姉貴がチケット買ってきて見に行ってこいとはいうものの、今日(三月三日。って先週ぢゃないか)が最終日だったのであわてて行ってきました。なんか一週間限定の上映とか映画館に張り出してあったような。制作費百三十億円、シェンムーの倍の予算をかけた映画が1週間。あまりの無常さに涙が出そうでした(出なかったけど。ちなみにあとで姉貴に聞いたところ、別の映画館でやってたのが不人気で移動したんだそうで)。
それはともかく、13ウォーリアーズですが、……北欧版七人の侍です。以上。じゃなくて。
マイケル・クライトン氏が原作だそうですが、たぶん原作はもっと読み応えのある内容なんじゃなかろうかとは、思います。ファンタジー好きがそそられるようなネタの断片は、いくつも映画の中に見られますし。
しかしだからといって映画がつまらないというわけでなく、普通のドラマ部分をバッサリと切り落とした戦いのドラマは非常に潔くて好きです。戦闘は派手さやスピード感はありませんが重厚で、この辺も七人の侍というか黒澤風というか。敵側の無気味さ、強さ、恐ろしさもうまく表現できていて好きです。ただクライマックスの戦闘は、……納得行くか行かないかの瀬戸際という感じがします。
この春はわりと通好みの話題作が目白押しで、時期的に悪かったという感じもしますが、まあ、時期がよくても大ヒットにはならなかったと思います。ごつごつして、重くて、切れ味の鈍い、戦闘がメインの男臭い話ですし。でもあっしは好きです。
ビデオレンタルでおっぱい系のエロビデオでも探そうかとうろついてた時、「おっ、パイだ(サイテー)」と置いてあるのを見つけ、借りてきました。ごめんなさい、一部ウソです。いっしょに借りたエロビデオはコ(以下削除)。
それはともかく、πですが、低予算で派手な視覚効果や大げさな舞台を使わなくても質の高いSFは作れるといういいお手本です。四畳半の部屋から無限の宇宙、森羅万象を思う心こそが本格SFの基本なのではないでしょうか。
森羅万象のすべてが代入でき、宇宙のすべてを予測できる一つの美しい数式……神の方程式。それは科学者、数学者たちの永遠の夢です。いや、数式が数学者の言語であるとするのならば……それは究極の言葉、呪文、神の名前……と、言いかえられるかもしれません。それは人類の永遠の夢です。
しかしそこにたどり着くまでの道は果てしなく遠く、何等かの偶然でひと足飛びにたどり着いたところが答えなのかは誰にもわかりません。というよりほぼ間違いなく妄想なのですが(いわゆるトンデモという奴ですな)。
禁断の扉を開いた副作用なのか、それともただの妄想なのか……究極の答えを求めて神経を砥ぎ澄ませた主人公の悪夢のような心理を、この作品では優れたセンスの映像で見せてくれます。主人公が常に苛まれる頭痛のシーンは、見ていてほんとに頭が痛くなりました。頭痛持ちは見ちゃだめ。
ストーリーは、数学系のSFだから高度な数学用語がわからないとだめというわけでなく、数学で宇宙を語るとはどういうことかを説明した、哲学的なものです。そこにうまくトンデモ系が陥りがちな罠も含め、退屈のしない感じに仕上がっています。
そんなに間口が広いわけではありませんが、バカっぽい映画に飽きたときなどにはいいんじゃないでしょうか。ただし頭痛持ちの人は、あらかじめ頭痛薬を飲んでおいた方がいいかも。
現在ニフティサーブ・ホラー映画フォーラムを賑わしている話題作ということで、借りてきました。いや、あまりに評判がいいもので。ホラー映画フォーラムの方々だけでなく、実際にホラー映画を撮影している方々もこの作品を絶賛し、引退を考えた人までいるそうで。
思いっきり身構えてしまったせいか(あと期待のしすぎ)、そんなには怖くなかったです。しかし恐怖演出は優れており、あらゆる手段を用いて観客を怖がらせてくれます。その幅の広さは、さながら国産ホラー映画の集大成といったところでしょうか。
