第7回 妙見山岳マラソン

(大阪府豊能町)

T ことの発端はエントリー忘れ

 8月の最終日曜日は、「びわ湖ジョギングコンサート」という滋賀県の湖北の町に走りにいくことに決まっていました。今年で10年連続になるはずでした。この大会がなぜ好きかというと、参加賞のTシャツのデザインのセンスがとてもいいこと、参加賞のブドウがとってもおいしいこと、そして、受け入れをしてくださるびわ町の方がとってもあったかいこと、といろいろあります。
 そしてこの大会のゲストは高石ともやさんと浅井えり子さん。浅井さんもずっと、来られています。佐々木監督が亡くなられてすぐの大会にも来られていました。浅井えり子さんに、年1回お目にかかれる大会でもありました。
 毎年、参加しているので、要項も早く送ってもらうのですが、なぜか今年は、エントリーを忘れてしまいました。6月いっぱいのところ、気が付いたのは、7月に入ってからでした。こういうとき、ダメもとで事務局にお願いしてみるということもやったことがあるのですが、こういうルール違反はあんまり好きではないので、大会のHPの掲示板に、ちょっと未練の言葉を書いて、あきらめました。
 10回連続ですから、もちろん未練はいっぱいありますけど、でも、忘れたのはわたしのせいなんだから、それは受け入れなければなりません。何よりも、今年は南浜のぶどうが食べれないのが、悲しい、、です。

 8月25日があいてしまって、家にいてると、ジョギングコンサートのことを思い出すので、他の大会はとランネットを物色していたら、「妙見山岳マラソン」がありました。噂には聞いていたけど、山岳の14キロだったら、むしろジョギングコンサートの10キロよりずっといいかもしれないということで、気持ちはすぐに妙見山に向きました。ランネットで申し込みを済ませると、とても簡単です。クレジットカード決済にするとほんと簡単。「こんなので、ホントにエントリーできてるの?」という感じです。
 走快ねっとRCのメンバも結構、エントリーしていることも、後々にわかって、それじゃあ、みんなと一緒の妙見山にしてよかった!と、びわ湖への未練はどこへいったのか?という感じです。

 しばらくしたら、参加証のハガキが1枚きました。ランネットでの申し込みなので、ちゃんと申し込めていることがわかって安心しました。でも、ランネットだと要項をちゃんとみなくてもエントリーできるので、大会情報はほとんどわからずでした。あとで要項を見れるだろうと思ったけど、結局見れずに、ほとんど情報なしでした。そこで、みやけんさんにお願いして、現地までの行き方などを教えていただきました。これでセーフ。もし、みやけんさんからの情報がなかったら、わたしは、現地までたどりついていませんから。

 25日の大会参加は、早々に決まっていましたが、突如24日のナゴヤドームのチケットを譲っていただくという幸運にめぐりあいました。野球観戦は幸運ですが、翌日の大会のことを考えると、大丈夫だろうか?という感じ。遊びとはいえ、名古屋まで行って、帰ってくるのは12時頃ですから、疲れていてもおかしくありません。まして、木曜日は健康診断やっているので、体調がいいとは決していえないでしょうから。
 もし、体調悪ければ、不参加もありかなという軽い気持ちで当日をむかえました。

