男子5000がわたしにとっても今日のメインレースでした。スタートリストの自己ベスト記録をみてもケニアの3選手(ペット、キプコスゲイ、チェビ)は12分55〜58秒。日本の実業団の所属する外国人選手は、13分から13分30秒(ギタヒ=01秒、サイモンマイナ=10秒、ジュリアスマイナ=22秒、カーニー22秒、ドゥング=30秒、カリウキ=31秒)と、日本人選手をぶっちぎるというほどのタイムではありません。
一方、日本人選手は、高岡(13秒)、瀬戸(33秒)、岩佐(32秒)、徳本(38秒)、尾方(46秒)と力は拮抗しています。ケニアの選手が最初から飛び出さない限り、速いペースでの集団となり、記録が出るかもしれないという期待がいっぱいもてるレースだからです。
さてスタートというとき、珍しいことが起こりました。フライングです。
長距離のフライングというのを初めてみました。16人のエントリーで、おそらく8人ずつなんですんなりスタートできそうなものですが、そうはいかなかったようです。
2回目は、何もなくあっさりとスタートできました。
最初の1周はドゥング、カリウキ、岩佐、ペットが先頭で、高岡は後ろから3か4番目くらいの位置取りで、しばらく高岡、徳本、瀬戸は後ろのこの位置をにいました。
ドゥング、岩佐、ジュリアスマイナ、カリウキ、キプコスゲイ、キルイ、サイモンマイナ、ケブレマリアム、ペットと、岩佐以外は後ろから3,4番目でした。最初の1周は64秒、2周は、63秒、1キロは2分39秒と、高岡さんの13分13秒も可能なペースでレースはすすんでいきました。
4周目で、ジュリアスマイナが先頭にでて、日本人選手が岩佐が前から3〜4番目で、高岡、瀬戸、徳本は同じように後ろに位置していました。4周目(1600)は4分18と、ほんの少し、ゆっくりになっています。6周目では、サイモンマイナ、キプコスゲイ、キルイ、カリウキ、ドゥング、岩佐、ペット、チェビ、ジュリアスマイナで、それまでずっと後ろにつけていた高岡がスピードをあげて、前から4番目くらいまで順位をあげてきました。次はキプコスゲイ、キルイと申し合わせたようにケニアの2人が前に出て、サイモンマイナ、高岡、岩佐、ペット、チェビ、ジュリアスマイナと、外国人選手に挟まれるような感じなので、高岡さん、岩佐さんは流れにのっているように見えました。一方、兵庫でキレのいい走りをしていたジュリアスマイナが、今日はそれほどでもないように見えました。徳本、瀬戸は同じように後ろから4番目に位置取っています。3キロは8分6秒と日本選手には、いいペースです。次の周回は、またサイモンマイナがトップにでて、あとはあまりかわらないけれど岩佐7番目、高岡9番目と少し下がります。1周63秒と少しあげたからかもしれません。このとき徳本が少し離れます。(ちょっとここの展開あいまいです。)
次はカリウキが2周引っ張って、エチオピアのケプレマリアムが前のほうにでてきます。この周は65秒、次は67秒。4キロは10分51秒でした。日本選手は、高岡、岩佐、徳本、尾方、瀬戸。11周は64秒で先頭からサイモンマイナ、ケプレマリアム、カリウキ、キプコスゲイ、キルイ。ラスト1周になって、残り300のところで、チェビがロングスパート。なんというか、もうとんでもないスピードでぶっちぎっていくような感じでそのままゴール。勝負に徹したケニアの選手の思う通りのレースのように見えました。
1 | 9 | 25 | エイブラハム・チェビ | CHEBII,Abraham | KEN ケニア |
13:21.45 | |
2 | 10 | 26 | リューク・キプコスゲイ | KIPKOSGEI,Luke | KEN ケニア |
13:23.38 | |
3 | 3 | 14 | G-エグジャベ・ゲブレマリアム | GEBREMARIAM,G-egziabher | ETH エチオピア |
13:23.57 | |
4 | 6 | 24 | マーク・ベット | BETT,Mark | KEN ケニア |
13:24.21 | |
5 | 7 | 27 | ウィリー・キルイ | KIRUI,Willy | KEN ケニア |
13:24.45 | |
6 | 5 | 88 | 高岡 寿成 | TAKAOKA,Toshinari | JPN 山口・カネボウ |
13:24.66 | |
7 | 12 | 28 | ジュリアス・マイナ | MAINA,Julius | KEN 愛知・アラコ |
13:24.70 | |
8 | 8 | 30 | サイモン・マイナ | MAINA,Simon | KEN 愛知・トヨタ自動車 |
13:25.52 | |
9 | 14 | 93 | 徳本 一善 | TOKUMOTO,Kazuyoshi | JPN 東京・日清食品 |
13:26.19 | |
10 | 2 | 83 | 瀬戸 智弘 | SETO,Tomohiro | JPN 山口・カネボウ |
13:26.84 | |
11 | 4 | 31 | ジョン・カリウキ | KARIUKI,John | KEN 滋賀・滋賀学園高 |
13:27.18 | |
12 | 15 | 67 | 岩佐 敏弘 | IWASA,Toshihiro | JPN 徳島・大塚製薬 |
13:30.89 | |
13 | 13 | 32 | ジェームス・ドゥング | NDUNGU,James | KEN 静岡・ホンダ浜松 |
13:31.24 | |
14 | 1 | 78 | 尾方 剛 | OGATA,Tsuyoshi | JPN 広島・中国電力 |
13:31.46 | |
15 | 11 | 29 | ジョン・カーニー | KANYI,John | KEN 愛知・トヨタ自動車 |
13:48.12 | |
16 | 16 | 40 | リカルド・リバス | RIBAS,Ricardo | POR ポルトガル |
14:32.06 |
以上のように日本選手は高記録の続出でした。
高岡さんは、国内最高記録。徳本さん、瀬戸さん、岩佐さん、尾方さんは4人とも自己ベストでした。
高岡さんは、あまり目立つような感じではなかったけれども、微妙に位置取りをしながら、うまく流れにのって国内最高記録でした。
ケニア人選手のラストスパートにはおよびませんでしたが、見えない力にみんな引っ張られているようなゴールシーンでした。徳本さんが、レース後もしばらくトラックに座ってられましたが、B標準に届いたかどうか確認のためだったのでしょうか。法政大のときは、マスコミのせいでしょうけど、派手さで目立つ存在でしたが、社会人になられて、地に足をつけて取り組んでられる印象を強くもっています。
また瀬戸さんは、実は結構、注目しているランナーなんです。次の1万メートル27分台は瀬戸さんだと思っているんですが、どうでしょう。
岩佐さんは実力のわりに注目度低くて、歯がゆいですが、わたしはちゃんとみています。
尾方さんは世界陸上の代表選手(ですよね、五十嵐さんと尾方さんをごっちゃにしてしまうのです)、自己新の更新はさらに自信になると思います。
外国人選手が抜け出して、日本人○位というようなレースではなく、互角に走れているのは、長距離全体のスピードの底上げがあるように思います。着々と実力をつけている選手の今後に期待したいと思います。