ストーリーは、ある1件の家を中心に、同じ場所で違う時間に起きた出来事、同じ時間に違う場所で起きた出来事をいくつかのエピソードに細かく切り分けて見せています。一時間ちょっとの作品を六個くらいに分けているのですが、その一つ一つに見せ場やオチが用意されており、高いテンションを維持させています。それでいながらすべてのエピソードはつながっており、全体での恐怖の広がりさえ見せつけています。
監督の清水嵩氏は新人だそうですが、関西で放映された学校の怪談Gで印象的な短編を撮影し注目されたそうです。
あっしも詳しくは言えないのですが、たぶん日本のホラー映画界が積み上げてきたもののすべてが、この作品に集約されていると言っていいのではないでしょうか。構成がうまく飽きさせないし、いかなるホラー映画の達人と言えど、すべての要素をかわしきることはまず不可能でしょう。怖い思いをしたいというなら、これを見ればまず間違いはありません。
呪怨を借りるにあたって、呪怨が死ぬほど怖かった際の保険として、クズっぽいホラーを……ということで、借りてきました。チープな作品で健全経営のトロマ社が製作ということだし。
最初の5分で「こりゃ学生映画だよ」という感じで。真面目に作っているにしてはしょうもないし、ギャグにしてはスベりがちで、あっしは早送りで見ました。視覚効果や特殊メイクも見るべきものがほとんどなく、まったく広がりを持たせられないストーリーがダラダラ続くだけという感じです。
この作品、脚本、監督、編集、主演がロナルド・K・アームストロング氏の手によるもので、製作のRKA・シネマ・クリエーションというのもアームストロング氏の会社あるいは団体、サークルのようです。きっとトロマ社はこの作品を安く買い叩いて配給しただけでしょう。
翻訳の人が、主人公の会社を「オダブツ駆除社」と訳していたのが一番面白かったです。でもまあ、笑いのセンスは人それぞれですし。
前売り券が千円でポスターがついてくるということで買っておいたので、行ってきました。しかしポスターやチラシに力が入っているくせに、パンフレットはおろかプレスシートさえないのな。売り切れていたのでは当然なく、作っていないらしいです。そのポスターやチラシの絵は、一つ一つの要素については嘘ではないのに……なんでこんなにかっこいいんだろう?(ヲイ)
それはともかく作品ですが、モンスター映画の基本的な押さえどころは押さえている感じです。少ない登場人物をうまくやりくりしてテンションも維持させていますし。でもやっぱり登場人物が少なすぎ、そのため殺される人数も絶対的に少なくモンスター映画的なカタルシスには大きく欠けました。ドラマ的には結構よく組んであるし好きなのですが。
で、肝心のコモドオオトカゲ(絶滅危惧種だから殺せない<一部ウソ)ですが……CGとアニマトロニクスを活かして、見られるレベルにはなっています。ただ、人とのからみ(平たく言えば、人が食われる場面)をCGでやるのは難しいのか、歩く場面だけ、という感じなのが。逆にアニマトロニクスが作品の救いになっています。
一方のドラマ部分は結構まとまっているような感じがします。ドラマとモンスターがわりあいしっくりとなじんでいるし。脚本はアナコンダの人だそうで、確かにアナコンダもドラマ作りが結構よく、またヘビハンターのジョン・ボイド氏のほうがヘビより怖いと評判でした。
ところで「迫り来る驚異の"コモド・サウンド"方式!」なんて、往年の東宝東和系ホラー映画を彷彿とさせるサギ同然の音響効果をチラシなどで謳っていましたが、その正体は、上映している銀座シネパトスの近くを走る地下鉄の轟音でした(タブン チガウ)。作品の感じとうまくマッチしていてよかったです。
これは映画館でカッコいいチラシをもらって、コモド・サウンドを体感した方がいいです。その方が少しでも面白くこの作品を楽しめるでしょう。作品自体は宣伝倒れというか、派手さやバカさに欠けますが。あ、ちなみに取り込んだ奴は、チラシではなく150円で買ったポストカード(絵柄は同じ。ロゴや惹句が入っていない)です。