U 大会会場へは3時間

 梅田7時40分の急行に乗ると、川西能勢口での乗り継ぎがいいということを、きいていたので、そのためには、JR大阪に7時33分に着いて、かなり急がなければならなりませんでした。梅田7時40分だけでも、結構な綱渡りでした。
 朝は5時45分に、携帯のアラームを鳴らしたつもりが、なぜかマナーモード。振動音で、なんとか目をさますことができました。ナゴヤの疲れはありません。
 おにぎりを1個食べて、トイレに行ってと、お茶とウィダーをもってと、前日に準備をしていたので、30分もあれば準備完了。6時39分、47分、7時、7時40分と京阪、JR奈良線、神戸線、阪急宝塚線と乗り継いで、川西能勢口でMAKOTOさんとみやけんさんに合流。仲間がいると、道中も退屈しないし、なんといっても初めて行くところですから心強いです。
 妙見口に着いて、そこからシャトルバス。2台を見送って、そのあとののバスに乗って10分ほど。バスを降りたら、切符売り場が。ケーブルとリフトの往復割引切符が売ってました。「えっ、700円?」と思ったけれど、それにはあとで納得しました。
 ケーブルも1台見送って、乗車。ケーブルを降りたら、リフト。リフトは10分ほどでした。
 リフトに乗るのは、スキーで慣れているので、ワクワクしました。まわりにはあじさいの花。そして足元は
コスモスが植わっていました。秋にこのコスモスが咲くとどんなにきれいかを想像しながら、夏の終わりの蝉の声を聞きながら、すっかり妙見ワールドにひたることができました。
 リフトを降りて、会場まで少し上りの道を5分ほど進みます。
 「まだ、着かへんのかー」って感じ。妙見口に着いたのが8時半で、30分で着くかと思ったら、小1時間かかりました。受付は9時半までで、ちょっと遅刻。でも、わたしたちよりまだあとにたくさん人がいました。大会要項には、もう少し遅い電車の案内もあったので、9時半に間に合わなかった人は多かったかもしれません。
 受付をして、参加賞をみてびっくり。椎茸の菌床の木。これがまた重い!こんなのもらって、迷惑って人もいるかもしれないけど、わたしは、こういうの大歓迎です。
 受付を済ませて、スタート・ゴールの近くにシートを敷いて準備です。ナンバーカードを前につけるだけなので、更衣室に行くこともなく、あとはトイレに行ったら準備終わりです。
 あとのシャトルバスになった、ひっつんとも合流。家族参加のひろぽんさん、浜ちゃんとも会えました。さぼちゃんは、準備中でした。

 開会式は、地元中学生のブラスバンドの演奏やゲストランナーの藤村信子さんの紹介などがありました。なかでも強調されたのは、「大阪一苛酷なコース」ということでした。「全身が笑うような坂」ということで、うーん、どんなんだろう?と期待大です。
 開会式でも水分摂取ということを何度も言われました。受付のときにも案内がありました。当初の予定より仮のエイドを増やしていたようです。熱中症の予防のためなら、注意してもしすぎはないと思います。安全に楽しむ、これが基本中の基本です。

V スタート〜折り返し

 トイレから戻ってきて、スタートを待つMAKOTOさん、みやけんさんと合流しました。MAKOTOさんは、ひざのケガで、最近ようやく走ってもいいとのお許しがでたそうです。リハにしては、コースちょっと苛酷すぎない?なんですが、かえってアップダウンのあるほうが無理しにくい(できない?)のでいいのかもしれません。
 浜ちゃん、さぼちゃん、ひろぽんさんが、仮装をしているとのこと、余裕やわ。でもスタート前には会えずで、折り返しを楽しみにすることにしました。
 スタート直後は、いきなりすごい下りということを聞いていたけど、ほんとうにそうでした。「どこまで下るんや〜」という感じ。でも、ゴールの前は、これの反対ってことを考えると、「大丈夫かな〜」と思わざるを得ませんでした。
 しばらくいくと、今度は上りに。後ろから、かなりの勢いで走ってくるランナーの集団。どうやら5分遅れでスタートの5キロのランナーのようです。速いランナーなのに、わたしたち3分の1マラソン(14キロ)のランナーが、広がりすぎて走りにくかったかもしれません。スタート時間をもう少しずらすか、コースをあけるかなど、してあげたらいいのにと思いました。
 そうしているうちに、5キロの折り返し(つまり2.5キロ地点。折り返したランナーは、復路、下りを一気に下がっていきました。
 しばらく上って、また、下りです。(要項を取り寄せていないので、コースのアップダウンは、予備知識として全然、ありませんでした。)後ろから、また、明らかにスピードの違うランナーがたくさんきました。10キロのランナーです。今度は、5キロのランナーほど人数が多くなかったので、走路は大丈夫だったようです。3キロからは、ひたすら下るって感じです。しばらくすると、10キロの折り返したランナーとすれ違いです。復路は上りですから、10キロのトップグループの人たちも、ゼイゼイ、ハーハーがすごいです。「えぇー、こんなすごいランナーをこんなに苦しませるコースって何? わたしやったら絶対に走っていけないわ」などと、不吉なことを考えていました。
 5キロあたりで、太鼓の応援がありました。わたしは太鼓の応援が大好きなんです。でも、相変わらず下っているので、全然余裕なしでした。5キロをすぎて、下り加減はさらに加速して、ひたすら復路の心配です。折り返しのランナーとすれ違って、上りの様子をみるとますます、折り返すのが怖くなります。
 だいたい、どんな大会でも、「折り返し」というのはひとつの節目で、「折り返しまでとにかく、頑張っていこう」というものですが、今回に限っては、「折り返したら、この上りってことは、折り返したくない!」と本気で思いました。これは、かなり珍しい感情です。たぶん、他の大会では、ないでしょう。
 折り返しの前にまず、MAKOTOさんに会って、みやけんさんに会って、、、、あれ〜仮装の浜ちゃん、さぼちゃん、ひろぽんさんは?
抜かしていないので会うはずなのに、どうしたんだろう?

