FUJI ROCK FESTIVAL '04

2004年7月31日(土)


2日目はついに雨

 前日の夜には軽く雨が降ったものの、朝の湯沢は快晴でした。ところが苗場に着いた途端にかなりの雨山の天気は本当に分からない。都会の若者達よ、「真夏だから雨に濡れても大丈夫」なんて甘い考えはダメですよ。


JAMAICA ALL STARS (GREEN STAGE)

 名前で分かる通り、伝統的レゲエ・バンド。フジロックでこういうストレートなレゲエのバンドは結構珍しいかも。雨のせいかお客さんは少なかったけど、楽しいライブでした。
 ボーカルの爺さん(おそらく70歳近い)がいい味だしていましたが、年をとっても若者相手に演奏できるなんて素敵な人生だなぁ。


Official Jimi Hendrix Tribute Band (GREEN STAGE)

 去年のビートルズ(笑)があったので、またコピーバンドか?と思っていたのですが、ミッチ・ミッチェルビリー・コックスって、本物ジミヘンバンドじゃん!
 演奏前、ドラムのミッチ・ミッチェルがMCで「私達はトリビュートバンドではない自分たちの音楽を演っている。しかし、彼(ジミヘン)を愛している。」というような内容を話していました。アーティストたるもの、誰かのコピーやマネではなく、自分の音楽を奏でるのが当然だとは思いますが、ちょっとこの企画の趣旨とは違うような・・・。
 そういえば、“Purple Haze”演らなかったよなぁ。“Little Wing”も聴きたかった。物足りなさを感じたのは、その辺が原因か?


スティービー・サラスが1曲ゲストで参加


22-20s (RED MARQUEE)

 UK出身の新人ブルースバンド、ということで全く予備知識なく観に行ってみたのですが、なかなか勢いがあっていいですね。今時のバンドにしては珍しくダンス・ミュージックの要素がないので、ブルース云々と紹介されるのかもしれないけど、アメリカ南部系の泥臭い雰囲気はなく、全速力で疾走する演奏はまさに現代的なロック・バンド。
 特にギター&ボーカルの男の子は、なかなかの腕前。彼の演奏に引っ張られて、他のメンバーも実力以上の力を引き出されているように感じました。これは結構大物になるかも。


Franz Ferdinand (GREEN STAGE)

 UKロック界、期待の新人バンドらしいですが、う〜ん、どう見ても一発屋だろ(笑)。
 はっきり言って演奏は下手。特に22-20sを観た後だけに下手さが目立ってしまう。ニューウェーブを下敷きにしているのは分かるし、ボーカルのアクションにはデビッド・バーンの影響を感じましたが、全体的に中途半端なんだよなぁ。こういう音楽をやるなら、やり過ぎくらいの自己演出が必要でしょう。


会場内・今年の改善点

 去年の大混雑の土曜日なんかは、トイレの行列に並ぶだけでも一苦労だったのですが、今年は結構スムーズでした。入場者全体が少なかったのもありますが、ホワイトとヘブンに男性用トイレが導入されて、回転が速くなったのも一因でしょう。
 また、オアシスエリアからトイレエリアへ新しい橋が架けられたのも、なかなか便利でした。
 苗場のフジロック、毎年進化しています。


こちらはホワイトの男性用トイレエリア


これってフジロックのための仮設の橋なのか?


BEN HARPER And The Innocent Criminals (GREEN STAGE)

 去年のWOWOWの放送を見て、ジミヘンが憑依したかのようにウネりまくる演奏にビックリしていたので、今年のライブには非常に期待していました。しかし、レゲエだ(笑)。いつまで待ってもジミヘンの霊は降りてこない。そうこうしているうちに、また雨が本格的に降ってきてしまい、テントへ退散しているうちに演奏終了。今年のベンは一体なんだったんだ・・・。


COURTNEY LOVE (GREEN STAGE)

 なんとか無事に来日してくれました(笑)。
 しかし、明らかに準備不足でした。は全然出ていないし、歌詞も覚えてない様子。コートニー用に譜面台が用意されてましたからね。ライブの構成も全然決まってないらしくて、ギタリストと歌詞カードを見ながら、次の曲を決めていました。しかし「FUCK!」と叫ぶ声だけは威勢よかった(笑)。
 なんだか精神的にも肉体的にもボロボロな感じでした。旦那みたいに早死にしないことを祈ります。


忌野清志郎 & NICE MIDDLE with NEWBLUE DAY HORNS (GREEN STAGE)

 ベースに中村キタロー、キーボードに厚見玲衣、ホーン隊にドクトル梅津片山広明と興味深いメンツでのキヨシロー。「数々のヒット曲と共にキングが街にやってくる、キング!」というジェームス・ブラウン・スタイルMCに紹介され、マントを羽織って登場しました。私は途中でホワイトに移動してしまったのですが、もしかして終盤ではJBのマント・ショーでもやったのでしょうか?
 演奏はまさにヒット曲の連発。こういう割り切ったライブはやっぱり楽しい。雨上がりの苗場に響く“雨上がりの夜空に”の大合唱、最高でした。


ゆらゆら帝国 (WHITE STAGE)

 ついに観てしまったゆら帝のライブ。3人というミニマムな編成から生み出される分厚い音壁は圧巻でした。ドラムもベースもギターもとにかく太いてイイ音を出していて、グルーヴのウネりがたまらない。私の今年のベスト・ライブ。
 しかし、60年代安保闘争の時代のような、この人達のルックスは一体何なんだ!? 今年は一体何年だ!? 普段どんな生活をしているとあんな音楽を生み出せるのか!? 音楽も本人達も謎だらけです(笑)。


The Chemical Brothers (GREEN STAGE)

 フジロックには出過ぎじゃないかという気もするケミブラですが、今回のライブで解散かも?なんて噂もあったので、やはり今年も観ないわけにはいきません。
 1曲目はお馴染み“Hey Boy Hey Girl”で、正直「またかよ」と思いました。映像もお馴染みのものだったし。ここから“Music:Response”に繋ぐ流れもいつもの通りという感じなので、「ベスト盤を出して、集大成的なライブを演って、解散なのかな」と思いました。しかし、曲が次々にノンストップで繋がれ、映像も敏感に反応してステージが進行していくと、過去のライブを遙かに超える快感が襲ってきました。この感覚は99年のアンダーワールドに近い。音も映像も確実にブラッシュアップされており、とても解散するバンドとは思えないクオリティ。
 そして、アンコールのラストはやはり“The Private Psychedelic Reel”。これもいつもの通りの定番ではあるんですが、映像とともに迫ってくるアナログ・シンセの発振音が強烈でした。
 「持ちネタを全部使った」という意味では解散してもおかしくないけど、とても解散するなんて思えないほど絶好調のライブでもありました。さて、ケミブラは今後は一体どうするつもりなのでしょうか?



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