親父が急に、何のあてもなく映画を見ようと言い出したので、あわてて調べた結果親父には遠い空の向こうにを見てもらって、あっしはその隣でこれを見る事になりました。ちなみに13ウォーリアーズを見た映画館だ。13ウォーリアーズと違ってえらい大盛況(アタリマエ)。
それはともかくトイストーリー2ですが、……いいです。1、2回泣きそうになりました。今回も前回以上に文字通りのトイ・ストーリー……おもちゃの物語です。
ストーリーは、子供でも飽きないように笑わせたりワクワクさせたりするシーンを細かく入れて、見事に作られています。CGの表現力については、もちろん格段の進歩があるわけですが、話にグイグイと引き込まれているとそんなことはどうでもよくなってしまいます。CGには心がこもっていないなんていう人は、この作品を見ないとだめです。
話は単純に面白いというだけでなく、観客の胸の小さな傷あとをくすぐる、「大きいお兄さん」でなく子供の心を持った大人が送るいいドラマが込められています。
小さいころ、おもちゃのロボットがビームやミサイルを発射し、テレビの中でしか見られないはずの活躍が目の前で展開された事があったはずです。女の子もおもちゃや人形で構成された自分だけの家族とのだんらんを過ごした事があったでしょう。それがバカらしく、または恥ずかしくなったのはいつの事でしょうか。
子供はおもちゃを卒業していきます。そして子供が成長すると、おもちゃは子供に忘れられ捨てられる運命が待っているのです。どんなに愛されていても、ある時ベッドの下に転げ落ちたきり探してもらえなくなる時が来るのです……その残酷な運命を正面から捉えていて、もちろんハッピーエンドの楽しい話ながら心に残る作品になっています。
今回の悪役は、おもちゃを投機の対象、プレミアのつくアイテムとしか考えていないマニアだったりブリスターというか箱から出されずに遊ばれる事を知らないおもちゃだったりと、本当に細かいところまでおもちゃについて考えた話になっています。それとは離れますが今回のある新キャラのエピソードは、暗い展開と言われたエピソード1を笑い飛ばすような健全さがあっていいです。
現役の子供、そしてかつて子供だったころを覚えている大人には必見の作品と言えるでしょう。見ていて心が暖かくなる、いい作品です。
なんかホラーというより爆笑作品なんて評判があったりして、とにかく見てみようと。
10から20分くらい遅れてしまったのでその分は見ていないのですが、たぶん見てもそんなに評価は変わらないかもしれません。で、その評価はというと……和ものクズ映画のよさげなところを切り張りしたような、より完全な和ものクズ映画です。
雰囲気がチープで作りがデタラメで、話はかなり破綻している感じですが、すべて狙ってやっていることなので、そういうことに文句を言うのは無粋というものでしょう。観客の意表をついてベタなネタを持って来るやり方はとてもうまく、作品内に散りばめられている要素が好きなら、飽きることはないでしょう。ただ狙って作っている分、良くも悪くも安定している感じはします。
問題はネタなんですが、……まあその、メジャー系の映画を喜んで見るような人には、お薦めできません。人間の腐ったところを笑って見られるような感性の持ち主なら、きっと気に入るでしょう。ヲレはワイドショーやお昼のドラマを見るのもイヤなくらいご清潔なもんで、面白いとは思ったけど感性が合いませんでした。
まあとりあえず好みの(ドンナ)映画を求めてこのページにフラリとやってきたような人なら、見てみる価値はあるんではないでしょうか。完成度は高いというか、狙い通りに作っていると思うので、あとは好みの問題だと思います。
なんとなくエロビデオを借りようと思ってビデオレンタルに行ったら入荷していたので、借りてきました。ちなみにその時借りたエ(以下削除)。
ロックバンドのギターウルフ主演の、ブレイドやシックスストリングサムライ系のキメキメ映画です。娯楽映画の色々な要素を詰め込んで、ロケンロールでビシッと引き締めた感じは実に面白く、飽きさせません。
