(一日くらいの遅れは大目に見てねバージョン)
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さて、三枝さんの発言を振り返ってみよう。
(引用開始)
ウェルズの「宇宙戦争」なんかは、社会現象になったそうです。バロウズの「ジャングル・ブック」は当時の社交界で大流行したそうですし(「デビュー」という言葉は社交界用語でして、そこからわかりますように、社交界は大人にならなくては参加できなかった)。
(引用終了)
された質問に対し論証方法がおかしい、というツッコミもあるのだけれど、そういう部分をのぞいてもツッコミどころは多い。
ウェルズの「宇宙戦争」が社会現象になった、という部分の社会現象とはいつごろのものであるのか。ウェルズが「宇宙戦争」を発表した1898年あたりなのか、それともラジオドラマが全米中に騒動を引き起こしてしまったと言われる1938年あたりなのか。
上をうけて、もしラジオドラマによって引き起こされた社会現象だとすると、ラジオドラマはもちろん小説の朗読とは違うのでリライトされているわけだが、それでも「大の大人が本気にして大騒ぎしたのは、「子供向けじゃない」ってことだと思いますが。普通(笑)。」ということを原作の小説に対して言えるのか? 言えるのはラジオドラマに対してだけではないか?
「当時の社交界で大流行」というが、「どこの」社交界か?「ジャングル・ブック」であればイギリスであろうし、「ターザン」であればアメリカだろうか?
また、「類猿人ターザン」の発表が1912年、「ジャングル・ブック」の発表が1894年と18年は違うので、どちらが流行ったのかということはホントにはっきりさせて欲しいですね。
ちなみに私自身は「宇宙戦争」や「類猿人ターザン」が出版された当時は大人向けであった、という点には全く異論ありません。大人向けというよりは、今で言うなら15歳以上推奨とかそんな感じに近いんじゃないか、と思いますが。