日本選手権へ行こう!

 男子1万
 日本選手権は3日間。週末の土日に観戦に行くつもりが、4月中旬に宿泊場所を探したけれども、どうもとれそうになく、日帰りの観戦にせざるを得なかったものの、どの日程なのかいろいろと悩みました。
 タイムテーブルもなかなかでなかった(でてたのかもしれないけど、わからなかった)しでした。あれもこれもと欲張ってはいけないので、今年のわたしのこだわりの「男子1万」を優先して5日に観戦することにしました。
 京都から鳥取は、智頭急行経由の「はくと」という列車が出ていて、わたしも鳥取へ出張のときはよく使っています。お昼頃に鳥取に着けばいいけれども念のために「はくと」の始発(朝の7時頃)と、最終(19時11分)の指定を、JTBのギフト券を使って購入しました。(JTBのギフト券は、勤続表彰で2.5万円分もらったものです。これがあったから行けたようなものです。)

 チケット問題
 ところが、直近になって問題発生。(これを書いているのは6日の午前なので、6日のことはわかりませんが、5日に限っていえば、済んでみればなんら問題ではありませんでした。)
 入場券は、スタンド席が完売というニュースです。国立競技場に比べて収容人数が少ない、アテネ五輪前で有名選手が集まる、そういう要素はあるにしても、これまで何度か日本選手権を観戦してきて、「スタンドが満杯になる」なんてことは、悲しいけどあり得ないと思っていました。「箱根」があんなに人気あるのに、どうして陸上の「日本選手権」がガラバラのスタンドのなかで行われないといけないのよ、とつねづね思っていたわたしは、かなり焦ってしまいました。
 スタンド席完売のニュースの前に、わたしはローソンとぴあでチケットの検索をしたけど、ヒットせず、ちょっとは不安になったけれど、それでも「陸上の試合で札止めになるなんて考えられない」というのがあったので、たいして気にしていませんでした。
 
 鳥取陸協に電話してみると、
 陸協の人「ローソンチケットは25日まで。今、その数を集約中です。メインスタンドは完売。芝席は、今は         鳥取陸協でしか販売していません。当日券を購入ください。」
 花子「あのぉ、わたし京都なんで、チケットを買いに行けないんです。当日に行けば入手できるんですね。    販売は何時からですか?」
 陸協の人「開門時間には、行列ができていると思います。」
という感じでしたが、陸協の人は親切に対応してくださいました。

 こんなことだったら、早めにローソンでチケット、買っておくべきでした。
 たった500円のことで、こんな思いをするなんて。
 わたしとしては、帰りの「はくと」の指定席をとっただけでも、かなり先をよんで行動したつもりなんですよね。2年前の金沢のときは、サンダーバードが満席で、立ちっぱなしで京都に帰ってきましたから。特急料金を払って、席に座れないって、どれだけ悲しいか、、、そういう思いがあったから。

 でも、もうそんなこと言ってられません。
 開門時間には競技場にいれるように、列車を変更するべく調べてみると、おぉ、こんなルートがあったなんてというルートをJR西日本のサイトで発見できました。
 大阪-米子間を「急行大山」という夜行急行があるのです。福知山線経由なので、京都から福知山へ行って、そこで大山に乗り継いで、鳥取へ行き、そこから2つ向こうの「鳥取大学前」で降りて、徒歩20分で競技場へ行けるのです。(鳥取からは競技場まではシャトルバスがでているけど、朝の8時なので、それより鳥取大学前から徒歩のほうが早く着けます。)

 「はくと」から「大山」にチケットを変更しなければならないのですが、これまた問題が発生。
 JTBのギフト券を使っているので、変更や払い戻しは、購入したJTBの新大阪でしかできないのです。たまたま新大阪へ行く用件があったので、わざわざ行くということはしなくてよかったけど、それにしてもこんなシバリがあるとは思ってもみませんでした。JTBのギフト券は、わりと買取率が高いので、換金してから使ったほうがいいかもしれません。もっとも、こんなことが起こらなければ、そんなこと考えなくていいんですけどね。
 でも、特急から急行に変更したので、1500円分くらい安くなりました。その返金も1000円はギフト券での返金でした。これはよーく考えたら当たり前ですが。

 こうして、わたしは列車を変更することで、チケット入手は対応可能と思ったし、わたしは現地へ行って、たとえ入場できなかったとしても後悔しない、むしろ行かなかったほうが後悔するという確信がありました。でも、ここまで腹をくくることができなかった人で観戦を諦めた人って、結構、多かったのではと思います。複数の掲示板で、そういう趣旨の書き込みを見ました。
 「入れる」とアナウンスして、入れなかったら、それはそれで大問題だけれども、でも、もう少し、いい広報のしかたはなかったのかと思います。のちほどまた書きますが、現地へ行っても、当日券がどこで販売されるのか、案内はまったくされていなかったし、根本的に「観客不在」のものの考え方だと思いました。
 つまり、陸上の試合は「見せる」ものではなく、「記録を出す」場であるということ。
 まぁ、そうなんですけどね、でも、それだからやっぱり陸上選手で知っている選手といえば、「タカハシ」、「スエツグ」ってことになってしまうんですよね。全然、知られてないけど、魅力のある選手がそれぞれの競技にたくさんいて、もっとそういう選手のことを知って、応援があれば陸上競技も違ってくると思うんですけど。

 でも、まぁ、チケット問題は、サッカーのワールドカップですら(というかワールドカップだからこそ)、いろいろあったので、「興行」にはつきものなんでしょうね。そう思っておきます。

 布勢運動公園まで

 日本選手権が行われる競技場は、だいたいどこの県でもそうですが、「運動公園」といって野球場など、いろいろなスポーツ施設があるところの一角です。行き方を事前にリサーチすると、鳥取駅からバス、湖山または鳥取大学前かた徒歩20分ということでした。

