内なる宇宙・T

D:「ビッグバン」って知っとうやろう?

e:金融制度改革のことやろう。

D:それは金融界のビッグバンのことたい。俺が言いよるのは「宇宙のビッグバン」。

n:その「宇宙のビッグバン」がどうしたと?

D:簡単に言うと、『150憶年前、巨大な爆発がありそれが宇宙の誕生である。宇宙の中心から宇宙の果てまでは150憶光年の広さがあり、それは今も膨張を続けている。っちゅうのが「宇宙のビッグバン」なんよ。150憶光年って、想像できんような広さやろう。

n:1年を1秒として、1憶年が3年ぐらいで、150憶年ってその150倍やから450年。1,2,3,...って数を数えても、一生かかっても150憶までは数えきらん、ってことやね。そして1光年が、9.46Kmの1兆倍やから.....、チョット想像が及ばん様な広さやね。

D:それと同じ「広大な宇宙」が、我々の頭、「頭脳」の中にもある。っていう話をしようと思うとるんやけど。

e:エ〜ッ、そんな広大な宇宙が俺の頭の中にある、っていうわけ?

D:でも、150憶光年先の宇宙の果て、っていうのも実際に誰かが見て来たわけやなくて、理論上そうなる、っていうことで言替えれば想像上のものなんよ。「150憶光年の広さの宇宙」理論を唱えた人の頭の中には、それを受け入れるだけの広さが「頭脳」の中にある、ってことやろう。

n:そしたら、「150憶光年の広さの宇宙」という理論を知らんやったら俺達の頭の中には、そんな広大な宇宙そのものも無い、ってことになるんやない。

D:あんたの言うとおり。現在、「宇宙」というのが一番広い空間として捉えられているわけやから、「内なる宇宙」の広さは、宇宙物理学で言う「宇宙の広さ」に準じる、ってことになる。

e:それやったら、「内なる宇宙」の広さは時代によっても大きく違ってくる、ってことになるわけやね。

D:現代人と江戸時代人の「内なる宇宙」の広さは大きく違うやろうね。例えば「霜降りの青い惑星」像といえば、それが地球の姿であることは現代人なら誰でも分かる。しかし、江戸時代人にそれが自分たちが生きている地球の姿であることを理解させるには相当な苦労を伴うことになる、って思う。また、その空間的な広さを理解させることまで出来るだろうか?ってなると甚だ疑問になってしまう。
これは、単に「時代が違う」ってことやなくて、その人が受け取ってきた「情報」の質と量の問題、ってことなんやない。
元々、人間の「創造性」そのものが、その人が受け取った「情報」に大きく左右されとるんやない。

n:そうなると、「内なる宇宙」像も「時代」によって違うし、その人が受け取った「情報」によっても違ってくる、ってことやない。現代人である俺の「内なる宇宙」と現代人であるあんたの「内なる宇宙」は違う、ってこと?

D:当然違う、ってことやね。しかし、「内なる宇宙」をミクロの視点でみた場合「違うもの」もあるし、「同じもの」もある。「霜降りの青い惑星」像は俺もあんたも頭に描くことができ、そこから「宇宙船地球号」という概念もお互い持つことが可能やけど、俺の宇宙にある「冥王星」像があんたの宇宙に同じ像として存在するとは限らんやろう。そして、俺の「冥王星」像をあんたの宇宙に投影させたい、って思った時お互いの情報のやり取りで解決するしかないやけど。でも、これが以外と難しいことなんやね。
 お互いのコミュニケーションにとって、何が「同じもの」で何が「違うもの」か?、これをお互いが認識出来てないと、コミュニケーションに重大な齟齬を発生させてしまう。

n:「内なる宇宙」って、コミュニケーションを困難にするほど、お互いそんなに違うもんなんやろうか?

D:上手くコミュニケーションがとれている内は「内なる宇宙」像も同じ視点で見てる、ってことやけど、コミュニケーションが上手くとれてない場合は、お互いの「内なる宇宙」像やその視点が違ってる、ってことやない。マクロの視点から見て、俺とあんたの「内なる宇宙」は同じように見えても、その「内なる宇宙」の中心がどこにあるか?ってことによってもコミュニケーションにズレが生じてしまう。

e:議論してて、どうもお互いの視点がずれてる、ってことはよくあることやけど。それって
「内なる宇宙」が原因?

n:俺達の宇宙像って、水、金、地、火、木..って言う太陽を中心とした銀河系ぐらいが具体
像で、それより外の宇宙空間って漠然としてる。でもこれって大概の人に共通する宇宙像なんやない。

D:「共有できる宇宙空間」と「共有できない宇宙空間」って言うのも重要な問題で、最初に言うたように現代人の宇宙像は想像を超えた空間を擁する「広大な宇宙」像になっとる。江戸時代人の宇宙空間と比べると巨大に膨らんどる。でも、その巨大に膨らんだのは「共有できない宇宙空間」であって、「共有できる宇宙空間」はほんの少ししか膨らんどらん。って思うとる。

e:あんたの言うとることは何となく分かるけど、その「共有できる・共有できない宇宙」って、何か問題があると?

D:問題「その一」、
「共有できない宇宙」に、余人が考えもしない惑星が出現するかも知れん。人間の創造性ってのは、何でもアリってことやから。
問題「その二」、
「共有できる宇宙」に比べて「共有できない宇宙」の方が巨大になりつつある。放って置くと「共有できない宇宙」は益々大きくなる。
問題「その三」、
「共有できない宇宙」に比べて、ほんの小さな空間に成りつつある「共有できる宇宙」を、拡張・強化するための手法が確立されていない。

n:俺も、もう一度銀河系のことを勉強し直さないかんかな?

e:おい、おい、今話してるのはそんなことじゃね〜だろう...

D:「共有できない宇宙」についてはまた別の機会に話そうかね。

 

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