W 折り返し〜ゴール

 折り返しで、スタッフらしき人が「あと半分やで〜」と。
 そうなんですけどね、折り返しっていうのは、そういうことなんですけどね。でも、ここは違います。これまでひたすら下ってきた道を上っていくのですから、「坂フェチ」を自認しているわたしですら、「ちょっとタイム〜」って感じ。どのランナーも「あと半分」なんて思っていなかったのではないでしょうか。
 あとのコースが苛酷だからといって、逃げるわけにはいきません。ひたすら上っていくだけ。それだけです。「ゼイゼイ、ハーハー」言うほど、脚が頑張れるわけでもなく、小さい歩幅で1歩ずつ。とにかく前に進んでいくしかありません。
 折り返してすぐに、仮装の3人に遭遇しました。わたしより前を走っているとばかり思っていたので、意外でした。ということは、復路は3人に追われながらのランになるなぁ、一緒に頑張れるかなぁ、置いていかれるかなぁなどと、いろいろ考えていました。
 ひたすら上って、「あぁ、しんど」。まわりには、歩いているランナーも多くなってきました。わたしも歩きたくなったけど、「ゼッタイに歩かない!」とココロに決めて前に進みました。速度は歩いている人とそんなにかわりません。でも、どんなにゆっくりでも走っているようなふりでいくと、歩いている人に追いつくんです、不思議と。
 残り6キロあたりでしょうか、後ろからアフロの仮装ランナーが。「あれ〜浜ちゃんや〜」。足取り軽く、あっという間に前に。しばらくは、離れながらも背中がみえていましたが、あっという間に消えてしまいました。浜ちゃん、強すぎる。
 残り5キロあたりから、慣れてくるのか、坂がゆるくなるのかよくわかりませんが、上りにもすっかり慣れて、惰性で走っていくという感じになりました。往路を走っているときは、「こんなコース走れるのかな」と思ったものですが、走ってみるとなんとかなるものです。歩いているランナーを抜かしていけるというのも気分いいです。(でも、下りになると、一気に抜かれているのは、わかっています。)息があがるほど速くいけないから、わたしには丁度いいのかもしれないです。やっぱり上りが好きと、あらためて感じました。
 これまでエイドのことには全然、触れていませんでしたが、エイドには、水、エネルゲン、塩があって、バケツに入った水を身体にかけてもらうこともできました。水をかけてもらうと、気分がすっきりして、「またがんばろう!」というキモチになることができます。エイドには、ガールスカウトのかわいいお嬢さんたちがいて、「水でーす」「エネルゲンでーす」と大きい声で、言ってくれました。彼女たちは、手袋(食品用)をしていました。そういうところにも、気遣いというか、衛生上のこともいろいろ配慮が必要なんですね。
 途中に、山々が視線の高さくらいで見下ろせて、遠くからマラソン会場のアナウンスが風にのって聞こえるところがありました。こんなに高いところまできてるってことをあらためて実感しました。その景色がみえるところは、夢のなかにいるような不思議な感じがしました。
 残り3キロになって、コースが下っていました。往路で通っているはずなんですが、往路はひたすら下りというイメージしかなかったので、「あれぇ、こんなとこ上ってきたんや〜」という感じで、ご褒美をもらったようなキモチになりました。のぼりで、なかなか進まなかったことを思えば、スイスイといけているような気になります。でも、案の定、さきほど抜いていったランナーには、ほとんど抜かされていきました。
 しばらく下って、最後は上り。これは、スタート直後だから、よく覚えています。これ上らないと、ゴールにならないんやから。でも、不思議と疲れていません。「もう、終わり?」って感じ。もちろん、軽く上っていったわけではないですけど、なんかすっかりアップダウンに慣らされていましたから。
 前から赤いバンダナの男性が、、、MAKOTOさんでした。ゴールにあって、遅かったら逃してしまうというプチトマトをもらって、またまた元気になって、ひたすらゴールへむかいました。スタッフもたくさん応援してくれます。
 ゴール手前に、写真班のみやけんさんが、スタンバイ。写真だけは元気にと、元気そうにカメラ目線で、ゴール。1時間36分でした。途中のラップはまったくとっていません。まぁ、あのコースでは、ラップをとってもね。でも、往路と復路、それぞれどれくらいかかったかくらい、とっておけばよかった。だって、わたしのナイキの時計、300ラップとれるんやから。

