ロープから伝えるもの
賀茂川パートナーズの練習会でのことです。
パートナーさんと2時間程度、一緒に走ったり、歩いたり、お話したりして過ごします。
伴走する側からすれば、まずは安全に走ってもらいたい、さらには安心して走ってもらいたい、そして結果的に「いい練習ができた」ということになれば、とっても嬉しいです。
ロープは右でもつほうがいいですか、左がいいですかという質問から始まり、、ペースを確認したりしなかったり、、どこまで行くかも確認したりしなかったり、それぞれのペア、チームがそれぞれのスタイルでスタートします。
走りながら上下の段差、そして石があったり、地面のぬかるみや走路が窪んでいたりとか、足を運んで置くときに注意することを伝えます。
それからすれ違う人、追い抜いていく人など、自転車の通過などまわりの変化も伝えます。
走りやすそうなコースを行くために、「もうすこし、こちらより」と言ったりします。
これらのことは言葉で伝えることがほとんどです。
声(音)による情報提供ができない場合、どうするのか。
4月15日に伴走させてもらったのは、「盲ろう」と書かれたビブスを着用されている**さんでした。
弱視ということで、ガイドの方とは手話でコミュニケーションをされていました。
わたしは手話は全然、理解していないのですが、細かい手の動きも認識されているようだったので、視野は広くないものの手話を見てのコミュニケーションは十分にとられているようでした。
準備運動は、真正面で向かい合ってすることで、身体の動きは伝わっているようでした。
音の情報は伝わらない、発声もないということで、手話通訳さんがいらっしゃれば、コミュニケーションはとれますが、伴走者と**さんだけになると、言葉のやりとりはできなくなってしまいます。
そのために、あらかじめ状況に応じて、「サイン」のようなものを決めました。
走路の段差は、ロープの上げ下げで知らせる、何か危険を感じるようなことがあれば、手を上から握って知らせる等です。
ただ、この日に走ったのが御所ということもあり、段差をロープの上下でお知らせすることはありませんでした。
また、危険を感じるような場面もなく、だたひたすらロープを握っての伴走になりました。
御所なのでコースどりをすることもなく、歩行者がいれば、サブ伴走者が声をかけて道をあけてもらいました。
1周2.5キロのコースを1周ずつ、3人がロープをもって、1周ごとに手話通訳者さんを交えて、困ったことなどをお伺いしました。
気温が高くて暑かったのと、砂利で走りにくいということはありましたが、伴走に関しては何もないようでした。
ハードな練習でちょっとしんどいというような感じのことは、表情や身振りでわたしでも理解することができました。
普段の伴走では、言葉でいろいろなことを伝えていたつもりでしたが、、ロープから伝えているものほうが多いのではと、そんなことをあらためて感じました。
無意識でも危険そうなことがあれば、どこか強ばることがあったり、握るロープの変化を敏感に感じて対応してもらっているのでしょう。
この日は、言葉で伝えられないことの難しさを感じた一方で、まだまだいろんなことが伝えられると、大きな可能性も感じました。
いい経験をさせてもらいました。ありがとうございます。
花子のノート