FUJI ROCK FESTIVAL '03

2003年7月26日(土)


2日目も天候不安定

 チケット売切となり、史上最高の人出となった2日目ですが、残念ながら朝からまた雨。昼頃にはようやく青空も見られるようになりましたが、夜にはまた雨が降り出しました。会場内の泥状態は全く回復せず、ゴム長靴を売る売店も出現。


DIRTY DOZEN BRASS BAND (GREEN STAGE)

 こういう土着系(?)のバンドも呼んでくれるから、フジロックはやめられない。ニューオリンズ好きのオヤジにはたまらない大所帯バンドですが、セカンドライン・ファンクなんて言葉は知らないであろう若い女の子達が笑顔で踊っているのを見ると、なんだか嬉しくなりますね。


電撃ネットワーク (RED MARQUEE)

 今やフジロックには欠かせない電撃ネットワーク。今回もレッド・マーキーは満員御礼で、入場制限がかかったそうです。
 The Mad Capsule Marketsとの共作シングルを発売するなど、一応はミュージシャンでもある彼等。今回のオープニングでは、4つ打ちビートをバックに普通のライブ(?)も見せてくれました。南部さんが「昨日の夜、雨の中アンダーワールドで踊る君たちに感動しました!」と言ってましたが、あの南部さんの口から「アンダーワールド」という言葉が出るなんて、なんだか意外(笑)。
 「ドライアイス大爆発」とか「睾丸でブロックを持ち上げる」とか、今回も強烈かつアホアホなパフォーマンスでしたが、一番凄かったネタは「生きたウナギの1本飲み」でした(笑)。


あなたはTシャツを何枚買いましたか?


場外のオフィシャル・ショップ


今年のTシャツNo.1は貴方に決定!

オレンジ・コートへと続くボードウォーク

 今年はヘブンのさらに奥にオレンジ・コートという新しいステージが出来ましたが、ホワイト・ステージの手前から林の中を突き抜ける近道が作られました。フジロッカー達がボランティアで作ったということで、床板には様々なメッセージが書き込まれていました。


DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN (ORANGE COURT)

 去年のホワイトステージで偶然ライブを観て、ビックリしたのがこのバンド。日本ノイズ界の重鎮・大友良英が脱退してしまったのが、ちょっと残念。
 ホーンセクションも含めた大編成バンドが、菊池成孔合図に従って次々に演奏を変えていく様子は、まるで生演奏DJミックスしているかのようでした。ROVOが好きな人なら、きっと気に入ると思いますよ。


オレンジ・コートは大混雑

 ジャズやアバンギャルド系の音楽性なので、そんなに集客力はないと思ったオレンジ・コートですが、今年渋滞が一番ひどかったのは意外にもここ。ヘブンとの間の通路が狭すぎましたね。一度足を踏み入れたら、なかなか外に出られないというブラックホール状態でした。


トイレに並ぶ大行列。30分以上かかりました。


こちらは出口に向かう大行列。しかも全然進まない。

外道 (FIELD OF HEAVEN)

 70年代の未発表ライブ音源が発売されたりして、再評価が進んでいる外道。噂には聞いていましたが、ステージ上には本当に鳥居が(笑)。
 音楽性はやはり古臭いかなと思いましたが、加納秀人のギターの迫力は本物ですね。歌舞伎みたいなカツラに、最初は観客も引き気味でしたが、最終的には外道ワールドに引き込まれていました。さすがの貫禄です。


ANTHRAX (WHITE STAGE)

 今年のラインナップを見た時、なぜか「アンスラは観なければ」と即決した自分が不思議だったのですが、演奏を観て納得。
 音楽的にはツーバス高速でドカドカいって、ギターザクザクとリズムを刻む典型的なスラッシュ・メタルですが、闘争心とバンドとしての結束感は、パブリックエネミーに共通するものがある。“BRING THE NOISE”で共演したのも必然性があったんだなぁ。
 テンポが速いせいなのか、1曲1曲がやたらと短く(笑)、なかなか気分爽快なライブでした。


ヘッド・バンギング発生中


PAエンジニアの太りっぷりがいかにも
白人メタルな雰囲気ですな(笑)。

PRIMAL SCREAM (GREEN STAGE)

 フジロックには、ほぼ常連と言っていいプライマル。今回も強烈なダンスビートで踊らせてくれましたが、2000年のライブと同じようなテイストの演奏だったので、ちょっとマンネリ気味?
 見た目にはいかにもロックンロールなバンドなのに、キック4つ打ちアナログシンセ音との同期演奏を平然とこなすあたり、つくづく不思議なバンドだ。


BJORK (GREEN STAGE)

 実はビョークにはそれほど期待してなかったんだけど、私が間違っていた。ビョーク、凄すぎるよ!
 もう40のオバサンのはずなのに、その立ち振る舞いは10代の少女のまま。まさに北欧の妖精だ。
 マトモスというエレクトロニカ2人組が基本的なバックトラックを担当し、その電子音の上に、弦楽器8人ハープ奏者のクラシカルなサウンドが乗るという実験的な演奏で、常識的にはポップ・ミュージックとして成立するとは思えないアバンギャルドなサウンド。しかし、そこにビョークのボーカルが加わると、不思議と全体のサウンドが溶け合っていく。
 途中、マトモスにプラスして、女性ミキサーがステージ中央の卓を操作し、ものすごいノイズを発生させていましたが、そんな電子音の嵐の中、平然と歌い続けるビョークにはビックリ。

 雨の野外という厳しい環境でしたが、凛としたビョークの姿とスリリングな演奏から一瞬たりとも目が離せないまま、ライブ終盤へ。“Hyper Ballad”でついに4つ打ちのリズムが鳴り響き、観客が歓声を上げた瞬間、ステージ裏から花火が!
 それまでの緊張した空気が一気に熱くなり、ビョークとともに観客の感情も爆発したこの瞬間の盛り上がりは本当に凄かった。苗場の山々に向かって、人々の魂が解き放たれていく様は、まさにフジロックならではの美しい光景でした。

 アンコール終了後、「アリガトウ」と日本語でMCしたビョークに、観客からも「ありがとう!」と声が飛ぶ。
 人間が人間らしく生きることの大切さと生命の喜び全身全霊で伝えてくれたビョーク。本当にありがとう。



7月27日レポートへ

Back to Menu