コンサート評

ヨアフ・タルミ指揮
NHK交響楽団
ジェームズ・エーネス(vn)

2004年6月27日(日)15:00 愛知県芸術劇場 コンサートホール
ボロディン:「イーゴリ公」序曲
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲
バッハ? (アンコール曲)
ドヴォルザーク:交響曲第8番


 今回はNHK交響楽団の愛知県芸術劇場シリーズということで,6月定期のAプロと同内容が愛知県芸術劇場コンサートホールで公演されたので行ってきました。
 ちなみに,愛知県芸術劇場は名古屋の栄にある愛知芸術文化センターという地上15階地下5階の建物の中にあって,コンサートホールはこの4階部分がエントランスとなってます。
 演目は好みの曲ばかりなので期待していた反面,そこそこの演奏じゃ満足できないだろうな・・・という予感もしてました。席は3階4列27番で,ステージ全体が余裕で見渡せる非常に高い場所だったのですが,これも音響的な不安があったりして。
 いよいよ開演。指揮者のタルミは真っ白な上着で出てきて目を引いてました。
 ボロディンの「イーゴリ公」序曲は,ロシア的な流麗なメロディよりも力強さを重視した演奏でしたが,どうも弦と管がズレてるような印象でいまいちでした。
 続いて期待のシベリウスのヴァイオリン協奏曲ですが,こちらはなかなか良かったです。前の曲と同じく力強く押してくるオケに対し,ソリストのエーネスは美音系のヴァイオリンで対抗。この曲だけでいえば,もう少しヴァイオリンもパワーで押してもいいとは思ったのだけど,この人の奏でる音自体はすごく私好みでした。アンコールはバッハの無伴奏の何かだったと思うのだけど(確証なし),こちらも綺麗な演奏でした。客席の反応もよく,これがこの日一番の拍手だったかも・・・。
 休憩を挟んで,ドヴォルザークの交響曲第8番。これも力強さを重視した演奏でして,ふだんC.デイヴィスのすっきり系演奏に慣れてる身にはやはりちょっと馴染めなかったかも。もうちょっとこの曲のおいしい部分も味わわせて欲しかったです。
 この日の全体の印象としては「まあまあ」。客席からブラボーの声もなかったし。まあ私が聴いててゾクゾクする感じもなかったのは,演奏以外の要因があったかもしれないけど(後ろの席の子供(ほんとうに小学生か?)がまるで集中力無くて,こっちの集中力も途絶え気味だった(笑))。N響は指揮者の意向を汲んでいたのか終始非常に力強い演奏で応えていて,特にコントラバスは好調だったように思う。この人たちは開演前からステージでずっと調弦してたしね。金管も力強かったけど,こちらはちょっと弦・木管からはバランスが合ってないようにも感じました(特にボロディン)。


 次回は10月23日,大阪センチュリー交響楽団の京都公演を(当然京都まで)聴きに行く予定。お目当てはピアノのダン・タイ・ソン。曲目では今回と同じドヴォルザークの8番もあるので比較も楽しみ。


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巫音 月雪
fusetan@mti.biglobe.ne.jp

04.06.29 初稿