全編フィリピンでロケをしたということですが、この作品の無国籍性がバッチリ出ているのと同時に物価が安く規制も緩いので派手なアクションなども思いきりやっています。フィリピンロケで浮いたお金をCGにあて、ふんだんに見せ場のある娯楽作品に仕上がっています。
銃で頭を吹っ飛ばすシーンにCGを使うのはなかなか面白いアイディアだと思いました。たぶん役者の頭をいったん消して、頭が吹っ飛ぶアニメーションを書き加えたのでしょう。現在では特殊メイクよりも撮影にかかるコストや時間が軽減できそうですね。
なんというか、きっちりいい具合にお金を使っているところが妙に気に入っています。ブレイドやシックスストリングサムライが好きな人は、ぜひ。
千葉県の方に三千円くらいするけどリクライニングシートで殿様気分なプレミアムシートがあるという話で、親父が行ってみたいと。そこで上映されてるのがこれだったので。
原作は、ホラー映画の"帝王"、スティーブン・キング氏。しかし氏の小説を映像化したものは、特にホラーだとあまりいいものはなく(デッドゾーンやシャイニングといった例外はあるけど)、実はホラーから少し離れた作品のほうが(スタンド・バイ・ミーとかショーシャンクの空にとか)、評価の高い作品が多い感じがします。
そして本作は、ファンタジー色は強いものの、ホラーとか、いわゆるジャンル作品とは少し離れた路線で、監督はショーシャンクの空にを手がけたフランク・ダラボン氏。という意味では、だいぶ「当たり」なのではないかなんて予想をしてみたりとか。で、実際のところは……当たりです。
あっしも語れるほど多く読んでるわけではありませんが、キング氏の作風は、細かいディテールを積み重ねてリアリティを固めていくところがあると思います。本作はその作風をうまく取り込んで、観客の興味を引く要素を盛り込みつつも、その周囲を、一見何気ない情景を丹念に描くことでしっかりと固めています。だから三時間越えるんだよなぁ。
しかし三時間を超えるといっても、話はきっちりと組み立てられていて中だるみとかはありません。原作はさらにボリュームがあるらしいので、これでもかなり絞りこんだようです。
スピルバーグ監督が試写会で四回泣いたという内容ですが、……あっしは泣きませんでした。それでも何度か、突き上げてくるものはありました。最後になにか圧倒的な爆発があるような形でなく、考えさせる奥深い方向にゆっくりと終わらせる感じなのが、涙腺を決壊させるに至らなかった原因かも知れません。しかし泣けなかったからといってだめなのではなく、感動は爆発でなく長く静かに燃焼しているのです。
泣ける!感動!を期待して見に行くとどこか外される感じはすると思います。しかし良質な内容である事には、変わりはありません。いい映画を見たいというのなら、いいかもしれません。
なにげにエロビデオ借りようと近所のビデオレンタルに行ったら(最近こればっかりやん)ちょうど置いてあったので借りてきました。ちなみにその時借り(以下削除)。
前作の続編というか、一本にするには尺が長すぎて分けたようにも見えます。今回は前作最後のエピソードでちらつかせた「増殖する恐怖(最近の国産ホラー、いわゆるJホラーの得意技という感じもするけど)」をかなり前に出した感じになっています。
各エピソードは前回と比べると連続性が強くなっていますが、それでも適度に切り分けられたエピソードはテンションの高さを維持させるに充分なものがあります。たぶん前作といっしょに見ると、その効果はより強く現れるのではないでしょうか。
そして今回も恐怖演出は優れており、例によって手段を選ばず観客を恐がらせてくれます。特に今回は昼間の恐怖シーンが結構多く、強い光は闇を祓うだけでなく、逆により濃い闇を作り出すのだといっているかのようです。
本作も恐い思いをしたいという人は、必見です。できれば前作といっしょに借りて、続けて見るといいかもしれません。できればこううまく編集して、合わせて一本の作品とするとさらにいいかも。ちなみに未確認情報ですが、学校の階段Gのエピソードも、呪怨とリンクしているらしいです。できれば、これもいっしょに。