秒。
レースはしばらく先頭の8人、松下、藤原、川村、清水(以上、学生)。大津、小西、田尻、福岡(以上、実業団)がトップを嫌う形ですすんでいきます。家谷選手が完全に遅れて、その後ろに一端20秒くらい遅れていた山本選手が家谷選手をとらえるように追っています。(画面には全然、映っていなかったのですが、一体、山本選手はどのあたりから前に出たのでしょうか。)23キロが1時間9分30秒とそれほどペースが落ちていないので、山本選手があげてきているのだと思います。明らかにペースが違いました。そして24キロであっという間に先頭集団につきいて、8人から9人の集団になりました。
そして25キロ手前の竜田のこせんきょう。200Mで20Mの上り、下り。山本選手が先頭集団に入って、一気にレースが動いていく予感がします。こせんきょうを山本選手がいき、清水選手、藤原選手。松下選手、福岡選手。大津選手。最初に小西選手が遅れ、次に田尻選手、そして川村選手も遅れ始めました。田尻選手がもう1度前の集団にくらいつき先頭は6人。25キロは1時間15分33秒。
26キロを過ぎて山本選手がそれまで追ってきた勢いそのままで一気にペースをあげたようです。山本選手につくこができたのは、藤原選手と松下選手。大津選手、清水選手が少し遅れ、そして福岡選手。27キロは1時間21分25秒。さらにぺースがあがりました。山本選手を前に3人の先頭集団がさらに動いたのが28キロ。松下選手がスパート。山本選手がまず遅れました。藤原選手も徐々に遅れ、300Mのあいだで約6秒、40〜50Mの差になり表情も苦しそうでした。28キロから29キロは2分45秒。ラスト1キロ、松下選手の足取りはたいへん力強く感じました。表情は少し苦しそうで、吐く息も白く必死の形相です。でもそれは勝利を確信して、そして西田選手の学生記録を狙っての最後の頑張りにみえました。
その勢いで最後まで走りきり、1時間30分4秒で学生記録更新。2位の藤原選手は1時間30分13秒でした。
(せれんさんより、リンクの了解いただきました。感謝です。)