 嵯峨野線
 夜10時過ぎに自宅を出て、京阪、JR奈良線を乗り継いでJR京都駅へ。そこから嵯峨野線(山陰線)で園部へ行き、そこで福知山行きに乗り換えます。
 嵯峨野線は、亀岡を過ぎるまで、結構、混んでいました。わたしはとある事情があって、1ヵ月ほど、嵯峨野線で通勤したことがありますが、そのときからあんまり変わってないです。福知山行きは、最終のワンマンカーです。ワンマンの列車は何度か乗ったことがありますが、これくらいたくさん車両をつないでいる列車のワンマンは初めてでした。もし酔っ払い同志がケンカでもしたらどうなるんだろうと、ふと思いましたが、そんなことをしてしまったら、たちまち列車そのものがなくなってしまうでしょうから、そういうバカなことはこの沿線の人はしないのでしょう。福知山までは、すいていました。夜なので景色はみえませんでしたが、ここの車窓がわたしは好きなんです。典型的な「中山間地域」って感じのところです。

 福知山
 福知山では待ち時間が約1時間あります。
 深夜の12時半から1時20分まで。どこで待とうか考えて、そういう時間だから駅員さんのいるところにいるか、駅の外の待ち合い場所にいればいいものを、わたしは「大山」が入る3番線のホームに行ってしまったのです。プラットホームで、ぼーっと列車を待つのってわたし好きなんですけど、深夜にそういうことはしないほうがいいようです。
 3番線に行くと、ホームには50代くらいの男性が1人。一瞬、やばっと思ったけど、離れてたら大丈夫かとホームの端のほうへ行って、丁度、自販機のコーヒーがあったので、コーヒーを飲んで過ごすことにしました。座ってコーヒーを飲んでいると、その男性が、わたしのほうに寄ってきて、いろいろと話しをしはじめて、隣に座ってきました。
 そこの場所は、駅員さんのいるところからよく見えるので、それだけが救いでしたが、結果的には悪い人ではなかったけど、でも、やっぱり怖かったです。こういうこともあるかと、防犯スプレーを持参していましたが、それを持っているところも見られてしまったし、ここでなんかへんなことが起こってしまっては、あまりにも間抜けです。
 わたしも、そこでぱっと逃げて駅員さんのほうへ戻るのがいいか、おだやかに話をすればいいのか迷って後者にしました。悪い人でないと、今だからいえるけど、でも、やはりのーてんきでした。

 急行大山

 1時頃、出発時間の30分前に列車が入ってきました。
 これで、あのおじさんと離れられるので、ほっとしました。
 深夜急行なので、「ちくま」とか「きたぐに」のイメージでしたが、そういうのでなくて、とっても明るい感じの列車でした。
 わたしは1号車の9番A席を探したら、あー、これまた最悪。
 大阪から乗っている人が、座席をくるっとまわして4人掛けにして、わたしが座るべく場所に足を投げ出して寝ています。中年のオバサン(わたしも同じく中年のオバサンなんだけど)を起す感じで、
 「あのーすみません、わたしここの席なんですけどー」と言ったら、あわてて足をのけてくれたけど、でも、なんでわたしが謝らないといけないのかわからないし、席をくるっとまわさないといけないのかわからない。それで席をまわそうとしたら、前の席にあたってまわらない。シートを倒していたら、まわらないから、前の座席の人に、席を戻してもらって、ようやくわたしの座るべき席を確保しました。
 この前の東京出張のときも、自分の座席とその隣のわたしが座るべく座席とに荷物をいっぱい置いたまま席をはずしていた人がいて、わたしはしばらく座席なしのまま、その人が戻ってくるのを待つはめになったということがありました。
 すいているからといっても、途中乗車の人もいるということ、どうして、わからないのかなぁ。新幹線だったら新大阪から京都、福知山線だったら、福知山って、そこから乗ってくる人って想定できないのかなぁ。
 大山は、2人がけの座席に1人ずつが座ってちょうどくらい。山行きの格好の人、帰省(祭事?)らしき人など、いろいろでした。いきなりイヤな思いはしたけど、こういう急行があるって知らなくて、はくとで行くよりなんかとっても嬉しかったです。

 競技場へ
 鳥取へ着くのは4時。1時20分に福知山を出たら、ひと寝入りしたら、もう鳥取でした。
 鳥取駅は、もう何度もきているのでよく知っていました。トイレに行って、顔を洗ったりいろいろして、4時56分まで待ちました。米子行きの2両のワンマンカーで2つ先の鳥取大学駅で下車しました。
 さて、ここからが正念場です。
 この前、宇都宮へ東日本実業団の試合を見に行ったとき、競技場に着く寸前のところで、方向を間違えて、とんでもないほど時間がかかってしまったという経験がありますから。日ごろから歩いたり走ったりしているので、そういうことは苦にならないけど、でもまずは競技場へ着くことが最優先です。

 一応、地図はもっていたけど、最初で間違うとたいへんです。京都にいると、道が碁盤の目になっていていつでもやり直しができますが、日本中がそんなわかりやすくはなっていないので、修正するには引き返さなければなりません。
 朝5時というのに、駅周辺を掃除している方がいらっしゃったので、布勢運動公園への行き方を聞くと、
「歩いていくんですか?」と。
 そういいつつ、親切に教えていただきました。
 湖山という池の横を通って、丁度、陽ものぼる時間で幻想的でした。
 こんな経験ができたのも、なにかの縁です。
 そうやって丁寧に教えてもらったので、30分ほど歩いたら、運動公園に着きました。そして、そこからがまたたいへんです。陸上競技場を探さなければなりません。敷地内で地図を再び確認して、陸上競技場を目指しました。