JWCのファイル管理

パソコンには数万〜数十万のファイルが入っている。この膨大な数のファイルは、きちんと整理整頓がなされていないと、とても人間の手で把握しきれない。例えば、図書館の蔵書を思い浮かべて頂きたい、数十万〜数百万の蔵書は「大分類→中分類→小分類」に渡って分けられ、その分類項目を追って行くことで、自分が探している内容の本に行き着く。まず、この分類項目がどのように成っているかを理解していないと、図書館で自分が欲しいと思う内容の本を探し当てることは、困難を極める作業となる。

パソコンでは、「ディレクトリ」という分類項目を持っている。「ディレクトリ」の下に「サブディレクトリ」があり、その「サブディレクトリ」の下にも「サブディレクトリ」があり、各「ディレクトリ」及び各「サブディレクトリ」の中にファイルを置く、という分類構造(=ツリー構造)になっている。また、「ディレクトリ」・「サブディレクトリ」は各ドライブ毎に存在し、それぞれに名前を付けるようになっている。

DOSやWIN3.1までは「ディレクトリ」と呼んでいたが、WIN95では、これを「フォルダ」と呼ぶように変わった。でも、名前が変わっただけで、その意味することは同じである。JW_CADはDOS版なので、ここでは「ディレクトリ」と呼ぶことにする。

ファイルには、名前を付けなければならない。しかし、名前の付け方には幾つかの制限事項がある。一つのディレクトリ内に、同じ名前のファイルは一つしか存在できない。同じように、一つのディレクトリ内に、同じ名前のサブディレクトリは一つしか存在できない。というのが大事な制限事項の一つである。特にDOSではWIN95には無い制限事項があるので注意が必要である。

1.ファイル名

ファイルには名前を付けなければならないが、名前の付け方には幾つかの制限事項がある。(ディレクトリ名に付いても同じ)ここではDOSの場合についてのみ述べる(WIN95ではこの制限が緩和されている)。

一つは使えない文字の制限であり、もう一つが文字数の制限である。ディレクトリの名前についても適用される。

@ファイル名に使えない文字

[“][=][|][¥][;][:][+][*][<][>][.][,][/][スペース][?]などの文字は使えない。

A文字数の制限

使える文字は8バイトまで。半角の「記号・数字・アルファベット・カタカナ」の一文字を「1バイト」と数える。全角の「ひらがな・カタカナ・漢字」の一文字は「2バイト」と数える。半角の「記号・数字・アルファベット・カタカナ」で「8文字」まで、全角の「ひらがな・漢字」のみ使う場合は「4文字」までである。半角の「記号・数字・アルファベット・カタカナ」と全角の「ひらがな・カタカナ・漢字」は混在させても構わないが、あくまで使えるのは「8バイト」以下までである。

2.JW_CADのファイル表示制限事項

 JW_CADには、データ管理上の二つの大事な制限事項がある。「ディレクトリの階層制限」・「ファイル数60での表示制限」である。

@ディレクトリの階層制限

JW_CADでは10階層を超えるディレクトリにはアクセス出来ない。また、目的のファイルまでの「フルパス」が40バイトを超える場合もアクセス出来ない。通常10階層を超えるようなディレクトリを作成することはまず無いと思われる。だが、ディレクトリ名に、8バイトをフルに使うと5階層でアクセス不可となる。ディレクトリ名は出来るだけ簡潔な名前とすること。出来れば4バイト程度の名前を付ける事を習慣としたい。

例えばファイルまでのフルパスが

D:\jwc\図面\保存図面\○×○邸\実施設計\平面\H1平面01.jwc

表記のディレクトリ階層は6階層である。階層は10階層以下なので問題ではないが、アンダーライン部分が40バイト以下でなければならない。表記は45バイトなのでアクセス不可となり、[H1平面01.JWC]というファイルは読み込めない。
先頭の「D:」も2バイト、「¥保存図面」は9バイトである。

 

JW_CADで新しいディレクトリの作成

JW_CADで新しいディレクトリを作成するには

[入出力]→[1)ファイル]→[2)保存]→[4)ディレクトリ作成]ディレクトリ名をキー入力

で、現在アクセスしている階層にディレクトリを作成することが出来ます。ファイル選択画面の上の方に「水色文字」で「フルパス」が表示されていますので、作成する階層を確認して下さい。
ディレクトリ名キー入力の時、[Alt]+[漢字](DOS/V機)で日本語入力も可能です。

 

Aファイル数60までの表示制限

JW_CADの[入出力]コマンドでの、ファイル表示は60ファイルまでしか表示出来ない。正確には、同階層にあるサブディレクトリも含めた数が60までである。一つのディレクトリに納めるファイル数は50前後とした方が良い。それ以上のファイルを作成した場合は、別の新しいディレクトリを作成し、新しいファイルはそこに保存する。

 

3.JW_CADのデータファイル名に一工夫

JW_CADでは基本的に、「保存した日時が新しい」順にファイル表示を行なう様な設定に成っている。一つのディレクトリに30以上のファイルがある場合、この機能は意外と不便である、しかし、起動オプションとして[-F&n]を設定する(私のJWC.BAT参照)と、ファイルを「名前順」に表示させることが出来る。目的のファイルを探すのが楽になる。以下はこの「名前順表示」を使った場合のファイル名の付け方である。

「ファイル名」を見ただけで、ある程度そのファイルの内容が解るような名前を付ける事を念頭に置くと、表意文字である漢字を用いるのが一番である。但し、4バイトまでの漢字2文字までとする。残りの4バイトに半角の「数字・アルファベット」を使用し「名前順表示」機能を使えるような名前とする。

 

例   TH平面02.jwc
1)最初の半角アルファベット2文字

(例:TH

そのプロジェクトの頭文字を2字、アルファベットで付ける。三番目以降の文字は他のプロジェクトでも全く同じ文字となる可能性は多い。間違って他のディレクトリに保存した場合、元のファイルに上書きしてしまう。そういう危険性を回避する為、最初の2文字はプロジェクト毎に必ず変える。同じ文字は2度使わないこと。
2)中間の全角漢字2文字

(例:平面

図面の内容が解る文字を、漢字で2文字付ける。[仕上][立面][平詳]等と付ける。
3)最後の半角アルファベット・数字2文字

(例:02

図面を区別する為、半角のアルファベット又は数字で2文字。1階:[01]、5階:[05]、南立面:[3S]等という具合に付ける。

以上を参考に、ファイル名の付け方は独自に工夫して下さい。

トップページへ