SONYがバックアップして企画されたこのイベント、かなりWIRE99と企画がカブっていましたが、メンバー的にはこっちの方が良かったのではないでしょうか?
会場はあの宇多田ヒカルが初ライブを行ったことで、一躍お茶の間にまで(?)名前が浸透したZepp東京。新橋駅からゆりかもめに乗って行きましたが、いいロケーションですねぇ。
会場着が18時を過ぎていたので、Zepp東京に入るとヨコタ・ススムがもうプレイ中。かなり、というかモロにハウスな選曲で、「ヨコタ・ススムってハウスだったっけ?」という疑問を持ちつつも、パワフルなプレイに踊らされる。
Zepp東京、メチャメチャ音いいです。基本的にライブハウスなので、卓もPAスピーカーも会場常設だと思いますが、ハイからローまでバランスのとれた大迫力のサウンド。テクノ系のクラブ・イベント用には最高の場所でしょう。横浜アリーナでのWIRE99もかなりいい音を出していましたが、大バコゆえに会場内のどこでもベストな音響とはいかなかったのに対し、Zepp東京は1階も2階も最高のサウンドでした。
こんな早い時間帯で、いきなりの大物の登場。DJブースの後ろの幕が開くと、一段高くライブステージが組まれており、DJとライブの切り替えはスムーズでした。
ライブを観るのは初めてのケン・イシイ。一人で演るものと思っていたら、3人のサポート付きでした。ステージ中央にケン・イシイのミキサーとシンセ類、右側に民族系パーカッション、左側にエンジニア兼ミキサーらしき人と謎の女性マニュピレーター。BlueG3とApple
純正モニターが設置されていたので、Pro-Toolsを使っていたのかもしれません。
テクノのライブの場合、いかにリアルタイム性を出すかが課題ですが、生のパーカッションがいい味を加えており、ケン・イシイの手弾きのシンセとミキシングもサウンドにいいアクセントを加えていました。とにかく音がデカく、有無を言わさぬ迫力で、さすがはテクノの第一人者。映像ともきっちりリンクし、貫禄すら感じさせるライブでした。
2番手にして、いきなりのクライマックス。
最近色々なところで名前を聞く彼らですが、2人でDJセットを操るという珍しいプレイ。サンバのバトゥカーダ物でスタートし、ハードなハウスへ展開していきました。
プレイする方としては1時間は短いと思いますが、こういう長めのイベントでは聴く方としては丁度いい長さだったと思います。
私にとっては今回の目玉、ブンブン・サテライツ。ベース&ミキサーにギターというD.U.B.に近い編成(笑)なので、どういう演奏をするのか非常に興味がありました。
サポートにドラムを加え、一人はギター専門、もう一人がYAMAHA
03Dでライブ・ミックスしつつ、たまにベースも弾くという演奏。が、ギターはそれほど派手なプレイはなく、一番目立っていたのはドラム。もしかすると他の2人はいなくいてもいいかも(笑)。それじゃブンブン・サテライツじゃないか・・・
もっとギターもミキサーもガンガンにプレイして、ロックなサウンドを聴かせてほしかったなぁ。サウンドはすごく良かったし、演奏スタイルも独特なんだけど、そのスタイルをもっと生かしてほしい。
なんたって「ファンク船長」よ。自分の曲“TWIST&SHOUT”でスタートし、極上のパーティ・グルーヴの連発。10年前ならかなり間抜けなサウンドに聴こえたと思うんだけど、今の耳には非常に心地よい。DJによるネタ探しが70年代から80年代まで掘り尽くし、時代が一周したことを感じさせられる。
キャプテン・ファンク主催のパーティはかなり人気があるらしいですが、それも納得の楽しいプレイでした。
生ドラムンベース・バンドということで、すごく期待していたんですが、大したことなかった。ウッドベースもいるバンド演奏とはいえ、音作りは低音バリバリの完全クラブ仕様。しかし、ドラムがヘボく、グルーヴが弱い。客は結構盛り上がっていたけど、そんなに日本で人気あるのか?
この人は凄いよ! 初めて観たけど、まさにターンテーブルの魔術師。2台のターンテーブルとミキサーで、即興的に新しい曲を組み立てていく。エフェクターも駆使するそのプレイはもう神業に近い。
スクラッチが効果音ではなく、楽音として機能するその演奏(そう、あれはまさしく「演奏」だ。)は、ストイックで求道者的な美しさすら感じられる。
たった一人でも、ドラマーにもベーシストにもなれるDJという存在の可能性を再認識させられました。今回のイベントのベストアクト。
この人のことはよく知らない。確か音響系のサックス吹きだと雑誌で呼んだような記憶があったのだけど、出てきたのは普通のバンドセット。でもドラムの代わりにDJがいたんだったかな?(この辺は記憶が定かでない。)変なカッコをして、オルガンを弾いたりサックスを吹いたりしていた人がジミ・テナーだったんだろうなぁ。そういえば歌も唄っていたような気がする。
とにかく半分寝ていたので、よく覚えていないのだ(笑)。
普通のテクノだった、と思う。すまん、ここも寝ていた(笑)。
テクノ系のライブは、音源をループさせて卓でミュートするとか、ある程度のシーケンスを組んでおくとか、どういうやり方にせよMIDIの世話になるはずなのだけど、彼らはターンテーブルとサンプラー(Roland
SP-808)をDJミキサーに繋ぎ、MIDIシーケンスなしで曲を組み立てるらしい。
照明が凄くて、ステージ上でどんな作業をしているかは詳しくは分からなかったけれど、サウンドは素晴らしかった。テクノの「演奏」という意味では、一歩先を行くユニットだと思う。カッコ良かった。
さすがに夜中の3時ともなると意識も朦朧としてくるので、よく覚えてはいない(またか!?)のだけど、眠いけど踊らずにはいられない強力なプレイだったのは確か。しかし、DJブースで回しているのはハゲの白人DJなわけで、ある意味シュールな光景だった(笑)。
世界中のテクノDJの中でもジェフ・ミルズはもう別格だろう。なんと言っても「宇宙人」だからな(笑)。久しぶりにプレイを聴いたけど、相変わらずの凄さ。異常に早いピッチ合わせ、ミキサーを操る時の正確な動き、どう見ても普通の人間ではない。
それまではDJの間は後ろに幕が引かれ、ライブのセッティングが行われていたわけですが、最後のジェフのプレイではステージ全開で、照明もフル使用。明け方とはいえ、盛り上がらないわけがない。EQのカットやミュート等が絶妙のタイミングで挿入され、最高に気持ちいいプレイでした。最後はアンコールに2回応え、12時間にも及んだイベントを締めくくったのでした。