X 走り終えて

 走り終えてのみんなの感想は共通していて、「復路、どうなるかと思った」というものでした。でも、案外走れるものだと実感したというのもありです。着替えて、完走証をもらったり、抽選の賞品(わたしはらっきょうの酢)もらったり。仮装娘たちとも合流して、記念撮影。終わってから、こうやってあれこれ話しができるのも楽しい。
 家族参加組のひろぽんさん、浜ちゃんと別れて、帰路につきました。
 来たルートを戻っていきます。しばらく歩いて、リフトにのって、ケーブルに。みやけんさんは、ふれあいセンターでのバーベキュー組に合流されたので、リフトのところで、バイバイ。シャトルバスに乗って、妙見口へ。あらためて、遠いところへきたん来たんやなぁと。そのあと直通がないので、乗り換えて、川西能勢口でも乗り換えて、梅田へ。MAKOTOさん、ひっつん、さぼちゃんの4人で、お腹減ったし、ビールのんで帰ろうってことで、東通の「ゆかり」へ。ムカシっからある店なのに、最近、テレビでも取り上げられているらしく、お昼の時間でもないのに、混んでいました。席があくのをしばらく待って、オムそば、ネギ焼きなどいろいろ頼んで、みんなで食べて、もちろんビールも飲んで。最高やね。
 こういうのって、ぜったいやめられない。

 帰りは、淀屋橋まで歩くというさぼちゃんについていきました。梅田と淀屋橋って、つながっているけど、あまり歩くってことがなかったけど、行ってみると「あっ、淀屋橋やん」という感じ。阪急組のひっつんとは梅田でバイバイ。MAKOTOさんは、ミズノに寄り道。おけいはんのさぼちゃんとわたしは、淀屋橋で、それぞれ準急、特急に乗って帰りました。

 会場までたどりつくのが大変やったけど、いろんなものに乗れて、おもしろかったし、コースもおもしろかったし、走快ねっとのメンバとも一緒やったし、とっても楽しい1日でした。
 みなさん、どうもありがとうございました。(終わり)

花子のノート