使って便利なキー入力
JW_CADでの全ての作業はマウス操作のみでも可能である。しかし、大部分のコマンド操作はキー入力でも可能である。通常は、マウス操作を中心として、必要に応じてキー入力を併用して行なわれているものと思う。
ここでは使って便利なキー入力について解説する。
1.数値入力時の計算機能
数値入力を電卓片手でやっていませんか? 簡単な四則計算なら計算式をキー入力することで出来ます。
例えば
(500+300)÷3=266.66の場合 | [500+300]/3とキー入力すれば266.66とキー入力したと同じ結果です |
足し算 | + |
引き算 | − |
( ) | [ ] |
ベキ乗 | ^ |
掛け算 | *(アスタリスク) |
割 算 | /(スラッシュ) |
π(3.1415) | p |
前 回 値 | @(アットマーク) |
以上の計算式が使えます。
2.角度入力時の便利なキー入力
勾配屋根などを作図する時、[角度]を電卓片手でやっていませんか?キー入力で[//]を使うと一発で角度入力が可能です。
例えば
右上がり3寸勾配 | //0.3 |
右下がり6寸勾配 | -//0.6 |
軸角変更で、角度を同じようにキー入力しても可能。
また、角度取得は作図画面上に、同じ角度の線又は直角な線があれば、その線を左ボタンドラッグ(直角方向角度取得は右ボタンドラッグ)を下方向に実行すれば、角度取得が出来ます。 |
角度を直接入力する場合、[°]はキーボードにはありません。JW_CADでは色々な入力方法を用意してあります。例えば[12°20′15″]の場合
[12+20′15″][12@@20@15@]または[12**20*15*]で
[12°20′15″]となる。
3.XY座標入力時に使う矢印キー
XY座標入力時に、X軸またはY軸に平行な位置指定するケースは意外と多い。そんな時、平行位置の[数値入力+矢印キー]だけで可能です。
例えば
X方向右に1,000、通常のキー入力[1000,0] | [1000]とキー入力後矢印キーで[→] |
X方向左に1,000、通常のキー入力[−1000,0] | [1000]とキー入力後矢印キーで[←] |
Y方向下に1,000、通常のキー入力[0,-1000] | [1000]とキー入力後矢印キーで[↓] |
Y方向上に1,000、通常のキー入力[0,1000] | [1000]とキー入力後矢印キーで[↑] |
また、X軸・Y軸共、同じ数値を指定する場合は、数値入力後[リターン]で可能。
[-1,000,-1,000] | [-1000]とキー入力後[エンター(リターン)] |
4.範囲指定で使うファンクションキー
範囲指定した時、選択されたデータが赤表示になり、一番上のメッセージバーに[F1〜F10]のメッセージがでます。この時ファンクションキーを押すと、指定したデータのみが赤表示になり、[範囲確定]で実行。
対応キー内容は、
F1 | 登録 選択したデータを登録。登録したデータは次回の範囲確定時に使用可。 |
F2 | ハッチ線のみ |
F3 | 補助線のみ |
F4 | ハッチ線以外 |
F5 | 補助線以外 |
F6 | 実点のみ |
F7 | 円弧のみ |
F8 | 図形読込したデータのみ |
F9 | 寸法のみ |
F10 | 建具データのみ |
例えば、DXF変換する場合、補助線は点線に変換されてしまう。[消去]コマンドで図面全体を範囲指定し、[F3]キーを押すと補助線のみが選択され、範囲確定で実行。補助線だけが消去される。
また、[移動]・[複写]コマンドを選択すると、範囲指定する前にメッセージバーに[F1〜F10]のメッセージがでます。この時ファンクションキーを押すと、前述した内容と違う機能となり、指定したデータのみが赤表示になり、確定します。
対応キー内容は、
現在編集中の全データに対して | |
F1 | 登録 選択したデータを登録。登録したデータは次回の範囲確定時に使用可 |
F2 | F2を押した後範囲指定した文字データのみ |
F3 | 書込みレイヤの線・円・円弧・点データのみ |
