THE BOOM

No Control

1999年7月17日 新潟テルサ


シンプルな編成での久々のツアー

 約3年間活動を停止していたTHE BOOM。その間も宮沢和史のソロ活動があったので、それほど久しぶりという感じはしないのですが、ついにデビュー10周年を迎えました。
 スカ、沖縄、ブラジルと音楽性を変えているのに、同じメンバーで10年間活動しているというのは結構すごいことですよね。数年前のブラジル路線の頃は20人近いツアーメンバーで大サンバ大会だったわけですが、今回はシンプルにG,Key×2,Per をサポートに加えての8人編成。特にギターの人はかなり若そうで、「ゆず」みたいに見えなくもなかった(笑)。


祝・10周年

 10周年ということで、新作“No Control”の曲を中心にしつつも、初期の曲も沢山演奏し、原点を再確認という感じの内容。ドラムの栃木さんにMCさせたり、メンバー4人で座り込んで話したり、アットホームな雰囲気のライブでした。客が少なかったせいもあると思うけどね(笑)。テルサは半分くらいしか埋まらなかった。PA席から後ろはガラ空き。最近はヒット曲もないし、仕方ないか。
 最近のTHE BOOMは、宮沢和史のプロジェクトみたいなイメージもあるけど、やっぱりバンドで演奏する時の宮沢はイキイキしているように思う。ソロのAfrosickでの演奏のような気負いがない。また、あまりTHE BOOMのメンバーをミュージシャンとして評価する声って聞いたことないけど、特に小林孝至は素晴らしいギタリストだと思う。民族色の強いTHE BOOMのサウンドに切り込んでくるロック・ギターは最高にカッコいい。普通のロック・ギタリストなら、THE BOOMみたいなバンドはさっさと脱退してしまうと思うけど、民族音楽路線にもきっちり対応できる柔軟性もある。
 ま、早い話がTHE BOOMはいいバンドだということです。


宮沢和史へのリスペクト

 僕は宮沢和史というアーティストをとても尊敬している。それは他者へのリスペクトを素直に表現できる人だからだ。“手紙”の中では「僕はギターとマイクを置いて、そいつの歌に夢中になっているかもしれない」と歌い、新作の“敬称略”は同時代のアーティスト達への賛歌だ。こういう姿勢があるからこそ、沖縄音楽やブラジル音楽を取り入れた時、現地からも好意的に受け入れられるのだろう。多分、ここが田島貴男と宮沢和史の最大の違いだと思う。
 ちなみに“敬称略”で「金貸してくれ」と言われているのは、やはり小室哲哉(CDでは「ピー」になっている)でした(笑)。

 



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