F4 | 書込みレイヤ文字データのみ |
F5 | 書込みレイヤの全てのデータ |
合成されたデータのみに対して | |
F6 | F6を押した後範囲指定した線・円・円弧・点データのみ |
F7 | F7を押した後範囲指定した文字データのみ |
F8 | 書込みレイヤの線・円・円弧・点データのみ |
F9 | 書込みレイヤ文字データのみ |
F10 | 書込みレイヤの全てのデータ |
又、ファンクションキー以外に、二つ以上のキーを押して特定の線・円のみの選択が可能となる機能もあります。
[Shift]+[Ctrl] | 書込み用の線色・線種の線・円のみの選択可 |
[Shift]+[Alt] | 書込みレイヤの線・円のみの選択可 |
[Shift]+[Ctrl]+[Alt] | 書込み用の線色・線種・レイヤの線・円のみの選択可 |
5.[+][/]で使うファンクションキー
[+][/]コマンド実行時、ファンクションキーに色々な機能が割り当てられている。ファンクションキーをを1回押すと1回のみの実行、2回押すと「常駐」となり、何回でも実行可能、[F10]キーでクリア。ファンクションキーを押すと、メセージバーの下にその機能がサブメセージとして表示される。
F1 | 始点に実点を書く |
F2 | 終点に実点を書く |
F3 | 始点と終点に実点を書く |
F4 | 始点と終点に実点を書き、線の長さ寸法を書く |
F5 | 線の長さ寸法のみを書く |
F6 | 始点に矢印を書く |
F7 | 終点に矢印を書く |
F8 | 始点と終点に矢印を書く |
F9 | 始点と終点に矢印を書き、線の長さ寸法を書く |
F10 | 設定をクリア |
尚、書き込まれる実点・矢印・寸法値は[寸法]の[9)設定]に依る。
6.スナップ時に使うキー
各コマンド使用中に、[Shift][Ctrl][Alt]キーを押しながらクリックすると、色々なスナップ機能が使えます。[Shift][Ctrl][Alt]キーを押すと、サブメセージが現れます。その時のみ使用可。
又、同じ機能のスナップがマウスのドラッグ操作でも使えます。
キー入力で | スナップ機能 | マウス操作で |
[Shift]+クリック | 線上、円周上へのスナップ | 右ボタン左方向ドラッグ |
[Alt]+クリック | 線の中間点、円の中心、A点B点間の中間点へのスナップ | 右ボタン右方向ドラッグ |
[Ctrl]+クリック | 円周上の1/4点へのスナップ、[+][/]コマンド時は線の鉛直方向にスナップ | 右ボタン上方向ドラッグ |
円の中心に文字を配置する時、[Alt]+クリックで円を選択し、[文字]の位置を[中中]で記入すると、中心位置に文字が配置される。
7.各種ショートカットキー
JW_CADには、各種のショートカットキーが割り当てられています。尚、このショートカットキーは全てJW_CADの画面上に表示してあります。但し、ズームバーのショートカットキーは「NEC-98」キーボード用です。
例えば、
メッセージバーの1)、2)、3)等の数字は、同じ数値をキー入力すれば、そこをクリックするのと同じ結果が得られます。
メニューウィンドウの各コマンドの右横のアルファベットもショートカットキー(大文字、小文字の区別あり)です。キーボードからこのアルファベットをキー入力すれば、そのコマンドにジャンプ出来ます。又、このショートカットキーは[オプション]の[6)各設定][3)コマンドキー」でカスタマイズが可能です。
ズームバーの各コマンドの右横のキーもショートカットキーです。でも「NEC-98」キーボード用なのでDOS/V機は下の様に読み替えて下さい。
[NFER]は[無変換]
[XFER]は[前候補・変換]
ショートカットキーを併用して作図作業すると、一段と作業効率を上げることが出来ます。
JW_CADの画面上に表示されている「文字」「記号」には全てに意味があります。[・][|]も意味を持っています。そのことを頭に入れて、今一度、JW_CADの画面を見てみましょう、まだ誰も知らない新しい機能が見つかるかもしれません。